『CANAAN』
アジア有数の世界都市・上海。
そこで行われている祭りは、街を体現するかのような喧騒、嬌声、音楽が入り混じり混沌としていた。
その様子をビルの上から見下ろすひとりの少女がいた。
名はカナン。
彼女は女豹のようなしなやかな動きで、スナイパーライフルのトリガーを引いた……。
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第1話 洪色魔都
アジア有数の世界都市・上海。そこで行われている祭を、ビルの屋上から見下ろす少女の姿があった。名はカナン。一方、手を後ろに縛られ屈強な男たちに囲まれながら寂れた漁船に降り立つ、ひとりの女性がいた。犯罪組織「蛇」の実質的なボス・アルファルドである。そしてもうひとり、駆け出しのカメラマン大沢マリアもまた、フリーランスの記者である御法川と上海に降り立っていた。3人の女性が上海に揃った時、運命が動き出す―。
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第2話 邪気乱遊戯
断崖の道を走る1台の護送車。突如そこに飛来したヘリコプターからマシンガンの轟音が響きわたり、激しい銃撃戦が始まった。その際に護送車から飛び出し、断崖に向かって走り出すアルファルド。男たちが必死におうも、嘲笑の笑みを浮かべ断崖からダイブする......。その頃大沢マリアは、飲食店で御法川にあれこれと質問をされていた。と、その時、まるで2人を目指すように1台の車が店内に突っ込んでくる。
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第3話 阿断事
ギラギラした繁華街の一角。ネコミミとシッポ、そしてきわどい衣装を身につけた女性が、怪しげなカラオケバーに入っていくのを見届けた御法川。中からは「究極合体!」などの叫び声が聞こえていた。 特ダネの匂いがする という理由で大沢マリアと共に店内に入ると、お目当ての女性と出会うことに成功する。いろいろと話を聞きたいと迫る御法は、彼女の脇の下あたりに、イレズミのような 印 があることに気づくのだが......。
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第4話 呉れ泥む
寂れたホテルの廊下には、大沢マリアに部屋を追い出された御法川の姿があった。なかなか部屋に入れてもらえない御法川は、呆れたようにため息をつき立ち去って行く。一方部屋の中では、上海で行われる対テロ国際会議と、各国の首脳陣が続々と上海入りするニュースがテレビから流れていた。しかしベッドの上にいるマリアは、テレビには見向きもせず、昨日の出来事を思い出すたび震えだす肩を、自らぐっと抱きしめていた。
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第5話 灯ダチ
照りつけるような強烈な朝の光の中、死んだように公園の中をふらふらと歩くカナン。そこに「どうだ、憎しみから戦う気分は。泥のようだろう?」というアルファルドの言葉がフラッシュバックされ、その場で倒れこんでしまう。その頃、近代的なビルの一室ではアルファルドが部下たちを前にして、ある計画が最終段階へ入ったことを告げる。「材料の下ごしらえは終わった。あとはオーブンへ入れる前に最後の塩の一振りを……」と。
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第6話 LOVE&PIECE
上海で怪しげなゴシップを取材中の御法川には、ひとつの仮説が浮かんでいた。それは以前渋谷を騒がせた“ウーア・ウィルス”と中国の消えた村、そして体に浮かび上がる異様な模様が全て関連しているというものだった。だが「うん、ありえない」と呟き、頭をかかえてしまう。そこにマリアから、ドアにはさまっていたというある封筒を渡される。差出人は『上海報道事業集団』。中には対テロ国際会議のプレスパスが入っていた。
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第7話 慕漂
御法川から対テロ国際会議の取材をまかされた大沢マリア。しかしアルファルドの策略により捕らわれてしまう。さらに会場では、米大統領をはじめ各国首脳たち数百人が閉じ込められ、ウーア・ウィルスに感染させられていた......。 唯一の解決策は、大越製薬が秘密裏に開発した抗ウィルス剤を輸送すること。だがそれも妨害されてしまう。事態を重く見た米副大統領は、ステルス爆撃機の発進を命じる。その頃カナンはマリアの元へ向かっていた。
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第8話 乞
病院のベッドで目覚めたカナン。傍らには心配そうに見つめる大沢マリアの姿があった。無事を喜ぶマリアだったが、カナンは今まで感じられていた“色”を見ることができなくなっていた。とまどうカナンを見たマリアは、彼女を元気付けようと街に繰り出す事に。一方御法川は自らの推測を確かめるべくサンタナ、ハッコーのいる店に向かっていた。“ウーア・ウィルス”と生き残った村人。その答えを彼らが知っていると確信して......。
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第9話 過去花
御法川は、すべての謎を解き明かすためサンタナとハッコー、そしてマリアとカナンの5人で消えた村へと向かっていた。シルクロードを車でひた走る中、偶然にもユンユンと遭遇。彼女もまた消えた村へと向かっている最中だった。ユンユンを加えた6人は、休憩のため砂漠にある小さな遺跡へと立ち寄る。しかし突如ぬいぐるみをかぶった男が現われ、手にしたライフルを発砲!色が見えなくなったカナンだったが、マリアを守るため銃を手にする。
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第10話 想執
消えた村に着いた御法川たちの前に、アルファルド、部下のリャン・チーが現われる。彼らの攻撃になす術もなく逃げまどう6人だったが、アルファルドは「フラワーガーデンに向かう」と言い立ち去ってしまう......。その後を追うようフラワーガーデン内部へと進む一行。そこはかつて消えた村の被害者を運び込んだ病院であり、研究施設だった。そして実験のため捕らえられ生かされていた村人たちが、御法川たちに襲い掛かる!!
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第11話 彼女添
恐怖、絶望、悲しみ......。さまざまな想いが交差するフラワーガーデン。カナンのクライアントであり、NGO団体OWLの客員幹部である夏目もまた、“ウーア・ウィルス”の実験データを奪取するという目的のためその場所を訪れていた。目的のデータを手に入れた夏目は、施設を破壊するため米特殊部隊と中国軍に出動を要請。武装ヘリが攻撃を始める中、まだ戻らぬサンタナとハッコーを探しに、カナンはフラワーガーデンへと戻っていく。
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第12話 忌殺劣者
安ホテルの一室。フラワーガーデンから無事戻ってきたマリアたち。だがそこにはサンタナとハッコーの姿はなかった......。翌朝ホテルを出発する4人だったが、これまで酷使し続けた車はエンジンがかからず、御法川は皆を列車で先に帰すことにする。列車に乗り込むマリア、カナン、ゆんゆんの3人だったが、そこに公安を装った「蛇」メンバーが乗り込んでくる。そしてアルファルドも同じ列車に乗車していた。
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第13話 キボウノチ
マリアが襲われ、彼女が傷ついていることを知ったカナン。しかしその表情はどこまでも平静であり、その瞳は真っ直ぐ射るようにアルファルドを見つめていた。一方、貨物車両に閉じ込められたマリアとユンユン、腹に銃撃を受けたマリアを前に、慌てふためくユンユン。だが、さらに追い撃ちをかけるようそこには時限爆弾が取り付けられていた......。カナンとアルファルド、マリアとユンユン。それぞれの終末に向かって列車は走り続ける――。