『オルタンシア・サーガ』
その日、僕たちの物語(サーガ)は始まった――
イエペタス半島に700年の歴史を誇る大国――オルタンシア王国。
その豊穣な土地を狙う周辺国によって幾度となく侵略の脅威に晒され続けるも、王国に仕える二大公国――オリヴィエ公国とカメリア公国が剣と盾となり、長きに渡って戦禍を免れてきた。
しかし、聖王暦767年12月5日。
オルタンシア王国に対し、カメリア公国が突如反旗を翻す。
カメリア公国の反逆、そして反乱と時を同じくして現れるようになった魔物によって、オルタンシア王国に混迷の時代が訪れようとしていた……。
戦乱の世で、様々な運命に翻弄されていく騎士たち。
悲劇から始まった宿命の継承と戦いが、動き出す。
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第1話 覚悟 ~カメリアとの戦い~
聖王暦767年12月5日、イエペタス半島に700年の歴史を誇る大国・オルタンシア王国に対し、カメリア公国が突如反旗を翻す。反乱から3年後―オーベル領主・アルフレッドは、従者・マリユス、元王国騎士・モーリスと共にエルプ高原での戦闘に初参加するも、カメリアの宿敵・ルギスの右腕であるロイを相手に、苦戦を強いられてしまう。初陣で己の力不足を痛感したアルフレッドは、父・フェルナンドと家族の墓前であることを心に誓う。
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第2話 記憶 ~マゴニアの伝承~
ある日、オーベル家に仕えるノンノリアは、村の子供・コニーを助けるためク―とともに森へ入るも、トロン洞に迷い込んでしまう。魔物退治に励んでいたアルフレッドたちの助けで一命をとりとめるも、彼らの前に現れたのは、人狼の姿をした魔物だった。マゴニアの伝承曰く、その魔物はやってきた者の心を読み、その人の“一番いやなもの”に姿を変えると言う。マリユス、アルフレッド、そしてそれぞれの心に蘇る記憶とはー。
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第3話 鎮魂 ~隔離された村へ~
オルタンシア正教会騎士団総長・ゲオルグからの依頼を受けペタル村の調査へ向かったアルフレッドたちは、歩く死体の魔物“アンデッド”の群れと戦っている男・デフロットと出会う。この村の出身である彼と互いの目的のため協力した一行は、巨大なアンデッドに対抗するべく、マゴニア伝承で死人を土に帰すと伝わる“鎮魂花(レキュイエムの花)”を探し出す。家族や仲間を弔うため村へ戻ってきたデフロットの心に深く突き刺さる、父の最後の祈りとはー。
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第4話 急転 ~混迷への序曲~
デフロットも加わったアルフレッドたちは、ペタル村での一件をゲオルグに報告するべく王都へ向かう。その道中、魔物に襲われた隊商の荷馬車からダーイラ帝国の民である双子を保護する。王都に到着し、ゲオルグと面会していたアルフレッドとモーリスは、突如として現われた魔物による大聖堂の襲撃に巻き込まれる。教皇バルデブロンのもとへ駆けつけた彼らが目にした光景は、さらなる混迷へと事態を急転させる。
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第5話 衝突 ~守られるもの~
王都襲撃から約1ヶ月後、アルフレッドたちはゲオルグから預かった手紙を届けるため、オルタンシア王国に仕える二大公国の一つであったオリヴィエへ向かっていた。今は亡きレオン大公の娘であり、オリヴィエ領を治めるアーデルハイドとの対面を果たすアルフレッド。そんな中、オリヴィエに現れた教会騎士団の部隊は“魔女狩り”を始める。さらにカメリア軍はオリヴィエへ侵攻を開始。アーデルハイドと対峙するも、意味深な言葉を残し部隊を撤退させていく敵将ロイ。この衝突が意味するものとは一体―。
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第6話 真偽 ~王女の重み~
マゴニアの伝承“王女と巨人”が残るというジュアン島へやってきたアルフレッド一行。この島に現れたと言う、行方不明のマリエル王女を名乗る少女と、そこに集う義勇軍の真相を確かめるべく。義勇軍のリーダー・ジムと、その幼なじみで偽王女を演じるマリー。彼女に自身を重ね、心が揺れるマリユス。アルフレッドたちの説得で真実を明かすことを約束したマリーであったが…。そこへ突如現れたダーイラの双子と魔物たち。危機に瀕したマリユスの身を守ったものとはー。真実と偽りが交差する中で、マリユスは何かを決断する。
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第7話 窮地 ~暴かれた真実~
薬草の産地であるココン村が廃村になったという噂の真相を確かめるべく、アルフレッド、マリユス、デフロット、クーの一行は村へと向かった。この村が2年ほど前から何かを企てる教会騎士団によって占拠されていることを知ったアルフレッドたちは、元司祭・アデルの協力を得て地下水路からノール病院へ進入。真実を突き止めた彼らを窮地に陥れるものとは―。
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第8話 灯火 ~王女の帰還~
ココン村での騒動で、魔女として捕らえられたマリユスと共に「フェールトゥール監獄」へと収監されてしまったアルフレッドとデフロット。しかし、二人はモーリスとクーの協力を得て監獄を脱出。待ち構えていた元王国騎士ルーカンを退け、今まさに処刑されんとするマリユスの救出へ向かう。黒騎士ディディエを前に絶体絶命の危機が迫るも、そこへ集った仲間たちとともに闘う。オルタンシア王国の未来に希望の火を灯す、王女の奪還のために―。
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第9話 魔女 ~過去への試練~
王女健在の知らせは、瞬く間にオルタンシア王国中に広まった。そして、歴史に転機が訪れる戦が始まろうとしていた。マリエルたちはオリヴィエを拠点に着々と挙兵の準備を進めていく。挙兵間近となった日、マリエルはアーデルハイドの手引きで、オリヴィエのとある山奥に匿われている少女・ラクロワと出会う。ラクロワはマリエル王女の力を見定め、自身の役割や聖遺物、そして“マゴニア”の力について話し出す。彼女の正体はなんと、教会が追っていた「魔女」だったのだ。
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第10話 決戦 ~解放への行軍~
王都へ向け進軍するマリエル王女率いる解放軍の前に、突如現れたカメリア軍。暴走するダーイラの双子・サリアとエルヴァを止めたのは、ロイであった。さらにアルフレッドに対し、解放軍への一切の敵対行動を取らないと誓うロイ。しかし、カメリア軍が退く中、マスケット銃を装備した新たな脅威が解放軍を襲う。敵部隊を率いていたのは、フレーゲル・ドレッドノート。
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第11話 攻防 ~信念の果てに~
戦局は優勢となり、解放軍はついに王都入りを果たす。駆逐の快進撃を続けるが、その行く手にゲオルグ総長が立ちはだかる。さらに、地下通路を使い王城を目指すも、待ち受けていたのはバルデブロン教皇の卑劣な罠によって現れるアンデッドの群れ。それぞれの信念がぶつかり合う、激しい攻防が繰り広げられる。アルフレッドたちは王城へ進入し、一気に王座の間へと突き進むが、そこで見たものとは…。
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第12話 約束 ~もう一度、夕日の丘で~
聖王歴771年12月5日、王都入りした解放軍は教会騎士団を退け、大聖堂を制圧。聖遺物の所在を突きとめるべく王城を目指す彼らを待ち受けていたのは、魔法により現世に呼び戻されたレオン、フェルナンドだった。アーデルハイド、モーリス、それぞれが彼らの相手となり、アルフレッドと王女に先を託していく。ついに教皇バルデブロンがいる王の間へ辿り着いた二人は、マゴニアの力で魔神を呼び出した教皇の圧倒的な力に追い詰められていく。その時、一人の男が加勢に現れたのだった。