『ロミオ×ジュリエット』
これは2人の若人の恋のお話。
しかし、恋と呼ぶにはあまりに過酷で切ないお話。
舞台は空中浮遊都市ネオ・ヴェローナ。
キャピュレット家統治の下、神秘の力の恩恵に恵まれ栄華を誇ったこの場所は、14年前、モンタギュー家の反乱により、その平和は過去のものとなる。
暴君による悪政が敷かれ、貧富の差は明白。
木々は枯れ、大地は乾き、水はよどみ、空は深い濃霧に包まれた。
キャピュレット王家の血を引きし、ただ一人の生き残りである少女…… ジュリエット両親のカタキ…… 独裁者の後継ロミオ残酷な運命は2人を引き合わせ、恋に落ちる。
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第1話 ふたり〜出会わなければ〜
舞台は空中大陸ネオ・ヴェローナ。モンタギューによりキャピュレット一族が惨殺されてから14年後…。街では「赤い旋風(かぜ)」と呼ばれる剣士が、市民に圧政を強いるモンタギューの兵士と戦っていた。その正体は、性別を隠して娘狩りから逃れていた少女…ジュリエットだった。ある日、モンタギューの息子であるロミオは、兵士に追われていた赤い旋風を偶然助ける。初めての気持ちにとまどう二人は、偶然にも城の舞踏会で再会する。
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第2話 約束〜思ひ出の香り〜
ネオ・ヴェローナ城を訪れたジュリエットは、偶然、ロミオと再会を果たす。2度目の出会いは「男女」として…。互いに一目で恋に落ちた二人だが、ロミオはボロメア家の娘・ハーマイオニとの婚約を定められ、ジュリエットは城へ行ったことをコンラッドに厳しく叱責される。翌日、16歳の誕生日をむかえたジュリエットはアイリスの咲く野でロミオと再び出会い、心を通わせる。だがその夜、彼女には衝撃の事実が待ち受けていた…。
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第3話 恋心〜残酷な悪戯〜
16歳の誕生日の夜。見知らぬ墓地へと連れられたジュリエットの元に次々に現れる人々。激しい雷雨の中、自分の本当の名、そして幼い頃の記憶がよみがえったジュリエットは、その場に崩れるようにして倒れてしまう。困惑するジュリエットだったが、赤い旋風の負傷の際、治療をしてくれていた街医者・ランスロットが逮捕されたと聞き救出に赴く。医師の救出には成功したものの、追い詰められた赤い旋風は、思わぬ人物の機転により危機を脱するが…。
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第4話 恥じらい〜雨に打たれて〜
「あの人が…モンタギューの息子」救出したランスロットの言葉に衝撃を受けるジュリエット。キャピュレットの、そしてモンタギューの「名」…。悩むジュリエットはオーディンへと姿を変え、両親の墓地へ向かう。そこへリューバと共にやってきたロミオ。二人はリューバでネオ・ヴェローナの天空を舞う。今は名前のことは忘れたい…雲の上でジュリエットはつかの間の幸せを感じる。突然の雨に、近くの小屋で暖を取る二人。ロミオが小屋を離れた間、ジュリエットは服を乾かそうと男装を解いてしまう。
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第5話 疾風(かぜ)〜燃ゆる覚悟〜
静かな雨、小屋の中で重なり合うままの二人…。ロミオの目の前には先ほどの少年ではなく、愛しい人の顔があった。気恥ずかしさに頬を染めながらも再会を誓う二人。だがその頃、街では赤い旋風をとらえようと、さらなる圧政が敷かれていた。街の様子を知らないジュリエットは、ロミオへのお礼にとハンカチに刺繍を施す。一針一針、想いを込めて…。あくる日。赤い旋風の疑いをかけられた人々が引き出される。オーディンはその報を受け、救出に向かおうとする。
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第6話 希望〜託された明日〜
突如、オーディンの前に現れた赤い旋風。とらわれた人々を解放させ、自らは燃えさかる炎へと飛び込んでいった。オーディンは、自分の幼い正義感が彼を殺したと思い、後悔の涙を流す。赤い旋風の死の報告に動揺していたロミオはジュリエットと再会しその無事に安堵したが、突然の別れを告げられてしまう。一方、モンタギューにより階級を剥奪され、追放されるヴィットーリオが襲撃されると聞き、助けに向かったオーディンだったが、瞬間、危機に陥る。そこへ現れる一陣の黒い疾風。漆黒のリューバを駆るは、敵か味方か。
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第7話 ぬくもり〜今だけは〜
オーディンを救った黒衣の剣士は、ティボルトと名乗り、ジュリエットの名を呼んだ。なぜ自分の名を知っているのか、その問いを投げる間もなく剣士は去る。オーディンと出会った墓場を訪れたロミオはある事実に気づき、意を決してポーシアを訪ねた。亡きキャピュレットの一人娘…その名を尋ねるために。夏至の花祭りの夜、オーディンとロミオは再び出会う。その場からかけ去ろうとするオーディンを追うロミオ。その手に捕まった瞬間、少女に戻ってしまうジュリエット。見つめ合う二人は月明かりの中…。
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第8話 甘え〜正義とは〜
月明かりの中、素性を知りながらも気持ちは変わらないというロミオに、ジュリエットの気持ちは揺れる。明くる日、ロミオは父がペンヴォーリオ一家を暗殺しようとしたことを知り、憤りに似た悔しさを感じる。オーディンは再会したティボルトからランスロットを憲兵に売った相手を告げられ、初めて憎しみの感情を覚える。だが、その剣を結局振り下ろすことはできなかった。正義の心でも、憎しみの心でも、自分は人を斬ることができない…自分の弱さ、甘えを知ったオーディンはティボルトの腕の中で慟哭する。
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第9話 決起〜断ち切る迷い〜
弱い自分を断ち切りたい。迷いと焦りで痛々しいほどのジュリエットを、コーディリアは悲しげに見守る。キャピュレット家の剣を携えたジュリエットは、打倒モンタギューを誓う。集まった元家臣達は沸き立つが、キュリオとフランシスコはジュリエットの迷いを感じ取っていた。その頃、モンタギューは城の最深部、謎の大樹の広がる部屋で、庭師・オフィーリアと共に城の外へ出る事を決める。情報を得たジュリエット達は、絶好の機会と襲撃を決意するが、一人フランシスコは冷静に思案を巡らせていた…。
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第10話 泪〜貴方と逢えて〜
モンタギュー奇襲は、失敗に終わった。かろうじて逃げ延びたジュリエットだったが、ティボルトから突き放され、失意の中で彷徨った末、ポーシアの修道院に保護される。ポーシアの優しさに触れ、張り詰めていたものが溶かされたジュリエットは涙する。ロミオを呼び寄せ、ジュリエットの無事な姿を見せると共に14年前の事件を語るポーシア。翌朝。バルコニーでジュリエットはつぶやいた。「ねぇロミオ…あなたはどうしてロミオなの?」その問いにロミオは力強く手をさしのべる。君のためなら僕は名を捨てよう…。
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第11話 誓い〜朝陽の祝福〜
家名も使命も捨てさり、シエロとともに安息の地を探して旅立った二人は、これまでの空白を埋めるように、お互いの過去を振り返りながら語り合う。途中立ち寄った森で、シエロと別れるロミオに心を痛めるジュリエット。苦しみにうなされるジュリエットを優しく包み込むロミオ。互いの悲しみを代わってあげられたら…と二人は思い、絆を深めていく。川辺で見つけた小舟に流されながら、一夜を明かす二人。小舟の上でジュリエットは幼い頃の夢を語る。子供の頃憧れた花嫁の様になりたかった、と…。
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第12話 安息〜このままで〜
ロミオとジュリエットの里での新しい生活が始まった。慣れない料理や掃除に苦労しながらも、お互いに笑顔が絶えない生活は順調であるかのように見えた。だが一方で、ネオ・ヴェローナではモンタギューがロミオとキャピュレット家の残党の行方を追わせていた。ロミオが食料を入手した店から情報を得た親衛隊テューバルは、彼をおびき出そうと民家に火を放つ。情報を得たロミオは一人親衛隊の元へ赴こうとするが、ジュリエットは二人でこの危機を脱することを提案し、親衛隊へ戦いを挑む。
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第13話 脈動〜導かれて〜
ロミオとともに、ついに捕えられたジュリエット。彼女は牢に繋がれても、楽しかった彼とのひとときの思い出を糧に、その仕打ちに耐えるのだった。そのころ、ジュリエットが城にとらわれていることを知ったキュリオたちは、彼女を救出するため、無謀にも城への突入を試みる。
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第14話 重責〜この腕の中で〜
キュリオたちの助けを借りて、ジュリエットは牢からの脱出に成功した。一方、モンタギューの前でジュリエットをかばうような発言をしたロミオは、辺境のグラディスカ鉱山へと追放されてしまう。
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第15話 自我〜進むべく道〜
ペトルーキオを目の前で亡くしてしまったロミオは、何事もなかったかのように採掘作業が進められる鉱山での日々に、改めて自分の無力さを思い知る。ジョバンニはそんなロミオに「ヴェローナへ帰れ」と冷たく言い放つのだった。一方、逃走中のジュリエットは、突然昏倒してしまう。それに同調するように大地が鳴動し、鉱山は崩落する。「もう誰も死なせたくない!」懸命に鉱山の労働者達を救おうとするロミオの姿に、ジョバンニ達のとった行動とは…。
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第16話 ひとり〜いとしくて〜
鉱山での事故の報告は、ネオヴェローナ城にも伝わっていた。ロミオの無事を案ずるハーマイオニは、無謀にも一人で鉱山へと向かう。一方、ジュリエット達は再起を図るべく、ヴェローナから離れた地方都市マンチュアに身を寄せていた。アントニオから鉱山での事故を知らされ、動揺するジュリエットの前にハーマイオニが突如現れる。過酷な道中に憔悴した彼女は、ロミオへの想いからジュリエットに対して初めての感情を爆発させるのだった。
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第17話 暴君〜漆黒の因縁〜
鉱山を離れ、ネオヴェローナへの帰還の途にあったロミオ達の元に、帰還拒否の通達が下った。絶望する一行に、ロミオは自分たちの手で居場所を作ろう、と提案する。一方、ジュリエットは、一度は捨てたキャピュレット家の剣を再び受け取る。この剣の重みを、今度こそ受け止めることを誓うジュリエット。明くる日、ジュリエット達は貴族の別荘で偶然ティボルトと再会する。ティボルトからもたらされたモンタギューの新たな事実に、ジュリエットは驚愕するのだった。
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第18話 志〜それぞれの胸に〜
コンラッドも復帰し、再びモンタギュー打倒の機運の高まるキャピュレット一行だったが、武器を取っての戦いに疑問を抱くジュリエット。争いによって誰かの命が失われるのは、正しいことなんだろうか…?その頃、ロミオ達の新しい村ーエルベ村では、順調とはいえない状況にも、ジョバンニ達と協力して立ち向かうロミオの姿があった。皆が幸せに暮らせる場所を作りたい…二人の願いが交錯し、再び邂逅する時が近づいていた。
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第19話 継承〜我こそは〜
ようやく再会を果たしたロミオとジュリエット。新しい土地に、信頼できる仲間…「皆が仲良く暮らせる世界」を、小さいながらも実現しつつあるロミオを逞しく思うジュリエット。いつか二人で暮らせる日が来ることをを信じて、改めて旗印として立ち上がることを決意する。帰還したマンチュアで、ウィリアムの芝居に“赤い旋風”として立つジュリエットを見守るフランシスコ、キュリオ。ついにネオ・ヴェローナに自由の風が吹き抜ける時が…。
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第20話 使命〜揺るぎ無き一歩〜
ネオ・ヴェローナへ帰還する“赤い旋風”。その報をロミオは以前泉で会った老人の元で知る。大地の死…その運命に抗うのならあの娘を守ってやれ…。老人の言葉と、村の仲間からの後押しもあり、ロミオはネオ・ヴェローナへ向かう。一方、城内では赤い旋風=ジュリエットの帰還による、緊急議会が開かれていた。赤い旋風に迎合する市民を、街ごと焼き払えと冷たく言い放つモンタギュー。議決を渋る議長を手にかけ、強硬に自分の意見を押し通す父に、ロミオは哀しみの目で訴えかける。だがモンタギューは、自分こそが世界の真実を握っている、と秘密の間へロミオを連れて行くのだった。
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第21話 掟〜女神の抱擁〜
再びオフィーリアと邂逅するジュリエット。しかしその口から告げられた世界の、そして自分の運命はあまりにも重く、その場にうずくまってしまうのだった。一方、直前に起きた地震の衝撃で街のあちこちから火の手が上り、混乱するネオ・ヴェローナ市街。さらにモンタギューの命により、マキューシオが街に火を放つ。その事実を聞かされたロミオは父に失望し、背を向けるのだった。ジュリエットは被害にさらされた街と、そこに生きる人々を見つめながら、独り決意を固める…。
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第22話 呪縛〜荒ぶる激情〜
ロミオに最後の別れを告げることなく、独りネオ・ヴェローナを救うために犠牲になろうと誓ったジュリエット。そこへ現れたティボルトに、ジュリエットは真実を打ち明ける。ティボルトはその覚悟に胸を打たれ、モンタギューを討つという自分の目的との間で揺れ動く。その頃、ロミオはポーシアに自分の意志を告げる。モンタギュー…父を討つ、と。市民も、兵士も、ネオ・ヴェローナのすべてがモンタギューから離れていく中、ついに城へ向かう乗り込むジュリエット達。待ち受けるモンタギュー。因縁の絆を断ち切るのはロミオの意志か、ティボルトの剣か、それとも…。
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第23話 芽吹き〜死の接吻〜
ついにキャピュレット家の元にネオ・ヴェローナ城は取り戻された。コンラッドは戴冠の儀を進めようとするが、ジュリエットはエスカラスへ導かれ、オフィーリアの元へ向かっていた。すべての人を救う為に。その頃ロミオは、ティボルトにペトルーキオの兄弟の事を託し、エルベ村へ去ろうとしていた。ジュリエットの為に身を引くと言うロミオにティボルトは苛立ち、真実を話してしまう。真実を知ったロミオは、ジュリエットを追ってエスカラスの間へと走るのだった。
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第24話 祈り〜きみのいる世界〜
崩壊の大地。ネオ・ヴェローナは人々の意思を飲み込むかの様に、激しく鳴動してゆく。エスカラスの命が尽きようとする中、やはり命を止めてしまったかのように動かないジュリエットの唇が、ロミオの必死の呼びかけにかすかに反応する。それは、オフィーリアにも予期できない“奇跡”だった。世界の崩壊か、たった一つの“愛”か…。ロミオとジュリエット、二人の選択はいかなる結果を世界にもたらすのだろうか…?