『鬼灯の冷徹 第弐期 その弐』
これは地獄のお話。
あいもかわらず亡者であふれ返っている地獄では、閻魔大王の第一補佐官・鬼灯が、大王の補佐はもとより、亡者への呵責や獄卒たちの指導に、現世への視察と大忙しの日々を送っていた。
そんな鬼灯といつもの愉快な仲間たちに、お久しぶりの西洋地獄の悪魔たち、おとぎ話に出てくる強烈な姫やら鶴やら妖怪たちが加わって、騒々しくも楽しい地獄の日々は、まだまだ続く!
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第14話 閻魔庁の日々/一汁三菜十肉
「閻魔庁の日々」緊迫した空気のなか、裁判長席の閻魔がビシっと笏を突きつけ、威厳をもって亡者に判決を言い渡したその瞬間!裁判の見学は以上、と新人たちに告げる唐瓜。研修中の新人たちに、先輩らしくテキパキと指示を出す唐瓜の横の茄子はいつもの調子ではあるが、それでも二人の姿に成長を感じとった鬼灯とお香が、感慨深げな様子を見せる。しかし、地獄は常に人手不足。今日は獄卒の採用試験があるようだが?「一汁三菜十肉」にぎわう昼時の食堂で「飼い主あるある」を話す犬獄卒たち。そこに駆け込んできた大興奮のシロがくわえていたのは「大盛り、20分で完食したらタダ!」と書かれたチラシだった。竹コースはステーキ大盛り、松コースの地獄飯も気になるが、梅コースは高級小豆使用の赤飯&ぜんざい大盛りという組み合わせ。それを聞きつけた小豆大好き座敷童子とシロに、店に連れていってほしいと頼み込まれた鬼灯は!
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第15話 魔女っ娘とはなんぞや/洋装道楽
「魔女っ娘とはなんぞや」初めての映画出演を終えたマキは、監督に次の作品の役をオファーされる。なんとその役は「ドジ魔女っ娘」。年齢的にギリアウトでしょと怒るマキは気を取り直して台本を見るが、その呪文の難解さと奇妙さに不安になる。リサーチを兼ねて一度本物の魔女に会ってみたいと言いだした監督が、金魚草飼育DVDの打ち合わせでスタジオに来ていた鬼灯に声をかけた数日後。リリスの紹介で、魔女の谷から本物の魔女がやって来た!「洋装道楽」テレビで現世の子供服を見た座敷童子。私たちも洋服が着たいと、とっておきの伊藤博文と寛永通宝を取り出し鬼灯に頼みこむ。根負けした鬼灯が子供服を買ってくるが、どうにもセンスが悪く、買ってきてもらった手前文句が言えない座敷童子の表情は遠慮と悲哀の混じった埴輪のよう。それではどんな洋服が似合うのか? 現世の人を見て方向性を決めてはどうかとの茄子の提案に、浄玻璃鏡を覗き込む鬼灯たち。そこに映っていたのは?
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第16話 お迎え課の荼吉尼/草葉の陰
「お迎え課の荼吉尼」お稲荷さんこと、稲荷大明神の主神は、宇迦御魂と荼吉尼天の二人である。元々悪鬼だった荼吉尼天は、今では閻魔庁のお迎え課の主任として働いているが、そのお迎え課、どうもマゾ男の巣窟になりつつあるという。ちなみに、荼吉尼天の見た目と人となりを一言で言うなら、誰でも一回は妄想するイカン女教師。そんな荼吉尼天がどうして地獄で働くことになったのか、と興味津々の唐瓜と茄子に聞かれた鬼灯が経緯を話し出す。「草葉の陰」閻魔殿の金魚草畑で叫ぶ金魚草と座敷童子。それを見ていたシロは疑問に思う。金魚草は草なのか、何なのか。金魚草は元々、ずいぶん昔にあの世とこの世の境あたりに自生していた物を鬼灯が見つけて閻魔殿の中庭に植えなおして育てたもので、詳しいことはわからない。それ以外にも、地獄の植物は現世では見たことのないものばかり。ならばと鬼灯、昼休みにシロと柿助とルリオを連れて、近くの植物園に行くことに!
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第17話 妖怪に学んだ男と妖怪を使う女
ジリリンと鳴る烏天狗警察の黒電話。最近、滝夜叉姫と名乗る女性が頻繁に電話してきては、何を話すでもなく切ることが続いていた。滝夜叉姫は、あの平将門の娘。父の無念を晴らすべく、丑の刻の神と契約して一騒ぎを起こした妖術使い。それはさておき、この電話に困った源義経から相談を受けた鬼灯は、居場所を知るには、ゴロツキの情報屋に聞いた方が手っ取り早いと、義経と共にある場所へと向かうのだった。
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第18話 天邪鬼/帰れ鶴
「天邪鬼」昔々、天照大神が突然、現世は我が子に治めさせよとのたまい、大国主命に使者を出したものの、全員大国主側についてしまう。そこで雉を遣わし使者に忠告させるが、使者は天探女にそそのかされて雉を殺す。この天探女が、天邪鬼へと派生していくのだが……時は流れて焦熱地獄。鬼灯がルリオに紹介したのは、植物から生まれた人間の特色なのか、全身で桃人間アピールしていた桃太郎と同じく、全身で瓜を主張する女性・瓜子姫だった。「帰れ鶴」どうしたらこんな所に挟まれるのかという挟まれ方をした鶴がいた。その怪しさに通り過ぎようとした鬼灯だったが、呼び止められてしまう。結局、鶴を助けた鬼灯は、どこのどなたと聞かれて、閻魔庁の第一補佐官の鬼灯とだけ告げ立ち去る。そんな事があり、シロは鶴の恩返しを期待してワクワクし、柿助は地獄で鶴を助ける機会があるなんてと驚き、ルリオは何か引っ掛かるものの何も思い出せないまま夜になり……昔話通りに鶴が来た!!!
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第19話 瓢箪鯰/檎働く
「瓢箪鯰」狐喫茶・ヤカンカンで食い逃げが発生する。責任者の檎を前に妲己が始めたのは中国の拷問話。要はさっさとそいつを見つけてとっ捕まえてこい、この能無し。という意味だが、人から金を取ることに関しては人一倍の檎をあざむける者はそうそういない。そんな話を小判としている檎を、雑踏の中から必死で呼ぶ声がする。しかし、その存在感の薄さに檎も小判も、道行く誰もが気づかない。気づいたのはただ一人だけ、鬼灯だった!「檎働く」獲物を丸呑みにした蛇は美味しい。人を丸呑みした蛇は特に美味しい。そう話す妲己を前に、最近、客引きも売り上げもイマイチの檎は冷や汗が止まらない。このままでは解雇されるか食われるか。刑場にいる蛇を分けてくれと閻魔庁で頼み込む。騒ぎを聞きつけた鬼灯が、一週間、獄卒手伝いをするなら亡者を丸呑みして腹がはち切れた地獄の蛇をあげてもいいと言う。働くのはまっぴら御免の檎だが、背に腹は代えられず……檎、働く?!
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第20話 ゲーム/絡繰補佐官
「ゲーム」トコトコとどこかへ向かう柿助を、シロとルリオが呼びとめる。どうやら休日を利用してゲームセンターに行くらしい。柿助は猿。犬やキジと違って器用に手が動くので、遊べるゲームが多いと言う。そのせいか、自分についてゲームセンターに行こうとするシロとルリオに、その前足じゃできないゲームの方が多いんじゃないか、と少し上から目線で言ってしまった柿助がゲームセンターで見たのは、驚愕の事実だった!「絡繰補佐官」あの世の門をくぐって最初の泰広庁から最後の五道転輪庁への道は亡者の一人旅。閻魔庁から変成庁に向かう途中の鉄丸所では、岩が転がり襲ってくる。その先にそびえ立つのは第六裁判所・変成庁。鬼灯の案内で変成庁見学に来たリリスがジャパニーズ絡繰屋敷と喜ぶ横では、鉄丸所でボロボロになったベルゼブブが荒い息を吐いていた。変成王は絡繰好きで、変成庁も鉄丸所も機械仕掛け。それら全てを作る変成王の第一補佐官とは?
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第21話 芥子という兎/範疇
「芥子という兎」『かちかち山』のあの兎こと、芥子。ニホンノウサギのメスだが、絵本の場合は仇討ち話からしてオスっぽく見える。それは芥子の硬派な気質によるところが大きく、友人の兎たちからイケオスが来るからと合コンに誘われても、そんな浮かれた場に大兎撫子は行かぬと一蹴するほど。しかし今日に限って、断ったはずの合コンの頭数合わせに、もう一人誰かを誘っていかなくてはならなくなる。困った芥子が合コンに誘った相手とは?「範疇」風呂敷包みを金棒に下げやってきた鬼灯が、甘味処の縁台で何かをぼんやり見つめる芥子に気づく。元上司が牛頭さんとデートをしているのです。と芥子が指さす向かいのカフェのテーブル席には、何やら話す白澤と牛頭の姿。白澤はどこからどこまでOKなのかと思っていた芥子だが、牛頭を受け入れている時点で牛目はOKなのではと鬼灯は判断する。はたして、女の子はみんな可愛いと言う白澤の範疇は一体どこまで広いのか?
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第22話 野干兄妹/シロの尻が大ピンチ
「野干兄妹」アイドルユニット・まきみきとしてブレイク中のミキ。街を歩けば、そこかしこで人々の話題にあがっているが、いい話ばかりとはいかない。そんなミキが訪ねてきたのは、花割烹狐御前。居合わせた小判が、ミキの語尾を真似てニャ~ンといった瞬間、ミキのストレスが大爆発。狂気的な笑いとともに、このキャラに疲れたと嘆く姿に、さすがの小判も撮るのを諦める。そんなお疲れ気味のミキが、わざわざ檎に会いに来た理由とは?「シロの尻が大ピンチ」大焦熱地獄の火髻処には「似髻虫」という名の、亡者の尻から内臓にもぐり込み、脳から出てくる危険な虫がいる。なにぶん虫なので、亡者と獄卒の区別ができるはずもなく、尻の穴しか見ていないため、獄卒たちは金属製の防護服を着用して業務を行っている。似髻虫に食われたら即手術。最悪、後遺症が残ることもあり、決して丸腰でうろついてはいけない。そう注意をうながす鬼灯の視界に、あってはいけないものが映ってしまう!
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第23話 こんぽんてきに/異種格闘技戦
「こんぽんてきに 」桃太郎や一寸法師が過去を克服したのを見てきた芥子は、自分の「○ヌキ」嫌いを克服せねばと思っていた。芥子が目指すのは、狙いをコントロールし亡者のみを攻撃する精度。頭では「タ○キ」の全てが悪い訳ではないと分かっていながら、「タヌ○」と聞けばすぐに爆発してしまう今の自分は足軽の精度の良くない乱れ打ち。精神修行してさらに強くなりたい。そう打ち明けられた鬼灯は、修行といえば、というある場所を思い出す。「異種格闘技戦」ジムでひたすら己を鍛え上げていた芥子がふと思う。自分は今どのくらい強いのか、他の動物獄卒に追いつけているのか、と。セコンドとして芥子の猛烈な攻撃を受け止めながら問われた鬼灯は、他の肉食動物たちとの手合わせを提案するが、芥子の全勝。捕食者と被食者の間に革命が起こっている。そう感じた鬼灯は芥子の実力を試すついでに、動物獄卒を世間により認知してもらういい機会と、『窮鼠猫を噛む大一番!』を開催する。
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第24話 奪衣婆と懸衣翁/お料理ミキちゃん
「奪衣婆と懸衣翁」亡者が渡る三途之川。シロと柿助が水遊びをしていると、ルリオが慌てたように、ここは遊泳禁止だと言いに来る。一足遅れて、奪衣婆が鬼婆のような剣幕でそこから出ろと怒鳴りつけ、ルリオの足を掴んで「舌切ってやろうか」と脅してくる。賽の河原の子供たちに端的に乳婆と呼ばれている奪衣婆だが、実は懸衣翁(けんえおう)という夫がいる。この懸衣翁、現世だと資料にのってない事すらあるのだが、一体どのような人物なのか?「お料理ミキちゃん」頭もよく真面目で何でもそつなくこなせそうなミキにも苦手なことがある。ちゃんと本を見て料理しても、どうにも不思議な感じになってしまうのだ。一方マキは、お昼もロケ弁ではなく自分で作ったお弁当が多い。ブログにのせろとの事務所命令もあって、今日のお弁当は針口虫のキャラ弁。正直キモイが、おかずは彩りも良く味も良い。意を決したミキは、料理が普通にできるようになりたいとマキに打ち明けてみるのだが……
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第25話 瘟鬼/動物は恩を忘れない
「瘟鬼」現世はパソコンウィルスにネット犯罪といろいろ大変。シロも自分が生まれた室町時代も悪い鬼は来るし病は流行るし大変だった事を思い出す。そこに、鬼灯が桃太郎と知り合いと聞いた源義経から、相談事が持ち掛けられる。何やら困ったことが起きており、桃太郎に協力してもらいたいらしい。それから少しして、天国のうさぎ漢方極楽満月では、鬼灯からの電話で意外な言葉を聞いた桃太郎が驚いていた。その言葉とは「鬼ヶ島」!「動物は恩を忘れない」微動だにしないカピバラを見たシロが思わず尋ねる。「この動物生きてる?」「死んでますよ。貴方も私も死んでます」と返す鬼灯。二人がいるのは、第二裁判所・初江庁へと向かう道の途中。いつもは鬼灯の用事にシロがついていくパターンだが、今日は柿助とルリオも一緒にいる。鬼灯によれば、前々から初江王にシロ・柿助・ルリオの三匹を連れてきてほしいと言われていたらしい。なぜなら初江王は、あるものが大好きだったのだ!
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第26話 ポーカーなら無敵/逝き先はじゅごくの方で宜しかったでしょうか?
「ポーカーなら無敵」鬼灯による「マルキ・ド・サドとレーオポルト・ファン・ザッハ・マゾッホの生涯」の朗読が終わる。座敷童子たちは静かに立ち上がり、完全な無表情のまま拍手し続ける。おそらくスタンディングオベーションなのだろうが、シュールな光景に、物陰から様子をうかがっていた唐瓜は震え上がる。接客業をするわけではないが、座敷童子は女の子。こんな無表情のままでいいのだろうかと、唐瓜はふと心配になってしまう。「逝き先は地獄の方で宜しかったでしょうか」何度言っても汚すぎる字が直らない書類に、葉鶏頭の堪忍袋の緒が切れる。怒髪天の葉鶏頭に、汚い字の主・烏頭は言葉なんざ伝わりゃいいんだと応戦するが、鬼灯はその内容が伝わってないから問題なんだと返す。誤字脱字なく正しい日本語を使うべき派の葉鶏頭と、誤字脱字があろうが大事な事が伝わればいい派の烏頭。どちらの主張も間違ってはいないが、みんなはどちら派なのか。鬼灯は意識調査をして多数決をとることに!