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屍姫 赫
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『屍姫 赫』

強い未練、妄執のために、死してなお動く死体――屍(しかばね)。

彼らは生きた人間を襲い、殺していく。

「屍姫」とは、そんな屍を狩るため、光言宗の秘儀により作られた屍の少女たちのこと。

幼い頃に光言宗の僧侶・田神景世に拾われ、児童福祉施設・大麟館で育てられた少年・花神旺里(オーリ)。

彼はある夜、景世が住職を務める世空寺で、美しい少女に出会う。

少女の身体は冷たく、生きている人のそれとは違う。

少女の名は星村眞姫那(マキナ)。

彼女は、景世の下で屍狩りをしている屍姫だった……。

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      • 第1話 死が舞う

        長年暮してきた大麟館を出て、一人暮らしをする決意をしたオーリ。そんな中、彼は幼なじみの犬彦から何人もの女性を殺害した凶悪犯が学校の近くをうろついているという話を聞く。放課後、オーリは引っ越しの荷物をリアカーに積んで運んでいた。その途中で、彼は近くの雑木林に人型の何かが落下するのを目撃するが…。

      • 第2話 游戯のつづき

        幼稚園バスが玉突き事故に巻き込まれ、数人の園児が死亡するという事故が発生。死亡した園児の中には、オーリの顔なじみの輝流という女の子もいた。ところが死亡したはずの輝流が、通夜の最中に生き返ったという。輝流にお見舞いの花を届けようと、彼女の入院した病院に赴いたオーリは、雑木林で出会った少女に出会い…。

      • 第3話 夜の声

        屍により若い女性が次々と殺害されるという事件が発生した。景世とマキナは、光言宗の僧侶である伊佐木と彼に従う屍姫の水薙生とともに屍を追跡していた。だが屍はいつも忽然と姿を消し、犠牲者ばかりが増えていく。そんな中、風邪をひいて寝込んでいたオーリは、熱でうなされぼんやりした意識の中で赤ん坊の声を聞き…。

      • 第4話 惨美歌

        マキナの名が星村眞姫那であることや「屍姫」であることなどを知ったオーリ。そんなマキナに興味を持った彼は、学校の図書館で一家全滅した星村家の火事について調べようとする。その途中オーリは、景世がよく怪我をして帰ってくるようになった時期と、星村家が火事になった時期がほぼ同じであることに気づき…。

      • 第5話 背信僧

        景世はオーリに、屍と屍姫のことや、マキナとの関係を打ち明けた。だが、部外者であるオーリに光言宗の秘密を漏らしたことから、景世は屍と戦う守護の任務から外されてしまう。そんな折、オーリが通っている依海高校に、山神異月(イツキ)という転校生の少女と、新任の保健教師である送儀嵩柾がやってくるが…。

      • 第6話 妖走の果て

        イツキはマキナと同じ屍姫で、嵩柾はその契約僧だった。二人は、光言宗を裏切り屍を生み出している背信僧の鹿堂赤紗を追い詰め、彼の目的を聞き出そうとする。その戦いの場に居合わせたオーリは、イツキたちから戦いの邪魔だと追い払われてしまう。無力感にうちひしがれながら、その場を立ち去ったオーリだが…。

      • 第7話 伪言魂

        オーリは墨鳥からある相談を受けた。それは墨鳥の中学時代の剣道部仲間である光良が書いているブログの相談だった。実は不死身のヒーローになった自分が悪を倒すという妄想じみた彼のブログが、現実に起きた出来事と奇妙に一致しているようなのだ。調べるうちにオーリは光良が自覚のないまま屍と化していると察知して…。

      • 第8話 安らぎ

        光良の屍は、自分が受けた攻撃を敵にはね返す、「呪い」という特殊能力を備えていた。負傷した景世の代理として派遣された僧の伊佐木は、屍姫の水薙生(ミナイ)に命じて、彼女が傷つくのも意に介さず光良を攻撃させる。オーリは墨鳥に電話して光良に話しかけてもらい、光良の動揺を誘ってミナイを助けようとして…。

      • 第9話 その胸にトキメキを

        二ヶ月前。オーリと同じ学校に通う女子生徒の春日望は、友達の強引な誘いで人喰いビルと呼ばれる心霊スポットを探検した。そのビルで、屍に襲われてしまう望たち。だが、危ういところでマキナに救われ、望は九死に一生を得たのだった。望は屍と戦うマキナの姿を美しいと感じ、彼女と再会したくて心霊スポットを巡るが…。

      • 第10話 地に星

        オーリは望から最近話題の新興宗教に一緒に入らないかと誘われた。その宗教の教祖は不死の力を持っているとされ、望は入信すればマキナのようになれるのではと考えていた。この宗教なら屍を救う術があるかもしれないと考え、オーリは教祖に会おうとする。だが、教祖が見せた不死の術は、屍を利用したまやかしに過ぎず…。

      • 第11話 ある夜

        “七星”と呼ばれる屍の集団に、赤紗が接触する。屍でありながら理知的に行動し、時には同じ屍を殺す七星の詳細は謎に包まれていた。光言宗壊滅のため協力をもちかける赤紗に、七星側は人間の心を完全に捨てた証を求める。一方、七星の動きを知った景世は、オーリに自分の過去とマキナとの関わりを打ち明けて…。

      • 第12話 夜明け

        七星と赤紗が手を組み、マキナと景世に戦いを仕掛けてきた。景世の人となりをよく知る赤紗は、大麟館を標的にするそぶりを見せる。子供たちを守るため、景世は大麟館へ向かうが、それこそが赤紗の狙い。大麟館の無事を確認した景世がホッとした隙に七星の重無に体を乗っ取られたオーリが景世の武器を奪い、襲いかかり…。

      • 第13話 契約僧告別式次第

        死を間際にした景世に頼まれ、オーリはマキナとの契約を引き継いだ。景世の葬儀が営まれる中、僧正の高峰から改めて光言宗と屍姫に関する説明を受けるオーリ。光言宗への誤解が解け、自分も景世のようにマキナとともに戦いたいと考えるようになったオーリだが、光言宗の監察官である白江から戦う力がないと指摘されて…。

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