『ふたつのスピカ』
有人宇宙探査ロケット「獅子号(ししごう)」が市街地に墜落し、その事故に巻き込まれ母親を失った少女アスミは、ある日、獅子号のパイロットの幽霊"ライオンさん"に出会う。
ライオンさんとの出会いはアスミのすべてを変えてゆく。
ライオンさんが語る宇宙への想いは、いつしか幼いアスミに宇宙飛行士になりたいという夢を芽生えさせる。
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第1話 打ち上げ花火
有人探査ロケット「獅子号」墜落事故に巻き込まれたアスミの母は意識のないまま5年後この世を去る。葬儀の日、幼いアスミは母の遺骨を持ち出し、道すがらライオンのかぶりものをかぶった青年と出会う。青年はアスミの願いを聞いてから、アスミにもある「お願い」をする。
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第2話 アスミの夢
アスミ中学3年生。宇宙飛行士になる夢をふくらませ、国立東京宇宙学校への進学を希望。しかし、そのことを父友朗には言い出せずにいた。経済的な理由もあるが、何より父を残して東京へ行けるだろうか。そんなアスミを友朗は・・・・・。
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第3話 星への一歩
宇宙学校の入学試験会場から出てきたアスミは、幼なじみの府中野に声をかけられる。意外にも彼も受験生だった。急きょ実技試験として閉鎖環境適応テストが行われることになり、アスミは仮設居住モジュール内で圭とマリカに出会う。試験の内容は、7日間この密室で、ある作業を行うこと。それは?
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第4話 遠い日の記憶
宇宙学校入試。仮設居住モジュールの中で過ごす7日間の課題は、ドミノを完成させること。ライオンさんの言葉を思い出し、がぜんやる気を出すアスミ。しかし、なかなかはかどらないドミノ並べに圭とマリカは対立してしまう。突然、室内が減圧され、とまどう3人。アスミに悲しい記憶が押し寄せる。
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第5話 おかあさんの顔
アスミが小学一年の夏、母今日子はこの世を去った。図画の時間にアスミが描いた家族の絵は、顔面包帯でおおわれた母の姿。お母さんは、三途の川を渡って星になるんだね・・。翌日、川でスケッチをしていたアスミは、あやまって川へ転落し、意識を失って夢の中にいた。
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第6話 テスト終了
閉鎖環境適応テスト中。突然の減圧で震えが止まらないアスミを見かねて、圭は行動を起こそうとしマリカと衝突する。夢の中をさまよいながら、宇宙へ行きたいという思いを強くかみしめたアスミは、あと2日でドミノを完成させる方法を思いつくが・・。
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第7話 宇宙学校入学式
宇宙学校に合格し、アスミが上京する日ライオンは「泣くなよ」と励ました。父とも別れ、これからは、ひとりきりでがんばっていかなくてはと実感する。入学式で、実技試験をともに乗り越えた圭やマリカも合格したことを知る。アスミがひとりで寮に帰ってくると、待ち人がいた。
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第8話 ひとりの夢みんなの夢
宇宙学校の授業が始まった。毎日グラウンド20周のランニング。へとへとなクラスメイトの横を軽やかに駆け抜けていくアスミ。いつしか圭、マリカ、府中野、シュウという仲間ができていた。宇宙資料館に展示された宇宙服の前で、いつかみんなで宇宙に行こうと誓い合うのだった。
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第9話 カムパネルラの森
獅子号墜落事故で恋人の高野を亡くした鈴成由子は、高野の故郷で小学校の教員となったが人生の目標を失いかけていた。そんな折、ハイキングで教え子のアスミと府中野がはぐれてしまう。ふたりをさがして森へ入ると、鈴成はかつて高野が話していた「子どもの頃に森の中の廃線のそばに作った秘密基地」の話を思い出す。探してみると、ロケット型の小屋があった。そしてその中で見つけたものは・・。
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第10話 水の中にも宇宙
あこがれの宇宙服の試着。しかしアスミには大きすぎてブカブカだった。フライトスーツを着て泳ぐ訓練が始まった。幼い頃に川で溺れたアスミは水に恐怖を抱いていたが、自分の弱さに負けまいと放課後も一人で泳いでいた。無理をしたせいか、アスミは突然プールに沈んでしまう。助けに飛び込んだのは…。一方、宇宙服の特注が教師の間で問題になっていた。
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第11話 傷ついた翼
佐野先生から「獅子号事故の原因は君の父親にある」と言われ、悲しみにくれるアスミ。ケイやマリカが心配するがアスミは理由を話すこともできず、一人悩み続けてしまう。アスミが実家に帰ってみると、その日は鈴成先生の結婚式だった。さびしそうに結婚式を見つめるライオンさんにアスミは・・。
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第12話 ふたりの星はっぱ星
1枚のはっぱを見ながら柴田かさねは幼い頃に会った友達を思い出していた。かさねは小学校1年の時、獅子号事故で父親を失い、右腕に大やけどを負い、つらい日々をおくっていた。ある日、公園でアスミという少女に出会い、二人はいっしょに遊ぶようになる。アスミはかさねにとって初めてできた友達だったが、アスミの父が事故を起こした会社の人間だと知って、悲しみと怒りをぶつけてしまう。そんな中、急に引っ越すことになり・・。
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第13話 約束の5人
佐野先生の言葉に傷つき、唯ヶ浜に戻ったアスミはライオンさんに励まされる。父友朗は仕事を増やしたため会えなかったが、アスミは働く父親の姿を思い浮かべ、もう一度夢に向かってがんばろうと東京へ。圭たちは元気な姿で学校に現れたアスミを見てほっとする。毎日続く基礎訓練の中で不安を感じた圭は、「何があっても一緒に学校を卒業しよう」と、誓いを呼びかけるが・・・。
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第14話 悲しい笑顔
圭は、アスミを心配するあまり、佐野先生に詰め寄ってしまう。「人の心配するよりも・・・。」暴言を吐いた佐野先生は宇宙コースの生徒たちから反感を招き、授業をボイコットされてしまう。この一件で責任をとることになった佐野先生は、同僚の塩見先生から、獅子号墜落の原因を作ったと思っていたアスミの父が、実は自分と同様に開発チームから外されていた事実を聞かされ衝撃を受ける。そしてアスミは・・・。
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第15話 ひとりぼっち
今度の休日に宇宙観測所へ行こうとアスミに誘われ、キツイ言葉で断ってしまったマリカ。今まで友達なんて必要ないと思ってきたマリカは、アスミに素直になることができなかった。そんなマリカに府中野は「自分たちは唯ヶ浜出身だ」と伝える。
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第16話 アスミの桜
中学生になったばかりのアスミ。ライオンさんとジョギングをしていたある日、同級生の島津に呼び止められ、宇宙に関する本を手渡される。宇宙に興味があるふたりはしょっちゅう会うようになる。島津はいつもスケッチブックに高台の桜の木の絵を描いていた。その木は獅子号事故以来、一度も花が咲かないが、いつか桜が咲いたらアスミに絵を見せると約束する。
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第17話 サバイバル訓練
学校で倒れるなら退学させると父親に言われたマリカ。アスミたちに写真の笑顔がかわいいと言われ腹をたてる。突然、実習室に集められたアスミたち。そこには、緊急脱出用一人乗りカプセルが並んでいて、ロケットが不時着した際を想定したサバイバル訓練が始まった。激しい揺れの後、カプセルの外に出てみると、そこは・・・。
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第18話 マリカとまりか
サバイバル訓練が始まり、森から脱出を試みるアスミたち。それぞれがゴールを目指す中、マリカは吐血してしまい、その場から動けなくなってしまう。一方、ライオンさんは、自分が幼い頃に出会った少女とマリカがそっくりなことに疑問を感じ、唯ヶ浜で少女が過ごしていた別荘に来ていた。そして、そこで見つけたものは・・・。
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第19話 いま君にできること
サバイバル訓練中に吐血したマリカは、病院でアスミの幼い頃の友人に出会い、心の中にしまっていた苦しみを告白する。ようやくゴールにたどりついたアスミは、圭たちと無事を喜び合うが、マリカがゴールしていないことを知ると、森の中で見た血こんがマリカのものではないかと心配になり・・・。
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第20話 明日を見つめて
マリカを探しに森の中に消えてしまったアスミを、圭、府中野、秋も追うが、見つけられずにいた。本部テントでそれを知ったマリカも後を追って再び森の中へ入って行った。疲れ果てたアスミの側にライオンさんが立っていた。そして、ハーモニカを吹き始めた・・・。