- 名前:傭兵
- 英語名:Youhei
- 中国語の名前:佣兵
- 他の名前:獣の佣兵
- 性別:男
『傭兵』
本作の主人公の一人。本編における「俺」。世間から忌み嫌われ恐れられる半人半獣の獣堕ちの傭兵で、身長2メートルを超える筋骨逞しい体に白地に黒い縞模様の入ったトラの姿をしており、鼻面には大きな傷がある。人間の姿に戻してもらうという条件で、ゼロと護衛の契約を結び、共に魔法書をめぐる旅に出る。名前を明かすとそれを使って下僕として縛るとゼロに脅されたため名前は明かしておらず、ゼロからは単に「傭兵」と呼ばれている。
獣堕ちの首は魔術を行なう際に重宝されるため、魔女や懸賞金目当ての盗賊等に狙われ続けた経緯から、大の魔女嫌い。故郷の村では外の世界とは違い他の人間に恐れられることも無く、普通の人間と変わらずに育ってきたが、13歳の頃に自分を狙った盗賊に村が襲撃され、実際に三人の死者がでるほどの損害が出てしまい、このことをきっかけに家を出る。その後は獣堕ちをまともに雇ってくれる場所が殆ど存在しないため、仕方なく傭兵として生きるようになる。その目立つ容姿と過去の形振り構わない戦い方から同業者の間では名が通っており、“黒の死獣”という仇名で知られているものの、本人は恥ずかしい過去として忘れたがっている。恐ろしげな見た目とそれに見合う豪胆な行動力に似合わず、陰口を一々気にする小心者かつお人好しであり、女性を使った比喩表現の例え話をしたり、ソーレナのスタイルの話を聞いて満更でもない好き物でもある。実家が酒場を営んでおり、家を離れるまではその手伝いをしていたため、料理が趣味。その腕前はゼロに「そこらの料理屋よりずっと美味い」と言わしめるほど。将来の夢は小さな酒場を開き結婚してのんびり暮らすこと。
ゼロと出会った時点ではその生い立ちもあって魔女に強い偏見を持っていたが、ゼロやアルバスとの交流を通して、魔女と言っても全てが邪悪な存在ではないことを悟り、自分の見方を改めるようになる。また当初は傍観者のスタンスでゼロの護衛をしていたが、アクディオスでの出来事を機に、報酬とは別に自らの意志をもってゼロと共に魔法書を追うことを決意する。
多くの出来事を経てリーリや神父と共に旅を続けるようになる。サナレを封印しティーオの仇もとり一時はゼロと共にいる名目も無くなったが、その後もゼロと行動を共にする。やがて傭兵に冤罪を着せて“黒の死獣”と呼ばれるようになった原因を作った教会騎士の娘であるジェマと出会い、自分の過去と改めて対峙、禁書館での戦いを経てジェマに真実を告げ和解する。リーリを通じてとはいえ神父とも信頼できる仲間となっていき両親への手紙を託すが、自分の両親は廃村となってもずっと傭兵を待ち続け病死していたことを知り涙を流す。
やがてゼロと男女の関係となり契りを交わすが、全てを自分一人で解決することを決意したゼロによって人間に戻されゼロとは一時別行動となってしまう。人間に戻ったことでそれまで自分一人でやってこれたことができなくなり多くの陰謀にも巻き込まれるが、リーリや神父によって救われる。これによりそれまで獣堕ちの中でも別格の強さであった自分と対等に接してきたリーリや神父の強さを実感、人間に戻ってもそれまで同様に接する優しさを知り本当の友情というものが存在したことを理解した。その後もゼロの力になるため人間の姿のままでゼロの元へ駆けつけ、ゼロを助けるため再び悪魔の力を宿すことに耐えうる肉体を得るため自らの意思で再び獣堕ちへと戻り戦いを終わらせた。
全ての因縁に決着をつけた後は皆とウェニアス王国に戻り、増えすぎた人口の移住計画に参加する。多くの獣堕ちや元獣堕ち、そして彼らを慕う人々を連れて廃村となってしまったかつての生まれ故郷へ赴き、村の再建に邁進する。その努力は実り短期間で村の再建に成功、念願の酒場を開き村人から祝福される。ゼロ、リーリ、神父も村で生活するようになり物語は一旦終わりとなる。