『Caligula -カリギュラ-』
街中に響き渡る美しい歌声。
絶大な人気を誇るアイドル「μ」に見守られるように、この街では穏やかな日常が流れてゆく。
式島律は、宮比市立吉志舞高校の1年生。
スポーツに勉強そして友達にも恵まれ、青春真っ只中の充実した高校生活を送っていた。
時は経ち、2年生として迎えた入学式。
新入生代表として壇上に上がった少年は、本来そこにいることがありえない人物で――
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第1話 冷静さを見失うと、真実と真理にたどり着くことはできない。
充実した高校生活を送る、式島律。ある日大人気アイドル『μ』の新曲を聴いた律は、曲の中に助けを求めるような声が入っていることに気づく。友人たちに確認する律だったが、誰もその問いに答えようとしないばかりか、様子がおかしいと感じる。得体の知れない違和感が積み重なる中、迎えた入学式。新入生として入学してきたのは――
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第2話 不安、焦燥などといった負の感情は他人を巻き込んでいく。
異形化した生徒たちに襲われた律は、巨大な拳銃を持った佐竹笙悟に助けられる。容赦なく生徒を撃つ彼に困惑する律だったが、他の人間には巨大な拳銃も異形化した生徒も見えていないことがわかる。わけがわからないまま家に帰った律の目の前には、ノイズがかかり、同じ台詞を繰り返す母親の姿があった。
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第3話 何故、生きているのか?人生について突き詰めて行けば行くほど、混乱してしまう。
別人と入れ替わってしまった母親を探すため、篠原美笛はどんな情報でも集まるというスイートPのお茶会に参加することに。しかし皆お菓子に夢中で、誰も話を聞いてくれない。美笛はなんとか話を聞いてもらおうと「ゆめかわいく」奮闘するのだが…一方、世界の果てを見てしまった律は、笙悟に会うため旧校舎の音楽準備室へ向かうのだった。
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第4話 自分の存在を認めない人間は、他人からも尊敬されない。
笙悟とアリアからこの世界の真実を聞かされ、なんとか力を貸して欲しいと頼まれる律。そんな律同様に世界の異変に気づいた篠原美笛と守田鳴子が音楽準備室にやって来た。そして「ゴシッパー」上での神隠しが話題になっている中、図書館に行った友達と連絡が付かないと、巴鼓太郎が駆け込んでくるが――
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第5話 誰でも傷つくことはある。だが、傷ついていることに気付かない者は癒やされない。
水口茉莉絵に誘われるがまま、メビウス内にあるマリンリゾート「シーパライソ」にやって来た律達。アトラクションを楽しむ一行だったが、突然「目が合ったかも」と、普通の人には見えないはずのアリアが言い出した。その人物は男子に取り巻かれるほどの美少女で、律も話しかけに行くのだが……?
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第6話 前向きなだけが前進とは言えない。状況を知ることも大切な一歩だ。
街中にμの歌が響き渡り、楽士とデジヘッドが律達に襲い掛かる。なぜ現実に帰らなければならないのか。闘いの中でそれぞれの現実と向き合う決意を固めていき、一斉にカタルシスエフェクトを発現する。しかし律だけは、にがくて苦しい現実を思い出すことができないのだった。
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第7話 絶望的な状況である時こそ、笑顔をたたえることが必要だ。
戦闘から一か月。μは姿をくらまし、楽士も目立った動きを見せていない。そんな中、音楽準備室改め、帰宅部部室では部員たちが鍋を囲んでいた。買い出しに出ていた律だったが、突如周りから人が消え、街は不思議な空間に変容する。そこにμが現れて――
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第8話 人生とは、他人の設計図で作るものではない。どんなに稚拙でも自分で描くべきだ。
μが目覚めず、理想の世界であるはずのメビウスで、思うような生活が出来なくなっていることに不安を覚える楽士達。コーディネイトランキング一位の座を維弦に奪われ、さらには自身のファンを失ったイケPは、維弦に襲い掛かる。一方、カギPは帰宅部部長となった律にあることを持ち掛ける。
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第9話 何かが起こってしまった後であっても、何をするかは自分で選択できる。
楽士のアジトがあるタワーへやってきた帰宅部。アリアによれば、そのアジトへの扉が、メビウスで唯一外との空間を行き来できる方法だと言う。しかし、その扉を現実世界と繋げることができるのはμだけ。そのμと話す前には楽士たちとの闘いは避けられない。タワーに足を踏み入れた帰宅部だったが、かすかに悲鳴が聞こえてきて…
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第10話 Caligula
音楽準備室に閉じ込められた帰宅部メンバー達。そこには帰宅部部長、式島律の姿は無い。やがて疑心暗鬼になり犯人捜しを始めてしまう。そこで鍵介からの提案により、本音の自己紹介をすることに。互いを知るため、それぞれ心の闇へ踏み込んでゆく。
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第11話 人は常に正解を求める。だが、正しければ本当にそれでいいのか?
現実の自分が何者だったか思い出した律は、一人メビウスを抜け出す。通勤ラッシュの電車、刺すような日差し、鼻をつくラーメン屋のにおい…。現実に戻った律の真意は!?
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第12話 理想を壊して、現実へ帰る――。
μの体が黒く染まっていき、呼応するように崩れていくメビウス。律は、再び理想の世界・メビウスへ戻ってきた。μに本当の想いを「言葉」で伝えるために…。