『天晴爛漫!』
19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代・・・。
天才だが社交性0のエンジニア『空乃天晴』と、凄腕だが臆病な侍『一色小雨』はある事故で日本からアメリカに漂流してしまう。
無一文の二人が日本へ帰るために選んだ方法は、「アメリカ大陸横断レース」に参加すること。
スタートは西海岸ロサンゼルス、ゴールはニューヨーク。
自作の蒸気自動車で荒野を駆け抜け、クレイジーなライバルと競い合い、アウトローや大自然から身を守り・・・果たして二人は過酷なレースに優勝し、賞金を手に入れ故郷へ帰ることができるのか!?
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第1話 晴れときどき小雨
ときは明治、日本のある港町。半月一刀流道場の師範代・小雨は、カラクリの天才で、キテレツなものを作り出しては実験と称して破天荒な振る舞いを繰り返している空乃屋の次男坊・天晴のお目付役を命じられる。一方、天晴は上級役人の怒りをかって入れられていた牢から勝手に抜け出し、無断で家に帰ってしまう。小雨は、かつて奇妙な武器で打ち負かされた因縁はあろうと、捕まれば打ち首になるかもしれない天晴のことを放ってはおけなかった。だが、天晴の蔵からつながる洞窟で見たものは……。
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第2話 in the Dark
天晴の作った蒸気船で漂流していた天晴と小雨は、通りかかった船に救出され、アメリカ・ロサンゼルスに到着する。生活費を稼ぐため、仕事を探す2人。そんな中、天晴の目を奪ったのは、派手なガソリン自動車が先導するパレードだった。後を追い、たどり着いたのはレース場。そして、2人は知る。三大自動車連合『B.I.G.BOSS』が開催する「アメリカ大陸横断レース」に優勝すれば、帰国資金にも十分な、100万ドルという賞金が得られることを……。その夜、レース場に忍び込んだ天晴たちは、一人、暗闇の中サーキットを走るシャーレンと出会う。
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第3話 DUEL
ガラの悪い男たちに囲まれていた子供を助けようとして窮地に陥ってしまった小雨は、「サウザンドスリー」のディランに救われる。天晴は、それが先日のパレードで派手なガソリン自動車に乗っていた男だと気づき「俺の車はいつか、お前の前を走る!」と宣言するのだった。子供の名は、ホトト。父親の仇である、首に蛇のタトゥーが入った男を探し、はるか遠くの村から一人で旅して来たのだという。そんな中、寝泊まりする倉庫がBNWの代表アル・リオンに買われ、出て行かなくてはいけなくなってしまう2人。 天晴は、倉庫を賭けてアルの車に勝負を挑む!
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第4話 Let It Go
大陸横断レースのスタートが近づく中、アルからガソリン車を手に入れた天晴は、さっそく発明に向かっていた。その頃、シャーレンは「女はレーサーになれない」という因習を打ち破るべく、自分をテストするようオーナーに直談判する。だが、チームの男たちに嘲笑され……。侮辱に耐えかねた彼女は、解雇されることも厭わず、ドライバーのデビッドに勝負を申し込む。誇りを掛けた戦いが、始まろうとしていた。
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第5話 The Eve.and...
華々しい前夜祭の席に招かれながらも、ドレスコードに引っかかり、追い払われそうになる天晴たち。そこへ「サウザンドスリー」の一人、クレイジー・TJが、派手な音楽を鳴らしながらやってきた。さらに3人目の「サウザンドスリー」にして仮面をかぶった不気味な男——「虐殺のギル」とその相棒チェイスもあわられ、騒然とする会場。そして、スターティンググリッドを決めるくじ引きを始めようという瞬間、TJが銃を抜き!?
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第6話 I am Gil!
第1日目、賞金1万ドルを掛けたプレレースの火蓋が切られた。天晴たちも、蒸気エンジン車ながら健闘するが、隣を走る車の進路妨害にあってしまう。巻き込んでしまったことを詫びるのは、人の良さそうなリチャード・リースマン。奇人変人ばかりが参加しているレースではなかったのだと、ホッとする小雨だった。それぞれが出発に向けて準備する中、ホトトは探していたタトゥーをつけた男たちを見かけ、あとをつけるが……。
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第7話 FAKE
捕まっていたホトトが必死に天晴たちのもとへ戻り、デスバレーにギル一味の罠が仕掛けられいることを知らせる。先にスタートしたシャーレンたちが、危ない。そのとき、天晴号に秘められた力が、ついに火を吹く――! だが、レースに優勝するための最も合理的な方法は……。すでにホトトを待つことで遅れを取り、その上、ライバルを救うために動くなど、天晴にとっては到底考えられないことだった。
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第8話 HEAVY RAIN
チェイスの弟・トリスタンが「ギル」を名乗っていたことを懺悔し、バッド兄弟の悪巧みは幕引きを迎える。だが、新たな事件が発生した。トップを走っていたレーサーたちが、無残にも殺されたのだ。唯一の生存者だったリチャードは、襲撃者の残したメッセージを伝える。「このレースに参加するものは、皆死ぬ」と――。しかも、その集団のリーダーらしき男の首筋には、ギルズスネークがあったと言う。
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第9話 short break
天晴たちに残された最後の〝希望〟が、見事、彼らを危機から救い出す。だが、ギルの脅威が去ったわけではない。スタッフの安全も考慮し、駅のある都市を補給ポイントとする北寄りのルートに変更して、レースは続行されることとなった。1日待機を命じられたレーサーたちは、それぞれの前へと進む思いをあらたにしながら、つかの間の休息を味わう。天晴はひとり、いまだ完成しないハイブリッドエンジンに思案を巡らせ……。
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第10話 The Bridge to Hell
スタッフを乗せた列車の発車と刻を合わせ、全車揃って一斉にスタートした後半戦。はからずも「鉄道VS自動車」の戦いともなったレースは白熱し、最大の見所であるミズーリ大鉄橋には大勢の記者が待ち構えていた。ソフィアは、列車に揺られながら切に願う。「どうか、このままみんなが無事にゴールできますように……」。だが、そこへ無情にも襲い掛かるギルの毒牙……!
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第11話 Rain in the Dark Night
天晴を庇って凶弾に倒れた小雨は、何とか病院に運ばれたものの、厳しい状況にあった。それぞれに大切している思いを踏みにじられ、ボロボロになったレーサーたち。アルは、人質となったソフィアの身を案じ、一刻も早く助けに行くために、天晴に「力を貸して欲しい」と乞うのだが……。トップを走るはずのレースは、さらにその先を目指す天晴の夢は、本当にここでついえてしまうのだろうか?
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第12話 WE WILL STOP YOU!!
40キロほど先にあるゴーストタウンに、ギルが潜伏しているという情報がもたらされた。州兵が乗り込んで戦場と化す前に、ソフィアを助け出し、レースを続行する――。よみがえった天晴に応え、立ち上がる仲間たち。「見せてやろうぜ、世界が目を覚ますようなやつを!」。しかし、ギルを頭に100人以上もの敵がいる中、こちらは9人。サウザンドスリーの2人がいるとて、劣勢は否めない。だが、そこへ駆けつけたのは……!
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第13話 OVER THE MOON
一丸となって繰り広げられる、ギル一味との死闘。その間にも、ソフィアと大量のダイナマイトを積んだ列車は、刻一刻と、フェスティバルで賑わうシカゴの街に迫っていた……! 鉄道の発達も車の発明も及ばない、暴虐たる「力」こそが世界を支配し続けることを、大惨事によって知らしめようとするギル。果たして天晴たちは、その謀略を止め、チェッカー・フラッグの祝福を浴びることができるのか!?