『閃乱カグラ』
忍――。それは遙か昔、戦国の世にあった影(かげ)の存在。
人の中に隠れ、探り、煽り、騙し、壊し、そして殺す――。
あらゆる闇の仕事を引き受けていた陰(かげ)の存在。
いつしか人々の心から消え去り、おとぎ話のように語られるだけになってしまった翳(かげ)の存在。
しかし、彼らが人々の心から消え去ろうとも、人々の業が変わることはない。
いまだ闇の世界に生きるものは必要とされ続けている。
忍は今も存在しているのだ。
現代の忍の雇い主は、政治家や大企業の幹部たち。
強大な権力を持った彼らの中には、忍を己の欲を満たすための道具と考えているものもいる。
そんな闇に動かされた“悪忍”たちに対抗するために、政府はあるプロジェクトを立ち上げた。
“善忍”――そう呼ばれる国家所属の忍を育成する機密プロジェクトである。
そして“善忍”を育成するために作られた機関が「内閣特務諜報部諜報一課付特殊機密諜報員養成所」――通称、忍学科。
学生数1000人を抱える名門マンモス進学校「国立半蔵学院」の知られざる裏の姿。
この物語は悪と戦う"善忍"となることに青春を捧げた、国立半蔵学院忍学科に籍を置く5人の少女たちの愛と勇気の軌跡である。
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第1話 摩天楼に立つ忍者
国立半蔵学院―東京浅草にある名門マンモス進学校の知られざる裏の顔。それは善忍と呼ばれる国家所属の忍を育成する秘密機関、通称忍学科の存在である—。忍学科に所属する飛鳥たち5人の少女は学院の一般生徒に気付かれることなく、日夜一流の忍になるため、修行に励んでいた。ある日、修行の一環として、商店街の不良退治に向かった飛鳥は、修学旅行で浅草に来たが迷ってしまったという少女と出逢う。修行中にもかかわらず道案内を買って出る飛鳥だったが、その少女は後ろ手に短刀を隠し持っていた。
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第2話 伝説の忍あらわる
心にイメージした生物を具現化させることで、超常的な力を発揮する奥義 秘伝忍法 の修行をする飛鳥たち5人。他のメンバーが龍や鳳凰、イカなどの召喚に次々と成功する中、飛鳥だけがなぜか上手くできない。皆の前では元気に振る舞うが、このままでは伝説の忍である祖父の名を汚すことになってしまうと落ち込む。翌日、飛鳥たちが修行から戻ると、忍部屋に寿司屋台ができていた。唖然とする一同。そして寿司カウンターから現れたのはやたらと陽気な老人。「じっちゃん!?」老人の名は半蔵――すなわち、伝説の忍にして飛鳥の祖父その人だった。
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第3話 月下の侵入者
飛鳥は、斑鳩とじっちゃんの歓迎会の買い出しに出かけたが、そこのスーパーで武器を手にした謎の少女に襲われる。有名財閥の子女である斑鳩に対して敵愾心を燃やす少女の攻撃に圧倒される二人だったが、忍結界が解けると少女はいずこへと消えていた。学院に戻った斑鳩は忍クラスの教師・霧夜から兄の村雨が行方不明であると聞かされる。斑鳩は、忍者の適性に劣る兄の代わりに、忍の名門である家と家宝の名刀“飛燕”を継承するために遠縁から迎えられた養女であり、兄とはほとんど話をしたこともない関係だった。歓迎会が終わった夜、兄の行方を案じる斑鳩が部屋に戻るとそこには“飛燕”を手にする兄・村雨の姿があった。
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第4話 臨海修行・忍島
臨海修行のため、忍島にやってきた半蔵学院のメンバーたち。そこには、江戸時代から名のある忍が修行を積んできたという屋敷があるのだが、想像以上の年代物で、最初の修行は屋敷の掃除となる。掃除の最中、梁の裏に「スーパーニンジャ」という文字が書かれているのを見つけた雲雀だが、霧夜先生にスーパー忍者のことを聞くも、笑ってごまかされてしまう。翌日、指導を終えてビーチで寝ていた霧夜が、鈴の音の気配を感じ起き上がると、側に矢文が刺さっていた。一方、自由時間を海水浴で満喫する雲雀たちの前には、蛇女子学園のメンバーが現れる。
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第5話 奇襲!半蔵学院
秘立蛇女子学園―非合法の忍、すなわち悪忍育成を目的とした闇の秘密教育機関。その選抜メンバー5人に半蔵学院への潜入指令が下される。その目的は、半蔵学院に隠されているという超秘伝忍法書を奪うこと。そうとは知らずに、飛鳥たち5人が忍クラスで授業を受けていると侵入者を知らせるブザーが鳴り響く。霧夜が様子を見に行くが、そこには木の人形が倒れているだけだった。その頃、飛鳥たちがいる教室に異変が起こる。視界が歪み、学院全体が忍結界に包まれる中、蛇女子学園のメンバーが現れる。その中の一人、焔は、飛鳥が以前、浅草の道案内をした少女だった。
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第6話 連動忍結界
監視網を縫って半蔵学院旧校舎に潜入した蛇女子学園の悪忍5人は、旧校舎を覆い尽くすほどの巨大な連動忍結界を張り巡らせる。結界の中で飛鳥たち5人は分断され、飛鳥vs焔、斑鳩vs詠、柳生vs未来、葛城vs日影、雲雀vs春花とそれぞれが相戦うことになってしまい、秘伝忍法を使ってもなお悪忍たちの圧倒的な力で苦戦をしいられる。一方、忍結界の外におびき出された霧夜は巨大な連動忍結界に覆われた旧校舎を見上げながら過去の記憶を甦らせる。傀儡忍術の応用技である連動結界は、死んだはずのかつての教え子が編み出したものだった。
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第7話 恐怖のハイキング
蛇女子学園の潜入を許してしまった飛鳥たち5人に霧夜は新たな特訓を命ずる。その特訓とは「ハイ・キン・グ(這緊虞)」。生存術を強化するため、最低限の装備のみで極限空間を与えられた任務を全うしながら丸二日間生き延びなければならないという過酷な修行であった。山頂にあるという巻物を手に入れたものが勝者となるため、5人はそれぞれに出発するが、行く手には数々の難関が立ち塞がる。ボロボロになりながらも山頂にたどりついた5人だが、最後の敵として目の前に現れたのは、伝説の先輩、大道寺その人であった。
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第8話 追憶の忍教室
忍教室での修行がますます厳しさを増す中、霧夜は手裏剣を上手くかわせない雲雀とそんな雲雀をつい庇ってしまう柳生に補修行を課す。霧夜は、5人の生徒は各々特質は違うが、鍛練次第では相当の逸材と見込んでいたのだ。3年前、忍学科の1年生として入学した当時の斑鳩と葛城は、反目し合っていたが、いまでは互いに凌ぎ合う仲となり、2年前に入学した飛鳥も、不器用ながらも伝説の忍の孫という名を背負い日々修行を続けていた。一方、大道寺は、蛇女子学園の悪忍が繰り出す技が、忍学科の先輩で忍修行で一度も倒せなかった凛のものであると気づき、自らも決着をつける時が近いと考えていた。
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第9話 秘立蛇女子学園
先の奇襲以来、警備を強化していたはずの旧校舎に何者かが侵入し、超秘伝忍法書が盗まれてしまう。霧夜から部屋での待機を命じられる飛鳥たちだが、いつの間にか雲雀がいなくなっていることに気付く。超秘伝忍法書を盗みだした侵入者を手引きしたのは、蛇女子学園の悪忍に操られた雲雀だった。雲雀は、自らの手で忍法書を取り戻すため、一人、蛇女子学園へと向かったのだ。雲雀がいなくなったことに責任を感じた柳生は、蛇女子学園の場所がわからないまま部屋を飛び出してしまう。一方、転校生として蛇女子学園に迎えられた雲雀は、春花たちの教官、鈴音と対面する。
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第10話 陰と陽
鈴の音に導かれるまま、誰もいない境内にやってきた霧夜を待っていたのは、鈴音だった。霧夜は、太刀筋から鈴音がかつての自分の教え子、凛であると見破るが、鈴音は、蛇女子学園で待っていると地図を残し姿を消してしまう。蛇女子学園の場所を聞いた飛鳥たちは、霧夜の反対にもかかわらず、雲雀の救出と超秘伝忍法書の奪還のため、危険を顧みず敵地に乗り込むことを決意する。その頃、飛鳥たちが蛇女子学園に向かっていることを知った雲雀は、超秘伝忍法書を取り戻そうと蛇女子学園天守閣の最上階に忍び込む。
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第11話 決戦天守閣
蛇女子学園への潜入に成功した飛鳥たち4人は雲雀と忍法書を取り戻すため、天守閣へと向かう。次々と姿をあらわす警護忍を倒し、ようやく見つけた隠し扉から天守閣に入るが、迷路のような内部には詠たち悪忍が待ち伏せていた。斑鳩は、仲間を先に進ませるために自ら忍結界を張り、詠との対戦を決意する。また、柳生、葛城そして飛鳥の行く手にもそれぞれに未来、日影、焔が立ち塞がる。その頃、牢屋につながれた雲雀は、春花から蛇女子学園の生徒にかけられている「軛の術」=戦いに敗れたものは死んでしまうという術を解けるのは、蛇女子学園のオーナー道元だけだと聞かされる。
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第12話 超秘伝忍法
半蔵学院vs蛇女子学園。天守閣のそこかしこで繰り広げられる戦いは激しさをます。そんな中、「蛇女子学園の生徒たちは戦いに敗れると死ぬ―」雲雀の声を感じとった飛鳥たちは、真の敵は最上階にいるオーナー道元だということを知る。戦いをやめ、道元の元へと向かおうとする飛鳥を、忍の運命として軛の術を受け入れている焔たちは阻止しようとするが、何かに導かれるように、いつしか最上階での戦いとなる。その頃、道元の手元にある陰と陽の超秘伝忍法書からは、オーラを放ち輝きをましていた。道元は、忍法書に選ばれし者の力を拠り代として、超秘伝忍法書の力をいままさに手中に収めようとしていた。