『伯爵と妖精』
妖精博士(フェアリードクター)であるリディアは父に会うため、相棒の妖精ニコと共にロンドンへ向かう船の中で、美貌の青年と出会う。
彼は伝説の青騎士伯爵、またの名を妖精国伯爵(アール・オブ・イブラゼル)の現当主、エドガー・アシェンバートと名乗り、代々青騎士伯爵家に伝わるメロウの宝剣を手に入れるため、リディアに力を貸して欲しいという。
巷で噂の強盗犯に似た容貌をしているエドガーと、彼に忠誠を誓い、彼のためなら殺人をも厭わないと言う従者レイヴン…。
胡散臭いと怪しむ反面、その立ち振る舞いから『本物の貴族では…。』と思わずエドガーの話を信じそうになるお人好しのリディア。
その上、ところ構わず甘い言葉で口説くエドガーに、本気ではないと思いながらも、動揺を隠せない。
結局、誘拐同然で連れてこられたにも関わらず、リディアはエドガーの申し出を引き受けることになり、それゆえ、彼女も宝剣を狙う者たちとの争いに巻き込まれていく。
次第に明らかになるエドガー達の過去とその正体…。
宝剣は誰の手に…。
そしてリディアの運命は…。
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第1話 あいつは优雅な大悪党
妖精博士(フェアリードクター)であるリディアは父に会うため、相棒の妖精ニコとともにロンドンへ向かう船の 中で、美貌の青年と出会う。彼は伝説の青騎士伯爵の現当主、エドガー・アシェンバートと名乗り、彼の身分を証明するメロウの宝剣探しをリディアに依頼する。エドガーと彼に仕えるレイヴンの二人は本物の貴族とその従者にしか見えないが、エドガーの容姿はロンドンを騒がす強盗犯にそっくり! 果して彼の正体は本物の貴族? それとも・・・
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第2話 仆の妖精
青騎士伯爵を名乗るエドガーに誘拐同然で連れ去られたにもかかわらず、結局、彼の依頼を引き受けてしまうお人好しのリディア。エドガーたちと宝剣探しをするうちに、同じく宝剣を手に入れようとするハスクリー一味との争いに巻き込まれ、リディアを庇ったエドガーは怪我をし、頼りのレイヴンとははぐれてしまう。さらにエドガーの正体が手配中の強盗犯と判明し、ますます混乱するリディア。それでも負傷した彼を放っておけずにいるリディアにエドガーは自分の過去を語り始めた。
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第3話 メロウの岛
レイヴンと合流したリディアたちは宝剣を求めてマナーン島へ向う。その島の宿屋で、エドガーはレイヴンに対し、リディアが自分の思い通りにならないことに戸惑っていると告げる。それでもメロウの宝剣を手にするためなら、彼女を犠牲にすることも厭わないと自分に言い聞かせるエドガーだが、その会話はリディアに聞かれていた。翌朝、謎解きをする彼らの前に、ハスクリー一味がリディアの父・カールトン教授を人質に現れた。
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第4話 贵族の义务
ハスクリーの手下によって、父・カールトン教授とともに地下牢に閉じ込められてしまったリディアだが、エドガーの作戦により助けられる。残りの謎を解き、彼らはメロウのもとにたどり着くが、宝剣を手に入れるためには人の魂と引き換えにしなければならない。リディアはそのために自分が殺されると思い、エドガーより先に宝剣を手にするが、エドガーは意外な行動に出て・・・
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第5話 妖精女王の花婿
エドガーに伯爵家専属の妖精博士(フェアリードクター)として正式に雇われたリディアの元に、野原の妖精マリーゴールドが訪れる。彼女は青騎士伯爵を妖精女王の花婿にする為にやってきたのだが、かつての青騎士伯爵が結婚の条件として要求した月を持参する途中で何物かに盗まれてしまったという。一方、エドガーの屋敷で舞踏会が開かれ、リディアは妖精ティタニアの絵を描いた駆け出し画家のポールと出会う。さらに舞踏会にはリディアの昔なじみの妖精ケルピーが訪れ、約束の月を持ってきたと言い、リディアをスコットランドへ連れ帰ろうとする。
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第6話 白い弓 朱い弓
妖精女王の侍女・スイートピーはマリーゴールドと共に月の指輪が抜けなくなってしまったポールを花婿として妖精界の連れて帰ると言い出したが、エドガーの提案で指輪が外れるまで、ポールはエドガーの屋敷に滞在することになった。一方、エドガーはポールの素性を調べるようレイヴンに命じ、ポールの正体がエドガーの命を狙う秘密結社朱い月(スカーレットムーン)の一員であることが判明する。エドガーはリディアに意味深な言葉を残し、単身、ポールの下宿を訪れるが・・・
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第7話 プロポーズはお手やわらかに
秘密結社朱い月(スカーレットムーン)の毒刃に倒れたエドガーを助ける為、リディアはケルピーと一緒に妖精界で暮らすことを条件に、エドガーの命を救うよう取引をしてしまう。リディアのおかげで一命を取りとめたエドガーは、リディアと仲直りできたことを素直に喜ぶのだが、当のリディアは別れを決意していた。翌日、伯爵家を訪れたリディアの父・カールトン教授からその事実知らされたエドガーはリディアを取り戻す為に妖精国に行くことを決意する。
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第8話 涙の秘密をおしえて
妖精界から帰ってくる口実としてエドガーのプロポーズを受けたリディアのもとへ、月の指輪(ムーンストーンリング)の管理をする妖精・コブラナイが現れる。コブラナイは指輪をリディアの指にぴったりのサイズにしてはめてしまい抜けなくしてしまった。ご満悦のエドガーは舞踏会を開き、婚約者としてリディアを披露しようとする。招待客や朱い月(スカーレットムーン)の面々が集まる中、遅れてきたポールが一人の少女を連れてきた。その少女はアシェンバート伯爵家につく妖精・バンシーで、エドガーには青騎士伯爵の力を感じないと言い、一族の死を予言するという琥珀の涙を流した。
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第9話 バンシーの记忆
行方不明になったバンシーを探すポールとニコはユリシスに捕らわられてしまう。そこにはユリシスを青騎士伯爵の末裔と認めるバンシーが居た。レイヴンによって解放されたポールによると、ユリシスはバンシーの封印された記憶を解くための琥珀を探しているという。さらにリディアは、ニコから黒妖犬を操るユリシスの恐ろしさと、亡くなったはずのアーミンがユリシスの元に居たことを聞く。気になったリディアはその夜、エドガーの屋敷を訪ねるが……。
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第10話 残された时间
自らの死の予感とリディアへの思いに苦悩するエドガーの前にアーミンが現れる。 一方、酒に酔って強引に迫ってきた上に、アーミンの名前を呼んだエドガーを信じることが出来なくなってしまったリディア。ある夜、リディアの夢の中に現れたケルピーから、バンシーの死の予言でエドガーの命があと数日だと聞かされる。そしてリディアは、屋敷から姿を消したエドガーが青騎士伯爵の義務を果たすため、一人でユリシスのもとへ行ったのだと確信し、バンシーの琥珀を持って妖精界へ行く決意する。
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第11話 ふたりの青骑士伯爵
リディアはポールとともに妖精界にあるユリシスのアジトに潜入し、バンシーを見付け出す。さらにリディアはエドガーを助けるためバンシーのマントを被り変装し、ユリシスのもとに赴く。なんとかユリシスのもとから逃げ出した二人だったが、エドガーは黒妖犬の牙によって傷つき、その魔力に侵されていた。動けなくなったエドガーはリディアを一人で逃そうとする。
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第12話 伯爵と妖精
エドガーとリディアは、ユリシスに仕えているはずのアーミンに導かれ出口に向かう。その途中、倒れているポールを発見し、ユリシスにバンシーと琥珀を奪われたことを聞く。エドガーは一人、青騎士伯爵として決着をつけるため、ユリシスのもとへ向かう。黒妖犬の牙の毒に侵されながらもユリシスと対峙するエドガー。バンシーの記憶の封印を解くユリシス。エドガーを助けに来るリディア。そして全ての記憶を取り戻したバンシーが認めた青騎士伯爵は……。