『炎の蜃気楼』
戦国時代、天下統一を果たすことなく無念の想いで死んでいった武将たちが現代に甦り戦いを繰り広げる「闇戦国」。
闇戦国を終結させるべく、悪霊となり果てた武将たちの魂を浄化し冥界へ送る「調伏力」を使う者たち…彼らは軍神・上杉謙信により使命を与えられた、冥界上杉軍と呼ばれる最強の「力」の持ち主であった。
冥界上杉軍の総大将は謙信の養子であり、義兄弟・上杉景勝との家督争いで若くして非業の死を遂げた、上杉景虎…。
しかし、現在の彼らの中に景虎の姿はなかった。
30年前の織田信長との戦いで破滅的な打撃を受け、宿体を失った景虎は換生は出来たものの、その後に起きたある事件が原因で記憶を自ら封じてしまっていたのだ----。
松本に暮らす高校生・仰木高耶の前に怪現象をきっかけに現れた青年....彼は高耶が戦国武将「上杉景虎」の換生者であることを告げ、自らも家臣で後見人の「直江信綱」であると名乗る。
しかし、そんな話を信じられる訳もなく反発する高耶だが、身の回りに次々と起こる闇戦国絡みの怪現象に対峙していくうちに自らの「力」を覚醒させてゆく。
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第1話 炎渦の邂逅
松本に住む高校生・仰木高耶の身辺では怪現象が頻発していた。それは親友・成田譲の奇妙な行動をはじめ、白昼、突然蒼い炎に包まれた人間を目撃する等、日常では起こり得ない現象ばかりだった。怪現象と前後して高耶の前に直江と名乗る青年が現れる。直江は自分達に課せられた使命と衝撃的な正体を高耶に語る。「あなたは、この世に未練を残し今も戦い続ける”闇戦国”の怨霊を調伏する冥界上杉軍の総大将にして換生者・上杉景虎なのです...。」と。
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第2話 闇からの換生
“400年にも渡り宿体を換え生き続けてきた---“という信じ難い話をすぐに受け入れられるはずもなく、反発する高耶だが、直江は突如現れた骸骨武者を目の前で事もなげに調伏し“闇戦国”が現実に起きているという事実を突きつける。そして高耶自身も、上杉景虎としての記憶を失ってはいるものの、親友・成田譲の身体へ主君・武田信玄の魂を憑依させ、ゆくゆくは換生の際の宿体にと目論む武田方との戦いに否応無しに巻き込まれてゆく。
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第3話 無明の覚醒
信玄の怨霊に憑坐にされた譲を救出する為に松本城に向かう高耶の前に武田方の骸骨武者たちが立ちはだかる。しかし、400年間の永き間、宿体を換え生き続けてきた、上杉景虎の換生者であるという自分の正体と、怨将を浄化し冥界に送りつける未知の〈力〉を受け入れる事のできない高耶は苦戦を強いられる。あくまでも『自分は景虎ではない』と言い張る高耶に直江は挑発的な言葉で覚醒を促す。そして高耶の目の前に現れた譲は...
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第4話 連鎖の予感
平穏な日々が戻ってきたのも束の間、高耶は再び奇妙な現象に遭遇する。高耶の親友を名乗る千秋修平という男に全く心当たりがないのだ。しかし、譲や紗織をはじめ、他のクラスメイトまでもが千秋を何の不思議もなく受け入れていた。不審感を募らせる高耶の前に冥界上杉軍の一員・柿崎晴家の換生者で現在は女子大生の門脇綾子と、直江が再び現れる。彼女は上杉随一の霊査能力を持ち“闇戦国”がらみの霊査の為に直江が呼びよせたのだ。
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第6話 緋色の刻印
益々過激になる幽霊騒ぎを鎮めるため、直江と綾子は城北高校へと向かう。時を同じくして高耶も”自分なりの決着を着ける”ために現場に赴くが、上杉に反発するあまり直江たちに素直になれない。やがて、何者かに操られ怨恨の念を増大させた霊たちの激しい攻撃が彼らに襲いかかるが、元々は善良な霊を調伏できず苦戦を強いられる。更に30年前の織田との激戦と同じ“吸力結界”が彼らの〈力〉を封じ絶体絶命の窮地に陥れられてしまう。
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第7話 怨嗟の記憶
依然、自ら封印した景虎の記憶は戻らないものの、織田からの仕掛けにより期せずして、高耶は〈調伏力〉を取り戻した。しかし、それは織田方に景虎の存在を知らしめる結果となってしまった。数日後、かつての上杉の城へ鎮魂の為に直江と共に訪れた高耶は、自分の過去にまつわる壮絶な夢を見る。それをきっかけに、絶対的な信頼を寄せていた直江から、400年間に渡る2人の歪んだ主従関係と確執を吐露する衝撃的な告白をされる。