『結界師』
妖(あやかし)の力を高める不思議な地、烏森(からすもり)。
その力を求めて、夜な夜な現れる妖退治を家業とする、結界師の一族が、400年にわたってこの地を守ってきた。
墨村良守(すみむら よしもり)は、烏森学園中等部2年生の14歳。
代々続く結界師一族、墨村家の22代目(予定)だ。
同じく結界師であり幼なじみでもある雪村時音(ゆきむら ときね)とは、どちらが正統な間流結界術(はざまりゅうけっかいじゅつ)の継承者かを争うライバル。
人々を危険から守るため、そして自分が強くなるため、良守は今夜も妖と戦う!!
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第1話 右腕の傷
墨村良守9歳。間流結界術を受け継ぐ墨村家第22代目当主予定の結界師だ。毎夜、妖を呼び寄せる恐るべき力を秘めた烏森。現在は中高一貫の学園が建つその烏森の地で、妖退治の家業を続けている。同じ家業を継ぐ雪村家の娘、2歳年上の時音は、家同士の諍いもあり、格好のライバルだった。そんな修行の毎日の中、良守は未熟さから、時音を妖に傷つけられてしまう。心優しい良守は、以来、誰かが傷つく事がないよう涙を封じ、強くなることを決意した。そして5年後の現在、14歳になる。
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第2話 良守と時音
良守は墨村家第21代目当主の祖父である繁守、小説家で普段は主夫を務める穏和な父の修史、そして5歳年下で小学3年生の弟、利守と四人暮らし。昼間は烏森の地に建つ烏森学園中等部に通っている。ちなみに隣家の時音は同じ敷地内の高等部に通う女子高生。夜は妖退治に明け暮れ、昼間は寝不足の良守だが、唯一の趣味には時間を割く。それは洋菓子作り。幼い頃、時音が食べたがったお菓子の城を完成させようと日夜研究に励んでいる。ある日、土蝦蟇が烏森に侵入。退治した良守は密かに手酷い打撲を負うが、時音は傷の手当てにと薬を送る。
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第3話 美しき鬼使い
雪村家に裏会からの使者、春日夜未が訪れる。今は亡き父、時雄の事を語る夜未に、時音は時雄が死んだ日の事を思い出す。それはとても辛い思い出だった。その夜、烏森の警護に出た良守は、夜未と会い、コミカルな人柄に圧倒される。翌日、再び夜未に会った良守は、時音の父を話題にするのはやめて欲しいと頼む。そんな良守の優しさを甘いと断じる夜未は薬入りのお茶を飲ませて良守を人質にする。鬼のヨキを呼び、妖犬斑尾を倒した夜未は、駆けつけた時音を呪力封じの岩に封じ、烏森の乗っ取りを宣言した!
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第4話 彼女の大事なもの
烏森の力でヨキを強化したい! そんな願いに突き動かされた夜未は時音を邪魔者として殺そうとするが、囚われの身の良守が結界で脱出して時音を助ける。だが、烏森の力で進化したヨキは、夜未との契約も破棄し、言う事も聞かなくなる。良守は、暴走したヨキをなおも大事に思う夜未の気持ちを察し、ヨキを滅せずに助けようと結界に封じる。しかし、そこへ裏会の追っ手が駆けつけ、ヨキを粉砕してしまう。裏会を欺いた夜未は捕らえられ連行される。その別れ際、良守はヨキの角のかけらを返す。とそのかけらから小さなヨキが再生する。
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第5話 お菓子な人間霊
夜未の事件で、兄である正守の消息を知る良守。正守は異能者の組織「裏会」に所属していた。だが、兄のことよりも大事なことがある良守。いつか時音にお菓子の城を食べさせるという野望のため、ケーキ作りに勤しんでいた。そんなある日、元パティシェの人間霊と知り合う。早く成仏してくれと願う反面、ケーキの知識を吸収できてちょっと嬉しい良守。そんな時、烏森学園にあやかし変化の気配! 元パティシェかと駆けつけた良守は邪悪化した人間霊の村上と対峙、説得して学園から連れ出す。
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第6話 烏森の宵桜
神田百合奈は良守のクラスメート。霊感があることを周囲に隠していたが、良守も霊力があると知り、内心怖がる。ある日、烏森学園の名物、狂い桜が季節外れに開花。百合奈は友人のキョーコ、アヤノと夜桜見物をすることになるが、少し早く到着した百合奈だけが学園に入り、あとからきた良守と時音は、百合奈に霊感があると知らず、眼前で妖相手のバトルをしてしまう。すべてを目撃して泣き出す百合奈を労り、式神に家まで送らせる良守。時音はクラスメートに優しい一面を見せる良守をからかうのだった。
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第7話 最高のケーキ
良守の野望はお菓子の城作り。その唯一の理解者兼協力者がパティシェの人間霊、真彦。だが、いずれ成仏しなければ危うい存在になってしまう。良守は迷える霊の相談所を開設しているマザーさんに相談する。真彦の勤めていたケーキ屋の主人から真彦がちくわで有名な食品会社の息子で弟がいる事を聞き出す。弟が心配で成仏できない真彦。だが、弟の俊彦との溝は深そうだ。良守は兄弟思い出のケーキを作り、二人の心を通じ合わせ、真彦を成仏させる。
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第8話 良守な日々
結界術の修行に励む良守。正確さと緻密さでは時音に後れを取っているが、斑尾の目から見ればパワーは良守の方が勝っていた。烏森学園に妖、氷渡が現れた。追う良守と時音。しかし、氷渡は、冷気を操り氷柱弾を放つ危険な妖怪だった。学園のプールに潜む氷渡。居場所が特定できず結界に包むことすら困難だ。良守は凍結したプール内を無闇に結界で包んで滅し、氷渡を怒らせプールからおびき出す。そして時音と連携して見事退治する。だが、この戦いで互いの長所を再認識した良守と時音は、相手に負けたくないと更なる修行に励む。
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第9話 危険な高校教師
霊感があることを秘密にしている百合奈は、以前助けてくれた良守が気になる様子。友人に焚きつけられ、霊感故の悩み相談をし、良守は気前よく応じる。一方、産休代理教師の三能が時音に急接近。夜の学園でその正体を明かす。三能はヘビのガーディアンを操る異能者で、能力で出現させたヘビに傀儡虫が取り憑いていた。駆けつけた良守と連携した時音は、傀儡虫を見事滅する。正気に戻った三能は、鼻白むようなセリフで時音に感謝、良守と白尾の顰蹙を買う。
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第10話 式神チョコバトル
お菓子作りよりも結界術の修行をしろと時音に叱られ、落ち込む良守。父の修史は、情熱を取り戻すため、幻のチョコケーキを食べてごらんと勧める。だが、入手整理券は早朝に配布。良守は式神に代理をさせた。その夜、式神に力を使った良守は、バテ気味。辛くも妖しを退治するが、式神を使ったことがバレ、時音に愛想を尽かされてしまう。さらに落ち込む良守だが、翌日、雪村家にゴキブリが出現。時子も時音も苦手で手が出せない。頼まれた良守はゴキブリを自らつぶして退治。しばらく時音に避けられる。が、実は感謝されていた。
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第11話 鋼夜と斑尾
骨太郎、ウホ助、長尾の三妖が烏森に現れた。相手をする良守だが、どうみても弱すぎる。すると、背後にいるボスが姿を現す。名前は鋼夜。斑尾が生前、銀露という名だった頃から一緒に生きてきた仲間だった。だが、人間に山を追われ殺された鋼夜は化け犬となる。同じく化け犬となった斑尾は、間時守を主とし、鋼夜と決別。そして400年後の今、再び仲間になれと斑尾を誘う鋼夜。決着をつけるため、首輪の封印を良守に解いてもらった斑尾は化け犬に変化し、鋼夜との死闘を開始。相打ちで倒れてしまう!
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第12話 妖犬斑尾封印
人間への憎悪で化け犬となった鋼夜。今は亡き間時守の遺言で人間のために働く斑尾。袂を分かった二頭の死闘。勝ったのは良守の力を借りた斑尾だった。鋼夜は、斑尾にとどめを刺せと望む。すると烏森の力のせいか、斑尾は妖力を取り戻す。鋼夜は自分を褒めた斑尾に満足して塵となった。だが、烏森の力は巨大化した斑尾を暴走させた。珠を集め念糸でつづり、再封印を試みる良守。その苦戦を見かねた白尾は時音に助言し、良守をサポート。ようやく良守は斑尾の再封印に成功する。
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第13話 夜行の頭領 正守登場
裏会に属する正守は夜未を配下に引き入れようと画策。不服そうな夜未に小さなヨキを返すともちかけ強引に承諾させる。その頃、良守は結界術の指南書を読もうとして幼い頃の兄との確執を思い出す。間流正統継承者には方印があり良守にはそれがあるが、兄は優れた術者でありながら方印が出なかった。そのわだかまりを良守は今も引きずっていた。その夜、烏森に現れた妖・蠍鎌に苦戦する良守と時音。そこへ颯爽と現れた正守が見事退治。正守は3年ぶりに現れた良守の兄だった。
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第14話 正守のたくらみ
正守は、良守の戦い方を批判し、正統継承者の自覚を持ち、もっと考えて動けと忠告する。一方で、烏森の力と、良守の実力をはかるため、烏森に妖を仕掛ける。その妖は増殖する森だった。無闇に滅しても滅ぼす事が出来ない妖相手に苦戦する良守と時音。良守は、木なら燃えるかも…とバックドラフト作戦を思いつく。だが、学園の校庭全体を囲む結界を維持するのは良守にとってもは至難の業。崩壊寸前、時音の協力で辛くも作戦成功。正守は、良守の力を、コントロールできないだけで有り余るほどのものだと認める。
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第15話 良守の野望
烏森で妖退治のためバックドラフトを起こした良守。間流結界術の正統継承者として考えて行動しろと忠告した兄、正守に対する意地もあっての冒険だ。そんな危うさを危惧する繁守たち。だが、烏森を永遠に封印するという決意を打ち明けた良守に、正守はやってみろよと促す。一方、偵察の妖を狩った正守は、烏森を狙う者たちの調査のため裏会へ戻る。慰留する繁守に、良守の力を認めている事を打ち明ける正守。一方、兄を追い抜く事を誓う良守。すべては、時音を、そして誰も傷つけないために。
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第16話 無色沼のウロ様
間流修復術。烏森で起こる異変で壊れた場所や物を直す術だが、烏森以外での使用は厳禁。ある日、ウロ様が烏森学園に出現。結界師に用があるというので、良守は墨村家に連れてきた。聞けば、烏森の土地神様で、今は無色沼に棲んでおり、寝床が壊れたので、結界師に修復を頼みに来たという。それは、代々結界師が行うしきたりだった。良守は台所に顔を出したウロ様にドーナツを作って振る舞う。神様なら、烏森の力について教わる事が出来るのではないかと期待し、翌日、良守は繁守と一緒に無色沼に出発。ウロ様が開いた穴の中へ飛び込む。
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第17話 それは神の領域
無色沼でウロ様が開いた黒い穴。飛びこんだ良守が辿り着いたのは、いくつも池が敷き詰められた不思議な場所。その中央に葉やツタで覆われた巨大な球体・ウロ様の寝床があった。そこで呪具を見つけ良守が修復すると、寝床が一回り膨らみ、ウロ様が入ると神の領域が完成する。内部にいた良守は異分子として消されそうになりながらも何とか烏森の謎を聞き出そうとするが、力尽き、ウロ様の侍従・豆蔵によって外の世界へ飛ばされた。辛くも現実世界へ帰還する良守。助かったのは、時音のおかげかもしれなかった。
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第18話 末っ子利守の日々
墨村家の三男坊・利守はある日、クラスメートのガッチョとコンタに課題を手伝って欲しいと頼まれる。はじめは断っていたが、押し切られ、自宅に招く羽目に。墨村家は庭付きのお屋敷。しかも犬を飼っている。大喜びのガッチョとコンタは良守のウエルカムケーキを平らげると、利守の制止を無視してお宅拝見とばかりに家中を駆け回り始めた。そんな二人に困った利守はつい結界術を使い、友人たちを昏倒させてしまう。二人を介抱する良守。いつもは頼りない兄だが、今回はちょっぴり見直す利守であった。
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第19話 白き羽の襲撃者
無色沼から帰還以降、烏森の謎に疑念を抱く良守。繁守相手に間流結界術とウロ様の寝床の結界の違いを問いかけるが答えは得られず、烏森の異変についてのみ注意を促される。一方、新たな敵が烏森学園に来襲。一人は監視者。もう一方は戦闘を担う三つ子の妖、白羽児。無数の羽と化して結界をも突き破る攻撃に、対する時音と良守は苦戦する。時音が三つ子の一人、二月を滅するが、烏森の力を得た二体は合体して、巨大なフクロウ妖に変化した。果たして戦いの行方は?
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第20話 不気味な監視者
烏森で変化した白羽児は無数の羽で攻撃、良守と時音を窮地に陥れる。白羽児が再生する時に力をためる事に気づいた良守は、そこを狙おうと提案。白羽児の首を滅し、好機を伺う。だが、白羽児を包み込んだ良守の巨大結界に滅するまでの力はない。結界を破ろうと暴れる白羽児。時音は細く鋭い矢のような結界で白羽児を貫き動きを封じてサポート。良守はついに白羽児を滅する。烏森と結界師のデータを収集した監視者は烏森から脱出するが、撤退時に妖の力を増強する薬を服用したため、その副作用で力尽きる。
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第21話 非情な転校生 志々尾限
白羽児退治の折に逃走した人間の姿をした妖(監視者)。良守と時音は、人間に化けた妖が、白昼の烏森学園に乗り込んで来る可能性を考え、高等部英語科教師で異能者の三能に注意を促す。その三能が中等部の生徒に襲われた。犯人は良守の隣のクラスの転校生・志々尾限。超人的な力で良守の式神鳥を捕らえた志々尾は、良守に攻撃を仕掛け、難なく結界を切り裂く。邪気に駆けつける時音。二人を前にした志々尾は、裏会の実行部隊・夜行に所属し結界師の補佐役として派遣されたと告げる。
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第22話 裏会からの使者
裏会からの書状を手に、雪村家と墨村家を訪れる志々尾。雪村家では当主・時子のを認め、墨村家では不在の繁守を待つ間、正守や良守たちの写真を見つける。一方、繁守は良守が手に入れた妖が使って妖気を消していた人の皮を、旧友の異界愛好家・松戸に預け調査を依頼する。志々尾は帰宅した繁守から、裏会が出てきた事を快く思っていないと告げられ、自分を派遣した正守の真意を測りかねる。一方、良守も兄と繋がる志々尾に反発するが、烏森の妖退治でも後れを取ってしまう。同じ頃、異界を統べる姫に仕える妖、百は、烏森を攻略すべく動き出す。
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第23話 狙われた正統継承者
結界師補佐役として派遣された志々尾は、良守たちの実力を全く認めていなかった。だが、烏森学園に大首車が現れ、高速回転する車輪の刃で攻撃に、さすがの志々尾も苦戦、傷ついてしまう。だが、『妖混じり』の志々尾は、身に宿した妖の力で驚異的な回復を見せる。良守は、志々尾の動きも読み込んで大首車を一瞬で結界に封じ退治。志々尾も正統継承者たるその実力を認めざるを得ない。一方、消滅する前の大首車が明かした情報で、結界師を賞金首にして烏森に妖たちを差し向けている者たちの暗躍が浮かび上がる。
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第24話 限と恋のアタック
百合奈の幼なじみ・品川葵が志々尾限に恋をした。応援し、猛アタック作戦を勝手に展開するキョーコ、アヤノだが、志々尾の無関心に簡単に玉砕する。良守に助言を求めた百合奈は、志々尾が危険な男だと知り、葵に思いとどまらせようとするが、志々尾が捨てられた子犬を気遣ったエピソードを聞かされ逆に説得されてしまう。その夜、志々尾は妖の攻撃に不覚を取るが、時音と良守の連係プレーに力を貸し、妖を見事退治。良守たちは志々尾の実力を認め始める。一方、葵の恋ははかなく散ったが、拾った子犬にゲンと名付けその回復は早かった。
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第25話 時音にイケメン
烏森学園に地元アイドル・中高のプリンスこと八王子君也が現れた。女生徒たち注目の中、時音をデートに誘い出す。新たな恋のライバル出現に危機感を募らせた良守は、田端たちと尾行を開始するが、途中で見失う。そんな時、志々尾を発見。時音たちを追跡していた志々尾と時音たちを追う良守。一方、人気のない廃ビルに時音を誘い込んだ君也から妖・脳男が正体を現した。脳男は、時音に乗り移ろうとするが、撃退され、烏森を狙う組織の名を明かして滅せられた。その名は『黒芒楼』。烏森の力を人間に対抗するために狙うのか、その目的は未だ不明である。
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第26話 良守がいない夜
異界に浮かぶ黒き城郭、黒芒楼。その統括・白は幹部を集め烏森攻略に必要な『人皮』の完成を藍緋に急がせる。彼らの主たる『姫』の時間が限られているからだ。一方、良守は、妖退治の際にプールに落ちて風邪をひき、翌日の烏森警護を休む事に。代わって繁守が烏森警護の任務に出張ってくる。そこへ、旧型の人皮を付けた妖・緋水が現れた。切り裂いても、滅しても再生してしまう緋水を倒せず、苦戦する時音と志々尾。だが、時音のピンチに良守が駆けつけ、見事に緋水を退治する。
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第27話 最高幹部十二人会
夜行の頭領・正守は、裏会の最高幹部・十二人会の末席に加わる事になった。だが、そこが、化け物のような力を持つ恐るべき者たちの統べる場である事に嫌悪感を抱く。烏森へも関心を寄せる幹部たちに、その排除を自らの手で下そうと決意する正守。一方、良守は担任・黒須に取り憑いた黒猫の霊の処遇に困っていた。早く滅すべきと断じる志々尾。時音も志々尾と同感ながら、良守なりの判断も認めていた。結局、黒猫の霊は黒須がかけた優しい言葉に満足して成仏する。良守は自ら手を下さずに済んだ事に安堵する。
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第28話 黒芒楼の宣戦布告
黒芒楼では、藍緋が新型の人皮を完成。兵を四人選び人間に変身させた。旧型の人皮を付けた火黒を加えた五人は、白昼堂々、烏森学園に出現。その際、志々尾も良守も時音も全く侵入に気づかなかった。火黒たちは、話し合いがしたいと夜の烏森学園にくるように誘いをかけた。その夜、警戒しつつ良守たちが烏森に集う。火黒たちは、素直に烏森を明け渡す事を要求する。だが、良守たちが応じるはずもない。先に仕掛けた火黒は志々尾を一撃で昏倒させる。さらに呪力封じの魔方陣に囲まれる良守たちだが、起死回生の策を打つ!
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第29話 呪力封じの魔方陣
良守の作戦で、呪力封じの魔方陣を脱する時音。茶南たちは人皮を脱いで妖の姿に戻り、攻撃を開始する。火黒は手負いの志々尾を更に痛めつけ、逆上した志々尾は禁じられた完全変化で、妖の力を解放しようとし、見張りの翡葉に力づくで止められてしまう。一方、灰泉、波緑を滅した良守だが、時音を人質にとられ、怒りで絶界の気配を身にまとう。良守に興味を持った火黒は、美学がないと理由を付けて赤亜と茶南を惨殺。烏森から撤退する。だが、禁を破った志々尾は、烏森警護の任務を解任される事に…。
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第30話 烏森の適任者
火黒との戦いで完全変化しかけた志々尾は、禁を犯した罰として烏森警護の任務からの解任を申し渡される。良守は志々尾を引き留めようとするが、自分の殻に引きこもった志々尾は、妖退治の任務は果たすものの、全く聞く耳を持たなかった。良守は、着任を命じた兄の正守に、解任撤回を頼もうと考える。そんな折、正守が墨村家に帰省。繁守は裏会幹部となった正守の真意を質す。正守は自分なりのやり方で烏森を守ると答えるだけだった。一方、良守には、「志々尾が姉を殺しかけた」と志々尾の過去を語り始める。
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第31話 志志尾惊人的经历
生まれながら妖混じりとして妖の力を秘めた息子の暴走を恐れた志々尾の父は、専門にそのような子供たちを預かる組織がある事を知り、志々尾を預ける事を決意する。だが、家族に捨てられたと思いこんだ志々尾は、暴走の末、完全変化して我を失い、姉の涼に瀕死の重傷を負わせてしまう。かねてから情報を得ていた正守は、志々尾を制し、夜行に引き取る。そんな4年前の志々尾の過去を正守から聞かされた良守はそれでも志々尾の残留を強く願う。正守は翡葉を伝令役に仕立て、解任撤回を志々尾と良守に告げる。
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第32話 強烈な亜十羅の試練
妖獣使い花島亜十羅が烏森にやってきた。目的は志々尾と良守と時音のチームワークのテスト。不合格の場合は志々尾を夜行に連れ戻すと宣言。その夜、学園敷地内で30分以内に亜十羅を捉える鬼ごっこがスタートする。良守たちは亜十羅が連れてきた妖獣たちの妨害に大苦戦。協力しないとテストに合格できないと覚悟を決めた良守、時音、志々尾は連携プレーでまず雷蔵をノックアウト。だが、魔耳郎の翼で飛行する亜十羅を捉えるのは至難の業。良守を信頼して最後のチャンスに賭けた志々尾の作戦で辛くも課題をクリア。
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第33話 急げ繁じい本気走り
妖が使った人の皮を手がかりに黒芒楼の調査を依頼していた繁守は、松戸からアジトのありかが分かったと報告を受ける。危険を察し、手を引くよう告げる繁守だが、松戸はすでに敵に目をつけられていた。紫遠が刺客となり、松戸を急襲。駆けつける繁守だが、時すでに遅く、松戸は殺されてしまう。悔やむ繁守。が、松戸は生きていた。正守と謀り、偽装死を演じたのだ。一抹の違和感を感じた紫遠も身代わりとは見抜けなかった。松戸は加賀見とともに黒芒楼のある異界へ旅立つ。
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第34話 卵から声闇の誘い
藍緋の提案で、姫を烏森の主とすべく動き出す黒芒楼。白は撹乱工作のため蟲の卵を火黒に渡す。志々尾に接触した火黒は仲間になれと誘いをかける。拒絶する志々尾だが、火黒から渡された蟲の卵を捨てる事が出来ない。それは自分が妖混じりだという迷いのためだった。正守の電話にも秘密を隠し通す志々尾。烏森に妖・鈴鳴らしが現れ、音波で攻撃する。良守たちは辛くも鈴鳴らしを滅するが、志々尾は迷いから連携を欠く。そして、再び志々尾の前に火黒が現れ、その場を偶然、良守が目撃してしまった。
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第35話 迫り来る黒芒楼
雪村家の当主・時子が異界にある黒芒楼への道を探しに旅立った。留守番をつとめる式神は時子そっくり。精巧さに驚く時音。一方、志々尾は火黒から渡された蟲の卵に気持ちをかき乱されていた。寝返りを促され苦悩する志々尾。志々尾の悩みを感じ、信頼しようと努力する良守。一方、正守は裏会幹部の扇一郎に命じられ、配下の夜行と東北での仕事に向かう事に。姫のため、様々に画策した白は、ついに姫の動座を決行。雪村家墨村家にも刺客が放たれ、烏森へ黒芒楼の妖の大軍が襲来する。
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第36話 烏森炎上
烏森に黒芒楼の大軍が襲来。迎え撃つ良守、時音、志々尾は牙銀の凄まじい攻撃に圧倒される。その頃、繁守は墨村家に現れた紫遠のしもべたちの足止めを食っていた。雪村家は時子不在の中、式神が静江を護る。一方、東北におびき出された正守と夜行たちは、扇の差し金の案件を片付けようと奮戦していたが、思いの外時間を食う。蟲の卵の囁きに翻弄されながらも戦う志々尾は、牙銀の炎球攻撃に禁じられた完全変化で対抗しようとする。そして、良守と時音は、志々尾の変化した姿を初めて見る。
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第37話 志々尾限最期の戦い
白の蟲を潰した志々尾は、完全変化しても暴走せず、良守と時音のサポートを得て、牙銀と互角に渡りあう。ついに牙銀にとどめを刺そうとする志々尾だが、その刹那、火黒の刃が志々尾を貫いた! 良守は、牙銀を倒し、火黒を追うが、瀕死の志々尾を伝える時音の声に我に返り、志々尾のもとへ駆けつける。志々尾は、自分の力が友のために使えた事に満足して死んでいく。その死に呼応したのか、烏森に異変が発生。姫の容体が悪化する。白は姫を護って烏森から撤退せざるをえない。そこへ、繁守と正守が駆けつけた。志々尾の死を悼む正守たち。良守は、志々尾の仇討ちを誓う。
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第38話 それぞれの鎮魂
牙銀亡きあと黒芒楼実行一部の長を№2の左金が占めた。一方、志々尾の死を悼む夜行たちは、その遺体を夜行本拠地から生家へと送り出す。同年代の影宮閃は夜行の中で孤立していた志々尾を回想する。正守は良守を連れ志々尾家の葬儀へ赴く。玄関先で姉の涼に弔問を拒絶された正守だが、涼が送り続けていた志々尾への手紙を返しにきたのだった。弟に自分の謝罪の気持ちを伝えられなかったと号泣する涼。だが、良守は志々尾が姉に謝りたかった、自分は友だちだと伝える。その頃、白は扇一郎にある企みを依頼する。
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第39話 烏森の謎
学園生活に戻った良守と時音だが、志々尾を失った痛手は深く心は沈んだままだった。そんな時、無色沼に異変が生じる。烏森の謎の調査のため、黒芒楼の情報部・碧闇が動き出したのだ。枯れ果てた無色沼に時音と駆けつけた良守は、そこで豆蔵と再会。土地神様・ウロ様の無事を確認し、豆蔵からくろすすき(黒芒)の化け狐の話を聞く。どうやら黒芒楼に関わりがある者の名前らしい。一方、調査を続ける碧闇が烏森にも現れ、良守と時音の結界術を把握して姿を消す。良守たちは、黒芒楼打倒の決意を新たにする。
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第40話 黒芒への道
雪村家に時子が帰ってきた。だが、また旅立つという。時子はひそかに黒芒楼の城への道を作ろうと考えていたのだ。時音から話を聞いた良守は、ついていく事を決意。だが、時音に見抜かれ止めろと忠告される。一方、正守は扇一郎から夜行の活動を制限される。ことを起こす覚悟で扇に逆らった正守は、夜行の本拠地を烏森へ移動する準備を命じる。一方、諦めきれない良守は、旅立つ時子の尾行を開始。すぐに気づかれまかれるが、追い続ける。ついに時子に直談判する良守だが、未熟さを指摘され、諦めさせられる。
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第41話 特訓の日々
対黒芒楼戦に備え、良守は大好きなケーキ作りを封印。利守はその決意に驚く。時子から、「力の使い方がわかっていない」と指摘された良守は、がむしゃらに動くが、修行の方向性も掴めなかった。そんな時、裏山のカラスと遭遇。カラス相手の特訓を思いつく。が、多勢に無勢で散々な目に遭う良守。お寺の和尚さんや時音の助言を得て、カラス攻略の極意をついに会得する。それは、良守の結界術のスピードと精度を格段にアップさせ、時音を驚かせる。だが、そんな良守と時音を突如現れた謎の集団が包囲する。
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第42話 夜行の面々
良守と時音を囲んだ謎の集団は正守配下の夜行たち。正守は黒芒楼壊滅のため、夜行の本拠地を烏森に移す事にしたのだ。墨村家と雪村家に逗留する夜行たち。間流結界術の正統継承者であるが故に、正守を慕う夜行の面々から厳しい視線を浴びた良守は、烏森警護の仕事でも補佐できた夜行たちにお株を奪われる始末。悶々とする良守だが、志々尾のアパートで亜十羅と再会。志々尾の死を自分のせいだとわびるが、亜十羅は死の間際に志々尾が笑顔を見せたのがうらやましいと打ち明けた。その意味の深さに気づかされた良守は改めて仇を取る決意を固める。
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第43話 暗雲の再来
時子が黒芒にて黒芒楼の城への道を作るために尽力する頃、良守は実力を試そうと挑んできた夜行の少年、閃たちとの小競り合いに巻きこまれる。志々尾の背を見送り何も出来ずに死なせたと責められた良守は、仇を取ると閃たちに誓う。一方、烏森学園で平凡な日常を送る時音は、その平和を守るべく黒芒楼に勝てるのか、不安を覚えていた。しかし、良守の明るい振る舞いに癒される。そしてついに、左金率いる黒芒楼の一軍が烏森学園に再襲来。正守は良守とともに夜行を率いて迎撃にあたる…。
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第44話 烏森の激戦
左金率いる黒芒楼の一軍が再び烏森の地に襲いかかる。正守配下の夜行たちは次々に妖たちを倒していった。一方、斑尾が人皮の臭いを察知し、良守は火黒を発見する。だが、それは紫遠が化けた偽物。結界師を黒芒楼の城の維持に利用しようと考えた白が紫遠に捕らえてくるよう命じていたのだ。だが、火黒との対決を望む良守は自ら黒芒楼へ連れて行けと望む。驚く斑尾を弾き飛ばした紫遠は良守を連れ去る。その様子を目撃した閃も紫遠に攫われてしまった。一方、斑尾から良守が囚われたと聞いた時音は、良守を追いかける。
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第45話 黒芒楼の人柱
烏森を襲った左金は亜十羅を人質に烏森の地を要求するが、正守の術に敗れて倒された。その頃、時音は黒芒楼がある異界への潜入を果たす。一方、異界へ連れ去られた良守は、黒芒楼の城の修復に協力するよう命じられるが、閃を人質に取られても拒絶が強く反発してしまう。白は大人しく従うよう消耗させる作戦を紫遠に命じた。烏森では、良守が連れ去られた事を正守たちが知る事に。一方、良守は紫遠の責めにも応じない。そこへ、加賀見を伴った松戸が現れ、旧友である繁守の孫の良守の戒めを解く。
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第46話 異界の迷路
松戸に助けられた良守は、火黒を見つけるが、閃の救出を優先させて対決を見送る。良守を探す時音は、江朱と遭遇、良守が逃げた事を知り、結界で江朱を倒す。繁守と正守は、良守たち救出の助けを得るため、時子の元へ向かう。その時子は、異界の異変を察知していた。異界を維持する姫の力が限界に近づいていたのだ。寝所を抜け出した姫は、閃を探していた良守と出逢う。良守の本質を見抜いた姫は、力を与えて放ってやる。良守は、姫の力で迷路のような城中を迷わず走り、閃を発見。一方、松戸はついに白を捉える。
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第47話 因縁の決着
50年前、友人だった白沼こと白と松戸との間に生じた、白沼の妻・リサを巡る因縁。不死を望むリサのために実験を繰り返した白沼は失敗し、リサは死亡。リサの死後、白沼も死んだと思われた。リサを慕っていた松戸はリサの墓を暴き、蘇生を試みる。その課程で悪魔召還に成功した松戸は悪魔と契約し、リサの似姿をとらせて助手(加賀見)にする。結局、蘇生出来なかったリサとの約束を果たすため、松戸は白沼の死を疑い、行方を探していた。だが、再会した白は、松戸の想いを裏切る。松戸は加賀見の力を借りて白を倒す。
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第48話 崩れゆく城郭
良守を探して地下牢へ向かう時音。その地下牢には閃が囚われていた。時音が追ってきた事を知らない良守は、閃を助けると牢を出てしまい、火黒を探し求める。その頃、正守と繁守は黒芒に到着、時子が作った黒芒楼の城への抜け道の使用許可を得る。救出隊を編成した正守たちはその道を使って異界へ出発。一方、良守は火黒を探して単身飛び出す。その無謀さに困惑する閃だが、時音と出逢い、危険も顧みず動く二人に感化され、良守探しに協力。ついに良守を見つけるが、時音が城の崩壊に巻きこまれて行方不明に。
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第49話 哀しき妖花
閃とはぐれた時音は藍緋と出遭い、藍緋が妖であるにもかかわらず恐れずに近づいてきた一人の男の話を聞く。男は商家の次男だが、体が弱く働けず、寂しさを抱えていた。男の家に招かれた藍緋は妖封じのまじないで屋敷に囚われの身に。だが、奇妙に心地よい日々は男の兄が死に、男が家業を継ぐと終わった。家族のため、身を削り働く男。藍緋は解き放たれる。以来、人間に興味を持った藍緋は研究を続けてきた。時音を逃がした藍緋は、人間との絆を完全に否定する火黒の刃に倒れる。その頃、時音はついに良守と再会する。
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第50話 最終決戦!
良守は、再会した時音を危険から守るため結界に閉じ込め、火黒との決戦に挑む。時音は空間抜けで結界から脱出するが、良守の邪魔になると閃に制され見守る事に。決戦の中、良守の未熟な絶界と対峙した火黒は、その技の完成型を以前見たと教える一方、志々尾を引き合いに出し、能力を持つ者故の苦悩を人間の中で感じたはずだと指摘、良守に自分の過去を話し出す。火黒はかつて人だった。が、人としての情けを捨て、妖になったのだ。良守を自らの世界に引き込もうとする火黒。果たして両者の戦いの行方は…?
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第51話 良守と火黒
良守を身内に取り込もうと誘う火黒。だが、良守は拒絶する。怒る火黒に弾き飛ばされた良守は閃と時音と再会。火黒の強さと良守の絶界の出力不足を指摘する閃。だが、良守は閃に時音を託すと再び火黒に挑む。良守の術の立ち上がりの遅さに気づいた閃は、ガラじゃないと思いながらも加勢。その閃の危機に良守の絶界が完成し、火黒は倒された。だが、良守は結界の中で意識を失ってしまう。同じ頃、姫の力で白が復活。一方、正守たちはついに良守たちを発見するが、良守の球状結界は正守の力でも破れない。時音は意を決してその結界に飛び込む!
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第52話 黒芒楼の終焉
火黒を倒すも結界内で意識を飛ばしてしまう良守。時音と正守は協力して良守の結界の解除に成功する。一方、姫の力の終わりが近づき、崩れゆく黒芒楼。紫遠は碧闇を手下に変えると何処かへ逃げ去った。黒芒楼の楼閣が消え、広がる金色のススキ野で異界の終焉に従う姫と白。良守たちは崩壊する異界から脱出しようとするが…。