『うた∽かた』
一夏は、ごく普通の中学二年生の女の子。
しっかり者の皐月、おっとりした蛍子、不思議な雰囲気を持つ未知留という友人たちと共に鎌倉女子学園に通っている。
一学期の最後の日、ホームルームを終え、学校の大掃除をしている最中、一夏は大事な落し物をしてしまう。
帰宅途中にそれに気づいた一夏は夕暮れの学校に戻り、そこで明るく活発な少女・舞夏と出会うことになる。
こうして、一夏と舞夏の夏が始まる……。
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第1話 邂逅の初夏
一学期、最後の日。鎌倉女子学園に通う中学2年生・橘一夏は、全校一斉清掃の際、旧校舎に携帯電話を落としてしまった。人けのない旧校舎へと戻った一夏。夕陽が差す教室の、古い大鏡の前で、一夏は舞夏と名乗る不思議な少女と出逢う。それは『神精霊(ジン)』の力にまつわる、あの想い出の夏の始まりだった。
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第2話 近接の夜空
橘家にステイする事になった舞夏と一緒にラジオ体操に参加する一夏。そこで偶然、一夏は小学校の頃の同級生・真希と再会。真希の男友達・燎に押し切られるように、メアドを教えてしまう……。昼下がり。家庭教師の誓唯と繪委が橘家を訪れる。しかし変色した御守を隠すため、一夏は苦手な「嘘」をついてしまうのだった。
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第3話 焦熱の砂浜
海水浴に来た一夏たち。皐月・蛍子・未知留に、舞夏の事をメール友達だと紹介する一夏。皐月の兄・徹が働くビーチハウスを訪れると、一夏たちは成り行きから店を手伝う事になってしまう。一方、東京に引っ越した一夏の友達・菜穂も鎌倉へと来ていた。1年半ぶりの再会。しかし菜穂の態度は、ひどくさめたものだった……。
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第4話 驟雨の湖畔
山中湖湖畔での林間学校。特例として参加する舞夏は、持ち前の人なつっこさで一躍人気者に。一方の一夏は、宿泊するバンガローの掃除や課題を真面目にこなしていた。そんな一夏は、同室になった智子や結佳に「真面目ちゃん」と冷やかされ、気落ちしてしまう。その夜、智子の姿がロッジから消えてしまい……。
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第5話 落涙の蕾花
神精霊の「見る力」。見るだけでは、何も解決できない……。割り切れない想いが一夏の心を包む。だが真実を語れないまま繪委に相談すると、全ては見る者――「観測者」の価値観次第だと励ましてくれた。今日は鎌倉花火大会。繪委の言葉に救われた一夏は、皐月たちと花火会場の砂浜へと赴くが……。
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第6話 濡肌の微熱
図書館からの帰り道。一夏と舞夏は偶然、誓唯と沙耶の親しげに話し込んでいる姿を目撃する。2人の関係が気になる反面、秘密を覗き見る様で気まずい一夏は、見とがめられる前にその場から逃げ出してしまう。その拍子に、一夏は大事な首飾りを落としてしまう。追い打ちをかける様に、時ならぬ激しい雨が降りしきる……
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第7話 木末の嫉妬
神精霊の力の影響か、一夏の瞳に異常が表れ始める。舞夏のせいとは考えたくない一夏は、身体に起こる変化にただ怯えるしかない。誓唯と沙耶の事も気がかりだった。隣家に住む憧れの女性・沙耶に、沸き上がるコンプレックスを持て余す一夏……。心に芽生える沙耶への「嫉妬」。負の感情を、一夏は抑える事ができなかった。
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第8話 散華の衝動
学園の課外活動として、病院のボランティア慰問を行う一夏たち。そこで一夏が出会ったのは、記憶を喪い、その事から来る不安で過食に走る女性患者だった。花が好きだと語る彼女に、一夏は持ってきたドライフラワーのリースを手渡す。しかしドライフラワーは、生花を愛してやまない彼女の心を掻き乱してしまった。
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第9話 恋愛の痛痒
身体が食事を受けつけなくなった一夏。それを見守る事しかできない舞夏。そんな時、蛍子の発案で江ノ島に遊びに行く事になった一夏たち。江ノ電の車内には、未知留の妹・瑠唯とその友達・陽輔の姿もあった。御守を見つめる一夏。その傍らで無邪気にはしゃいでいる舞夏。それぞれの想いを乗せたまま、電車は目的地に向かう。
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第10話 死生の再会
一夏の心は深く傷つき、神精霊の御守を捨てる事を決意する。だが、絶望に苛まれる一夏の心を救ったのは、他ならぬ舞夏だった。舞夏に支えられ、一夏は運命と直面する覚悟を得る。お盆過ぎ。墓参りにお寺へと赴く橘家一行。両親と住職の会話を立ち聞きした一夏は、彼女の出生にまつわる不思議な「夢」の話を知る。
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第11話 別離の波動
夏休みの終わりまで1週間と迫ったある日。皐月に誘われ、リゾートホテルのプールへと一夏たちは赴く。どこか上の空の一夏に、彼女が尋常ならざる事態に直面している事を察する未知留は、悩みを打ち明けて欲しいと迫る。だが、舞夏や神精霊の事を話す事はできない。一夏は未知留にある事を明かすのだが……。
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第12話 欠片の詩歌
夏休み前日まで売り家だった隣家――沙耶の家を、訪ねる一夏。そこには、沙耶が待っていた。物言わぬ誓唯。沙耶の命令に従う繪委。沙耶は『試しの子』である一夏に、ある選択を迫る。神精霊の目で世界を見た一夏が、下した「答え」とは、「選択」とは――。