『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』
世界は、幸せばかりではない 楽しいことばかりでもない どちらかと言えば、暗く、貧しい世界なのかもしれない でも、その在り方は自分ひとつ 綺麗なものも、汚いものも、辛いことも、楽しいことも 受け止めるのは、キミ次第なんだから――「音は、響いて……キミの中に」 眠りについた世界で、砦を守る5人の少女たちが奏でる、優しく心揺れる日々―― それは――近くて遠い未来。
長すぎる戦争の爪跡は大地を汚し、世界は静かな衰退の季節を迎えていました。
人の消えた街、魚の住めなくなった海、遥か昔の兵器。
それでも空には光があふれ、どこからか金属の音色が高らかに響きわたります。
空深カナタ、15歳。
小さな憧れと大きな夢を抱いて軍に入隊した少女の、騒がしいほど明るくて、ちょっぴりせつない毎日が今、始まります―――。
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第1話 響ク音・払暁ノ街
幼い頃、打ち捨てられた廃墟で迷子になったカナタは、 ひとりの女性兵士に助けられました。 その女性兵士の手には、金色に輝くトランペットが。 「軍人さんになれば、トランペットが吹けるんだ!」 ちょっとした勘違いをしたまま、カナタは喇叭手に憧れ、 軍への入隊を決意します。 新米兵士カナタが配属されたのは、セーズという街にある 小さな駐留部隊・第1121小隊。 着任当日、セーズは「水かけ祭り」の真っ最中で――。
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第2話 初陣・椅子ノ話
第1121小隊駐屯地・通称「時告げ砦」で始まった カナタの新しい生活。 時告げ砦でカナタを迎えてくれたのは、優しい隊長フィリシア、先輩喇叭手リオ、無口なノエル、最年少隊員のクレハ。 どこかのんびりとした雰囲気の隊生活に、 カナタもさっそく馴染んでいきます。 そんなカナタに与えられた任務。それはなんと――!
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第3話 隊ノ一日・梨旺走ル
雲一つない払暁の空に鳴り響く、下手くそな起床ラッパ――。 喇叭手としてはまだまだだけれど、 隊での生活にもすっかり慣れたカナタは毎日元気いっぱいに、楽しそうに過ごしていました。 けれどある日のこと、カナタは熱を出して倒れてしまい……。
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第4話 梅雨ノ空・玻璃ノ虹
今日のカナタの任務は、街へ出て物資を調達してくること。 カナタは渡された購入品リストを持って、 ノエルの運転するジープに乗り込みます。 見るものすべてが新鮮なカナタの疑問に、きちんと正しく答えてくれるノエル。 だけれどそんなノエルにも、 なかなか解けない問題はあって――。
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第5話 山踏ミ・世界ノ果テ
初夏、クラウスの手で時告げ砦に届けられた何通かの手紙。 手紙の差出人を見て喜ぶカナタと、嬉しそうなノエル。 忌々しげに悪態を吐くリオと、そんな皆を少し寂しそうに眺めるクレハ。 第1121小隊の隊員達は、それぞれに違った反応を見せます。 そしてフィリシアの元に届いた一通の手紙。 そう、その手紙がカナタ達の運命を左右する、すべての始まりだったのです――!
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第6話 彼方ノ休日・髪結イ
セーズにやってきてから初めての休暇に、カナタは張り切って街に出ました。 偶然にもその日は、街の中央広場で市が開かれる日。 初任給を手にあちこち見て回っていたカナタは、教会の修道女・ユミナと出会い、孤児院から抜け出した女の子・ミシオの捜索に巻き込まれていきます。 しかしそんなカナタとは別に、時告げ砦では別の事態が進行していて――。
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第7話 蝉時雨・精霊流シ
蝉の声が響く夏のある日。 どこか元気のないフィリシアを、カナタたちは心配そうに見ていました。 フィリシアの脳裏に浮かぶのは、かつての戦場での光景。 戦火のなか生き残り、瓦礫の山と化した街をさまようフィリシアに、兵士の亡霊は問いかけます。 「こんな世界で生き延びることに、意味はあるのかい…?」 一方、セーズでは灯籠を流し死者の魂を慰める“フィーエスタ・デュ・ルミエール”の日が近づいていました。
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第8話 電話番・緊急事態ヲ宣言ス
その時、カナタは椅子に座り、じっと堪えつづけていました。 割れたビン、濡れた洗濯物。 荒れた食堂の様子は、カナタに反省と後悔の気持ちだけを植えつけます。 あの時ああしていれば、この時我慢していたら――。 涙目のカナタの前には、未だ鳴らない一台の黒電話。 空深カナタ二等兵。彼女は今、本営直通高度緊急非常事態用指令伝達回線保守確認任務中だったのです。
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第9話 台風一過・虚像ト実像
クレハの憧れの人・クラウス。 彼はかつて「砂漠の狼」と呼ばれた伝説的な戦車乗りだったそうです。 台風で立ち往生し、砦に留まることになったクラウスとの会話に胸を弾ませるクレハでしたが、そこに飛び込んできたのは、教会の孤児・セイヤが行方不明になったという知らせでした。 大荒れの天気のなかセイヤを捜すために立ち上がった小隊メンバーたち。 はたして、無事セイヤを見つけ出すことができるのでしょうか……。
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第10話 旅立チ・初雪ノ頃
軍事年鑑のあるページを開き、 どこか塞ぎ込んだ様子のリオは、ずっと悩み続けていました。 自分のすべきこと、 自分にできることとは一体なんなのか……。 そんなリオを心配するカナタでしたが、 うまく言葉を伝えられません。 それぞれがもどかしい気持ちを抱きながら過ごす冬の始めに出会った、一人の老婆。 彼女の生き様は、リオに大きな影響を与えることになるのです――。
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第11話 来訪者・燃ユル雪原
砦に届いたのは、東部国境の敵軍が移動を開始したという 不穏な噂。 カナタたちは不安に揺れながら、 それでも明るく日々を過ごしていました。 そんなある日、カナタとクレハは雪原で傷ついた一人の少女を見つけます。 しかしその少女の正体は、 敵国ローマの兵士だったのです――!
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第12話 蒼穹ニ響ケ
敵国の兵士を匿ったことで、反逆の罪に問われたカナタたち。 しかしそれでもカナタたちは、自分たちが正しいと信じる道へと進みます。 両軍が睨みあい、開戦間近の緊張した空気が漂う国境付近。 開戦を阻止するため、小隊メンバーが取った行動とは――!