- 会社名:双葉社
- 英語名:Futabasha
- 中国語の名前:双葉社
- 他の名前:株式会社双葉社 / Futabasha Publishers Ltd. / ふたばしゃ / 双叶社
- 会社タイプ:株式会社
- 誕生日:1948-05
- 地域:日本
- 住所:日本 〒162-8540 東京都新宿区東五軒町3-28
- 公式サイト:https://www.futabasha.co.jp/
『双葉社』
株式会社双葉社(ふたばしゃ)は、東京都新宿区に本社を置く日本の出版社である。
1948年5月に設立。
当初は大衆娯楽路線を追求していたが、雑誌、漫画から新書や文庫や単行本などの書籍まで様々な分野を取り揃える総合出版社となっている。
看板雑誌は『週刊大衆』と『漫画アクション』。
1958年創刊の『週刊大衆』は色と欲とスキャンダル路線を採用して、徳間書店の『アサヒ芸能』、日本ジャーナル出版の『週刊実話』と並ぶ、ブルーカラーと水商売向けの週刊誌として定着している。
一方、1967年創刊の『漫画アクション』(創刊者清水文人)は、劇画路線をとる青年漫画誌のパイオニアである。
『ルパン三世』(モンキー・パンチ)、『子連れ狼』(小池一夫/ 小島剛夕)、『博多っ子純情』(長谷川法世)、『じゃりン子チエ』(はるき悦巳)、『くるくるパーティー』(いしいひさいち)、『かりあげクン』(植田まさし)、『クレヨンしんちゃん』(臼井儀人)などの国民的ヒット作を連発していた。
1990年代後半以降は今ひとつヒットに恵まれなかったが、2000年代後半からは『モリのアサガオ』(郷田マモラ)や『鈴木先生』(武富健治)、『星守る犬』(村上たかし)、『この世界の片隅に』(こうの史代)、『orange』(高野苺)といった話題作をコンスタントに送り出している。
書籍では、『週刊大衆』にて1969年から連載された阿佐田哲也の『麻雀放浪記』の単行本がベストセラーとなる。
1984年には『漫画アクション』連載の関川夏央のノンフィクション『海峡を越えたホームラン』が第7回講談社ノンフィクション賞を受賞。
1990年代はゲーム攻略本も多数出版していた。
ポケットベルと携帯電話の着信メロディを扱った書籍は、1998年に大ヒットした『ケータイ着メロ♪ドレミBOOK』を筆頭に、2001年までに累計で600万部を達成した。
2001年頃から沖縄関連の書籍を相次いで刊行し、新境地を開いた。
また、2000年代には佐伯泰英の『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズや、湊かなえの『告白』がベストセラーとなっている。
最近では、2015年から始まった『京都寺町三条のホームズ』シリーズや、2016年の『君の膵臓をたべたい』(住野よる)がヒット作となった。
歴史
岐阜県岐阜市の米穀商の矢澤領一が「大衆娯楽の殿堂」をモットーに1948年に設立した。
社名の由来は、大相撲の横綱だった双葉山。
第二次世界大戦直後の出せば売れる出版ブームに乗って、編集を担当する実弟の矢澤貴一らの兄弟3人で『花形講談』を創刊。
その後も、『読切傑作集』『傑作倶楽部』『小説の泉』『大衆小説』『剣豪列伝集』など、大衆読物雑誌を続々と創刊。
表紙や誌名が異なっても中身と執筆陣は代わり映えせず、社長の矢澤はこれを「キャラメル戦法」と称していた。
1952年から1953年にかけて、本社を岐阜市から東京都へ移転。
千代田区の神田神保町を経て、新宿区神楽坂に本社を据えた。
さらに1984年に同区東五軒町に新社屋を建立して移転した。
1955年、新潮社が出版社系週刊誌としては初となる『週刊新潮』を創刊し、新聞社でなければ週刊誌は不可能と言われた当時の常識を打ち破った。
これを受けて双葉社は、3年後の1958年に『週刊大衆』を創刊。
出版社系では3番目に創刊された週刊誌となる。
さらに『週刊実話特報』や『推理ストーリー』などを続いて創刊した。
また『世界秘境シリーズ』や『別冊実話特報』」などの実話系・秘境路線を担当していた編集者の竹下一郎は、後に大陸書房を興している。
1963年8月、出版部を新設し、書籍の刊行を開始。
1967年に『漫画ストーリー』の執筆陣による週刊漫画雑誌『Weekly漫画アクション』が創刊され、他社からも同1967年の少年画報社『ヤングコミック』、翌1968年の小学館『ビッグコミック』と秋田書店『プレイコミック』などが続き、青年漫画誌の創刊ラッシュとなった。
先行する同系統の漫画誌『週刊漫画TIMES』(芳文社)、『漫画サンデー』(実業之日本社)、『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)とともに青年漫画誌を定着させた。
1970年に矢澤一族は大手証券会社系の会社に双葉社を譲渡して、一族会社から脱皮する。
社外から洋紙会社社長の瀬川雄章が社長に就任するが、この人事に社員が反発して経営陣と対立。
混乱の中で瀬川が急死すると『漫画アクション』を創刊した清水文人が後継の社長となり、以後は双葉社の出身者が経営トップに就任するようになっている。
1973年1月に『小説推理』を創刊。
同誌が主催する小説推理新人賞は、大沢在昌を生んでいる。
1984年4月、文庫レーベル『双葉文庫』の刊行を開始。
1985年4月、女性コミック誌『Jour』を創刊。
1987年から家庭用ゲーム機ファミリーコンピュータ(ファミコン)の攻略本を手がけるようになり、1980年代のファミコン全盛期には「ファミコン冒険ゲームブック」を刊行、1990年代には雑誌『ファミコン4コマ王国』を創刊し「4コマまんが王国」シリーズを刊行、2000年代には「4コマKINGDOM」シリーズを刊行するなど、数多くのゲーム系の書籍を刊行している。
こうした経緯から攻略本からアンソロジーに至るゲーム系書籍全般に強みがあったが、「4コマまんが王国」の実質的終息やゲーム雑誌廃刊に伴う攻略本出版の減少などを受け、かつての勢いはなくなりつつある。
またこの流れからパチンコの攻略本を出すようになり、『パチンコ攻略マガジン』の創刊に繋がった。
2014年には『モンスター文庫』を創刊し、ライトノベル分野に参入。
モンスター文庫から新文芸単行本レーベルのMノベルス、WEB発小説に特化したコミカライズレーベルのモンスターコミックスが派生した。