『素敵探偵ラビリンス』
忘れられた街、旧都・東京。
かつて日本の中心であったこの街はすべての首都機能を新都へ移され、結果忘れ去られた空間として存在することになる。
一部の人間は、住み慣れた旧都を離れずに今だその地に身を置いていた。
しかし、その時代から捨てられた街は、荒廃の一途を辿り「迷宮~ラビリンス」と呼ぶに値する様相を見せることになる。
そこでは、神をも恐れぬ怪犯罪や数々の難事件が次々と起きていた。
怪事件…あるものは恐怖を覚え忌み嫌い、あるものは感嘆の声を挙げる。
総して人々はそれを『幻夢事件』と呼んだ。
謎めくその事件の裏では人知れず、悪しき意思が蠢いているのだった…。
その人智を超えたその事件にそして、悪しき意思に挑む一人の少年探偵がいる。
名は…日向マユキ。
マユkに仕える執事の晴嵐、同じくマユキに仕えるメイド初実たちとともに難事件・怪犯罪に挑んでいく彼に宿る不思議な力、「神智」を使いながら…。
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第1話 旧都な名探偵
今から三十年前、東京は「大崩壊」と呼ばれる大地震で、全ての都市機能が新都へと移された。その後、旧都には警察でも解決できない不思議な事件が起こるようになる。「日向マユキ」彼はそんな事件を素敵に解決してしまう美しい十二歳の少年。警視庁捜査一課、戸丸刑事、猪神刑事は事件捜査のため。聖州院学園六年生、みのり、幸太、楽太は、肝試しのため。彼の住む森の中の洋館へ集まってきた。
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第2話 繭樹の決意
警視庁捜査一課の戸丸、猪神、両刑事は愕然としていた。データベースをどんなに探しても「日向マユキ」に関するデータがないからだ。一方、マユキは初めての学校登校で緊張していた。そんなとき、緑地公園、グリーンヒルズで爆破予告事件が起こる。次の爆破予告地点は、マユキの通う聖州院学園から近いヤマフジパン工場。それを知ったマユキは、いてもたってもいられなくなり学校を抜け出し事件現場へと向かってしまう。
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第3話 斜塔の冒険
学校に登校してくるなり、いつものようにクラスの女子に囲まれるマユキ。その、様子を面白くなさそうに見る少年がいた。幸太だ。壊れた置物を直してもらおうと、マユキを捕まえるみのり。無理だよと困り果てるマユキをよそに、幸太は同じものが手に入る場所を知っていると得意げに話す。マユキ、みのり、幸太、楽太はそこへ向かうことを決める。その場所とは永久立ち入り禁止区域にある「東京タワー」だった。
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第4話 紅と白の真実
東京タワーで突如、爆発が起こった。エレベーターに乗っていた、みのりと楽太は閉じ込められてしまう。みのりは足をくじいて動けない。電源の入っていないエレベーターの扉はビクともしない、焦る幸太。一方マユキは、一刻も早く電源を回復させて二人を救出したいと、特別展望室から電源室のあるフットタウン地下一階へと目指す。しかし、頼みの綱の非常階段を見たマユキと幸太は絶望する事となった。
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第5話 旧都哀歌
マユキ達は学校を休みがちな、ややちゃんのお見舞いに行くことになった。ややの兄七郎からややを初め、沢山の鉱物粉塵アレルギー患者が町にいることを知る。本日、元凶である講談金属工業を訴える裁判が行われる。その重要参考人が七郎である。なんとしても裁判所に行きたい七郎。しかし、それを妨害しようとする人物たちが居ることを聞いたマユキ達は心配し、七郎を裁判所まで送り届けることを決める。
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第6話 謀略の鉄路
マユキ達は七郎と車で裁判所へ向かっていた。途中、何者かに妨害されて高速道路が使えなくなってしまう。しかたなく旧都から新都行きの電車「第二山手線」を使い新都へと向かう。しかし、第二山手線の列車の中で異変が起こる。隣の車両に乗っていたはずの七郎が駅についても降りてこないのだ。裁判までの時間は一時間をきっている。マユキ達は消えた七郎の行方を捜すのだが...
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第7話 旧都と爆弾と紅茶
六ツ森ヒルズ最上階で開催されている「世界の紅茶展」。マユキは上機嫌だった。大好きな奥津伊左久監督作品の「紅茶大王」を見れたからだ。一方、警視庁捜査一課の戸丸都らは、「東京革命軍」と名乗るテロリストから、六ツ森ヒルズ爆破予告をうける。マユキ達は六ツ森ヒルズに25年勤めていたという老人を先頭に、脱出を試みる。都とまゆき、爆破に関する予告と事実が食い違うとき、マユキはある異変に気づき始めた。
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第8話 初実の受難
若草萌黄女子高校に通う初美の友達、水城雛子は教師の椋野利昌と付き合う権利を買うために金を渡していた。初美は雛子のために、椋野と放課後の音楽室で話しをすることを取り決める。一方、都たちはある通報を受け。「殺人鬼ハサミ女」の怪談話しのある若草萌黄女子高校の音楽室に向かっていた。怖がる都が音楽室の扉を開けると、そこには死体とハサミを持った初美の姿があった。
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第9話 許されざる罪
初美の疑惑を解くために、真犯人を突き止めることを決意するマユキ。被害者が働いていたもう一つの職場、ホストクラブ、バロックのロッカールームでマユキは日本に三つしか輸入されていないR&E社限定のオリエンタルビューティーを見つける。聖州院学園、紅茶の支度を始める逸美先生の茶葉の缶を見つめるマユキ。犯人の目星をつけたマユキは、自分の能力を悲しく思うのだった。
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第10話 贖罪の生贄
登ることが不可能な北池袋にある50メートルの電波塔の先端に男が串刺しになっていた。事件当日、台風のため上空からもアプローチは出来ない。都と猪神は幻夢事件へと認定させまいと事件早期解決を決意する。一方マユキは大好きな逸美先生の事件で心を痛めていた。度重なる幻夢事件の裏で、何者かが暗躍しているのを感じていたマユキは、自らの意思で幻夢事件に立ち向かっていくことを決意する。
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第11話 欲望の果て
窃盗放火事件の容疑者が、容疑をかけられた途端に事故死した事を知った警視庁捜査一課の都と猪神は、タイミングが良すぎるその事故に疑惑を持つ。「電波塔串刺し事件」と「窃盗放火事件」の関連性をつかんだ都達は真犯人を突き止めるべく動き始める。一方、マユキは事件の真犯人を探すと共に、事件を陰で操っている黒幕を追うのだが...
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第12話 プールサイドでドキッ
「神宮ハワイアンパーク」のプール招待券を福引で当てたみのりは、マユキ達を誘ってプールに行く事を決める。それぞれ、新しい水着を自慢する、みのり、やや、初美、さなえ。女の子がマユキばかりに夢中なのが面白くない幸太は、自分が注目されるためにプールでコイン探しゲームをすることを提案する。一方、都はマユキの事を詮索するために単身で日向家に訪れていた。
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第13話 神隠し遊戯(ゲーム)
旧都で次々と女性がいなくなる事件が起きた。犯行現場には必ず数字が1から順に書かれたカードが置かれている。しかし、「7の数字のカード」だけ、まだ残されていなかった。その頃、マユキの力を借りるべく日向家を訪れた都と猪神は、マユキ達と和泉家へ食事に行く事となる。その帰り、事件は起こった。さなえが何者かにさらわれたのだ。犯行現場に残された「7の数字のカード」を手に握り締めたマユキはさなえの救出を決意する。
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第14話 神智発火
さなえが捕らわれている喫茶店エネイの場所を突き止めたマユキたちは、さなえの救出を試みる。喫茶店エネイで待っていた「セイジュ」と名乗る人物が幻夢事件の裏で人々を操り犯罪を起こさせていると知ったマユキは怒りを抑えきれず、神智を発動させる。だが、セイジュはマユキの能力にひるむことなく、白蟲と「彩」の状態にしたさなえを使って、マユキ達に攻撃を開始する。
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第15話 想いと誓い
喫茶店エネイの爆発からマユキを助けた晴嵐は、セイジュの事を尋ねるマユキの問いをはぐらかす。自分が幻夢事件の捜査の役に立ち、協力するべきだと感じ、警視庁の資料室で幻夢事件ファイルを見ていたマユキは、日向邸に良く似た洋館の資料を発見する。神智の力で何かを感じ取ったマユキは一人、上野台地溝帯にある旧日向邸「風見鶏の館」に向かう。
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第16話 紫の炎
日向家を訪れた信濃紫炎の彩、葉孤の手紙により晴嵐は兄・紫炎が日本に帰国していることを知る。マユキ達は、聖州院学園理事長「紫炎」より学校の怪談話、初代理事長の動く銅像の手に、いつも身につけているものを置くと、恋がかなうおまじないの伝説があることを聞く。マユキ達は伝説を信じない。そんな中ややはマユキとの恋を成就させるために消えた銅像を探し、母からもらった大切な熊の人形を銅像の手に置く。
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第17話 もう一つの彩
聖州院学園で「寒中マラソン大会」が開かれることになった。張り切っている幸太達とは対照的に、運動が出来ないマユキは完走する自信がなく落ち込んでいた。コースの途中で一緒になり、運悪く地下に落ちてしまった初美を助けるため地下道に降りたマユキは、その道がゴールまでの近道だと知る。完走する自信が無いマユキは規定のコースを走らずショートカットをしようとし、途中元歌手の「松原哲哉」に出会う。
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第18話 日向と信濃
日向家に突然に現れた聖州院学園理事長「信濃紫炎」。マユキは晴嵐と同じ苗字の紫炎の存在が気になり、紫炎との関係を聞こうとするが、紫炎のアイディアによりマユキ達は、「日向家横断ウルトラクイズ」をするはめになる。一方、突然日向家に訪れた紫炎に苛立ちを感じている晴嵐をよそに、紫炎はマユキと彩の成長ぶりを観察し始める。
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第19話 追憶の泉
紫炎の企みにより、晴嵐の出かけた先にこっそりついてきた初美、さなえ、子供たちは上野大地溝帯でキャンプすることになった。初美が肝心の食料を持ってきてないことを知ったマユキ達はそれぞれ食料を探し始める。三年前に、この場所に来た記憶があるマユキは、導かれるように幸太、楽太と共に森の奥の洞窟まで進んでしまう。帰りが遅いことを心配した晴嵐は嫌な胸騒ぎを覚え、マユキたちを探し始める。
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第20話 崩壊の序曲
昔、日向家に優秀なメイドとして仕えていた和泉いなほから、神智につながる道を探すためセイジュは和泉家を訪れる。同じ頃、セイジュの真の目的を探るべく、紫炎はセイジュに接触を試みる。一方、上野大地溝帯の洞窟で、セイジュと接触しある事実を知った晴嵐は真相を確かめるため、いなほの居る和泉家へと足を運ぶ。三兄弟の想いはすれ違いのまま、それぞれ信じた道を歩み始める。
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第21話 歪んだ色彩
戦いの中、晴嵐より自分が彩であると聞いた白蟲は自分が彩なのかとセイジュに問い詰める。神智の力を使いすぎ、眠り続けているマユキの看病を自ら名乗り出た紫炎はセイジュとの決戦にそなえ夕緋、蒼華のメンテナンス調整をするように晴嵐を促す。一方、子供たちはマユキとの思い出を作ろうと豊洲砂丘に埋めたタイムカプセルを一度掘り返そうと決めた。しかし途中、子供たちは砂丘に住む化け物「サンドワーム」に襲われてしまう。
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第22話 遠い絆
豊洲砂丘の崩れたビルの一角、対峙するセイジュ、白蟲、紫炎、葉弧。葉弧が白蟲の身を案じていることを知っている紫炎は、一人でセイジュと戦うことを決める。しかし、歴然とした力の差に愕然とする紫炎。いくら攻撃を仕掛けても防戦一方の葉弧に苛立ちを押さえきれない白蟲、しかしどんなに攻撃を加えても葉弧は攻撃を仕掛けてこなかった。一方、大地のざわめきを神智で感じ取ったマユキは、導かれるままセイジュの居る豊洲ビルの一室へと向かう。
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第23話 僕たちにできること
豊洲砂丘である事実をセイジュから聞いたマユキは気持ちの整理をつけられないままだった。自分のせいで周囲の大切な人々を傷つけていると気付いたマユキは全てを終わらせることを決意し、再び一人上野大地溝帯へと足を運ぶ。一方、セイジュに対抗するすべを得るために、晴嵐は自らの体に彩吊の針を刺し、自らの肉体を完全なマユキの盾とすることを決める。
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第24話 神智の彼方
信濃究極奥義にて自らの肉体を限界まで高めた晴嵐はセイジュと上野大地溝帯で戦い始めていた。一方、マユキを心配していた子供たちはマユキと合流し、マユキの生家に向かっていた。風見鶏の館に在るオルゴールの間にて、マユキたちは沙羅が作ったオルゴールを発見する。オルゴールを手にしたマユキは神智の力によりセイジュと自らの過去の記憶に触れることとなる。
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第25話 時は満ち、花は散る
沙羅が作ったオルゴールのシリンダー部分に神智を目覚めさせる力があると知り、自らの体にシリンダーを突き刺したセイジュは完全に神智を手に入れる。セイジュと全面対決しているマユキは神智を発動させ、仲間を守るためセイジュの野望を阻止する。激しい溶岩が上野大地溝帯に吹き上げる中、セイジュとマユキはそれぞれ別の未来読み(さきよみ)をする。それは、お互いの下から溶岩が吹き出るという予想だった。