『コゼットの肖像』
骨董店『香蘭堂』でアルバイトをする画学生・倉橋永莉は、古びたカットグラスの中に映る金髪碧眼の可憐な少女に思いを寄せ、人ならぬ幻との逢瀬を秘かに楽しんでいた。
しかし、それは“呪われし器物”が引き寄せた宿命の二人の悲劇の始まりであった……。
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第1話
「君は誰だ? どうしてオレだけに見えるんだ?」――骨董店『香蘭堂』でアルバイトをする画学生・倉橋永莉は、古びたカットグラスの中に映る金髪碧眼の可憐な少女に思いを寄せ、人ならぬ幻との逢瀬をひそかに愉しんでいた。だが7日目の夜、カットグラスは鮮血を噴き出し、少女の命ずるままに鮮血を飲んだ永莉は、“呪われし器物”をめぐる戦慄の試練にその身を差し出すこととなる。さ迷える孤独な少女コゼットと、彼女を殺した男の魂を引き継いだ永莉。二人の悪夢のような愛の暗闘がいま始まった……!
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第2話
「ぼくが、美しいまま君の時間を止めてあげる……」――コゼットとの耽美なひと時に安らぎを見出し、より深くコゼットを理解しようとする永莉だが、数々の疑問が彼を悩ませる。なぜ自分はコゼットに選ばれたのか、コゼットの肖像画を遺して早逝した天才画家マルチェロとは何者なのか、コゼットとマルチェロの関係は……。そして、ついにコゼットの口から悲劇の過去が語られたとき、彼女にすべてを捧げるつもりだった永莉の決意は大きく揺らぐ。世界は、幸福と希望でできたお菓子の国ではなかったのだ……!
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第3話
「永莉、私を愛して。より美しいものがこの世のたった一つの真実なのよ」――永莉の未来を自分が閉ざしていることに気づいたコゼットは、永莉の幸福を願って、自らを閉じた空間に封じ込めてしまった。突然の別れに悲歎する永莉は、“呪われし器物”の力を借りてコゼットを追い、その肖像画を描きながらコゼットとともに幻想空間で永遠に暮らすことを決意する。一方、永莉を愛する真滝翔子は謎の昏睡状態に陥り、その思いがマルチェロの描いたコゼットの肖像画に力を与えたとき……最大の試練が永莉を襲う!