ベターマン
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  • 地域日本
  • タイプTV
  • 正式名称ベターマン
  • 英語名Betterman
  • 中国語の名前进化战记
  • 放送開始1999-04-01
  • 放送状況放送終了
  • タグSF / 戦闘 / 機戦 / 原创
  • 原作矢立肇 / 米たにヨシトモ
  • 監督米たにヨシトモ
  • シナリオ山口宏 / 竹田裕一郎 / 北嶋博明
  • 絵コンテ飯田馬之介 / 樋口真嗣 / 杉島邦久 / 長岡康史 / ワタナベシンイチ
  • 演出山田弘和 / 南康宏 / 杉島邦久 / 米たにヨシトモ / 佐藤育郎
  • 制作会社サンライズ
  • 製作ビクターエンタテインメント / サンライズ
  • 家族勇者王ガオガイガー
  • Rating16+

『ベターマン』

普通の高校生ケータのクラスへやってきた転校生は、幼なじみのヒノキだった。

だが、その再会はケータを非日常的な世界へと引きずり込む扉であった。

普通の人々が知らないうちに、世界はアルジャーノンという謎の大量突然死現象に脅かされている。

ヒノキはこの現象を調査する、モーディワープという組織で働いていたのだ。

調査メカである覚醒人1号に乗り込むために必要な資質、デュアルカインドであることが確認され、ヒノキとともにヘッドダイバーになるケータ。

アルジャーノンの調査は、ケータの想像をはるかに超える危険をともなうものであった。

だが、ケータやヒノキを脅かす危機と、戦う存在があった。

人を超えたヒト、状況や環境に応じて自らを変身させる超種族、ベターマンである。

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      • 第1話 闇-YAMI-

        ケータ(蒼斧蛍汰)のクラスに、幼なじみのヒノキ(彩 火乃紀)が転校してきた。ちょうどその頃、開業を控えた地下遊園地「ボトム・ザ・ワールド」に、大事件が発生する。従業員や工事関係者が百人以上も死亡したのだ。専門家として招かれたアカマツ(阿嘉松 滋)とアサミ(都古麻御)は“アルジャーノン”現象の発生を確信し、ヒノキを呼び寄せる。その日の下校途中、ケータはボトム・ザ・ワールドへ迷い込んでしまう。暴走するアトラクション用ロボットに追い回され、ケータは不思議な少女サクラ(阿嘉松紗孔羅)と出会う。「死んじゃうよ」とサクラに警告され、逃げだそうとしたケータの眼前に現れる、ヒノキが乗った巨大ロボット覚醒人1号。暴走ロボットに追われたケータが乗り込むと、デュアルカインドでなければ動かせないはずの覚醒人が動き出した。ヒノキに協力を頼まれ、言われるがままにケータがボイスコマンドを発声すると、覚醒人はアクティブモードへと変形する。ケータの操縦により、シナプス弾撃を放つ覚醒人。強酸性の物質で内部構造を破壊され、巨大暴走ロボットは沈黙した。だが、さらに巨大なドでかチカちゃんが出現する。リンカージェルが活動限界に達し、覚醒人はもはや動けない。そこへサングラス姿の男…ラミアが降り立ち、ネブラの実を貪り食う。すると、その全身が脹れあがり、異形の巨大生物へと変貌した。その姿を見て、アサミは叫ぶ。「ベターマン!」

      • 第2話 声-KOE-

        突如現れたベターマン・ラミアは、巨大なネブラへと変貌した。ドでかチカちゃんとネブラの戦いの中で、地下空間の天井が崩落し、覚醒人は瓦礫の下に埋もれてしまう。あわててアカマツたちが捜索に向かい、覚醒人は無事救出された。メンテキャリアで帰るアカマツたちに、ケータも同行することになる。アサミはケータを、死んだヘッドダイバー・カクタスの補充要員に考えているのだ。アカマツ工業に到着して、そのことを知ったヒノキは反発する。「今まで何人死んだと思ってるの!」と詰め寄るヒノキに、サクラが「ケータさんなら、きっと大丈夫だと思う」とつぶやく。そして、覚醒人から回収されたデータログの再生が開始された。一同は、覚醒人が活動停止した後になにが起きたのか、すべてが記録されている映像に見入った。ベターマンがネブラに変貌していく過程も、天井が崩落した後の出来事も、そこにはすべてが映し出されている。電磁波や超音波を自在に操るネブラは、ドでかチカちゃんの攻撃を、なんなく避けていく。そして、ドでかチカちゃんの固有振動数を解析したネブラは、超高周波を発するサイコヴォイスで物質崩壊に導いた。やがて、戦闘を終えたネブラは、繊維化してただの抜け殻となっていく。抜け殻の中から脱していくラミア。サクラは特殊能力リミピッドチャンネルで知った、ラミアの名を叫ぶのだった。

      • 第3話 宙-SORA-

        ケータがデュアルカインドであるか否かを検査するため、アサミはモーディワープ本部へと向かっていた。もちろんケータと、ヒノキも同行している。一同は海上エアポート・ホタルイカからC-21輸送機に乗り込み、飛び立った。ヒノキがトイレに立った直後、機内の照明が一斉に消えた。アサミとケータは事情を聞きに行くが、乗務員はダミー人形にすり替わっていた。機内中に響き渡る「死ね……」というつぶやき。人形たちはついに破壊活動を開始するが、不気味なつぶやきが木箱の中に仕組まれたスピーカーから流れてくることに、ケータは気づいた。すべては超常現象ではなく、何者かが仕掛けたものだったのだ。アサミは語る。人間が闇を怖れるのは、想像力があるからだ。闇の中にはなにがあるかわからないから、そこにあるものを想像して、恐怖を覚える。これは想像力を利用した罠だと、アサミは見抜く。そこへ凶器を持ったダミー人形が押し寄せてくる。逃げる二人の前にやはり追われてきたヒノキが現れる。彼らは前後から追いつめられてしまったのだ。その時、輸送機と平行して飛ぶ影が現れた。ベターマン・ネブラである。ダミー人形は爆薬を背負って、次々とネブラに特攻していくが、ネブラはサイコヴォイスでダミー人形たちを崩壊させる。やがて、輸送機はコントロールを失い、海へ墜落を始めた。だが、ネブラはその超常能力で輸送機を操り、飛行させるのだった。

      • 第4話 醒-MEZAME-

        検査の結果、間違いなくデュアルカインドであると判定されたケータは、ようやく普通の日常に戻っていた。登校途中でクラスの女子と一緒にいるヒノキを見かけ、声をかけるが、無視されてしまう。その日の昼休み、無視された理由を訊ねるケータに、ヒノキは固い声で答える。自分たちがヘッドダイバーであることは秘密にしなければならない。転校してきたばかりで親しくなっているのは不自然だ。そう告げると、ヒノキは去っていった。放課後、火炎放射器を引きずった溶接マスク姿の男が、ヒノキを襲う。炎に追いつめられ、地下へ逃げ込んでいくヒノキ。そこへラミアが駆けつけるが、男は火炎をガスボンベに浴びせ、ラミアもろともに自爆する。異変を察したケータは、異様な幻に脅かされつつも、ヒノキと合流した。だが、二人の前に火炎を放射する産業廃棄物処理用ロボットが迫る。そこへ、サクラのリミピッドチャンネルで二人の危機を察知したアカマツたちが、覚醒人を落としてきた。ヒノキとともに覚醒人に乗り込んだケータは、アカマツたちが驚くほどの操縦で、ロボットを倒す。戦いが終わって、ケータはヒノキに話しかける。自分たちが幼なじみであることまで隠さなくってもいいだろ。その言葉に、ヒノキは素直にうなずくのだった。そして、ガス爆発の中を生き延びたラミアは、ケータが示した能力に注目していた……。

      • 第5話 冥-ZIGOKU-

        モーディワープのフランス支部から、ヤナギ(八七木 翔)とカエデ(紅 楓)が帰国した。さっそくボトム・ザ・ワールドの調査が再開され、ケータとカエデが乗る覚醒人が、地下へ潜っていく。ケータとヒノキを襲ったロボットは、ボトム・ザ・ワールドの地下から延びてきたケーブルにより、制御されていたのだ。だが、足下で起きた崩落により、覚醒人はさらに深い地下へ呑み込まれてしまう。 ヤナギとヒノキはフランス製ニューロノイド・ティランに乗り込んで、覚醒人の後を追った。ティランはシールドマシンに攻撃を受けるものの、サクラの言葉をヒントにヤナギが危機を乗り越える。しかし、ティランに異常が発生し、メンテキャリアとの交信が途絶した。黒幕は身内にいると確信したヤナギは、ティランの操縦系をマニュアルにロックして、覚醒人の探索を続ける。だが、そこへ覚醒人が襲いかかってきた。コントロールを奪われ、カエデにもケータにも覚醒人を止めることはできない。追いつめられたヤナギは、シナプス弾撃を放つ。同じくシナプス弾撃で応戦する覚醒人。だが、一気にリンカージェルを劣化させた覚醒人は機能停止する。それこそがヤナギの狙いだったのだ。 すべてを操っていた黒幕は失敗を悟り、地下空洞を爆破する。だが、その瞬間の強い感情を、サクラのリミピッドチャンネルが捉えていた。サクラを介して黒幕の正体を知ったラミアは、ペクトフォレース・フラウムでその自由を奪う。黒幕の正体は、アカマツ工業の社員である、へーちんだった。

      • 第6話 霊-KODAMA-

        アルジャーノンに冒されたへーちんが、すべての事件の黒幕であった。しかも、死亡したカクタスやボトム・ザ・ワールド従業員たちが共犯だったらしい。信じがたい事実に、アカマツは激しく動揺する。 そして、数日後、アカマツやアサミたち一行は、インドを訪れていた。四年前、すべての元凶たる事件が起こったアジャンター石窟を、再調査するためである。しかし、先行していたはずのモーディワープ本部からの調査隊はすでに消息を絶っていた。一行は調査隊を捜すべく、石窟へと脚を踏み入れる。しかし、ケータ以外の一同は不気味な音を耳にして、みな幻覚にとらわれた。悲しい幻覚にカエデが超能力を暴走させ、石窟の床が崩壊、ケータとヒノキは地下に落ちてしまう。 ところが、謎の少女がケータの前に現れ、リミピッドチャンネルで「ここ、危ないよ」と忠告して、去っていった。その後を見送ったケータは、気絶したヒノキの姿を見つける。ほっとしたのも束の間、ケータたちの前に巨大な生物が現れた。幻かと疑うケータだが、その生物は実在していた。迫り来るその生物──ベヘモットから二人を護るようにラミアが現れ、ネブラへと変貌する。地下空間で死闘を繰り広げる、ネブラとベヘモット。サイコヴォイスにも耐えたベヘモットは、圧倒的な力で、ネブラの首を捻りとる。ケータはその光景に驚愕する。「ベターマンが…負けた!?」

      • 第7話 力-FORTE-

        ネブラとベヘモットの戦いの場から逃れたケータのかたわらで、やっとヒノキが目を覚ました。この石窟は僧侶たちの修行場であり、幻覚を見やすい場所なのだと語るヒノキ。彼女の両親と兄マリオは、四年前にこの石窟で行方不明になった調査隊のメンバーだったのだ。なんとかヤナギやアサミたちと合流したケータたちは、ともに地上を目指す。 だが、そこに不気味な生物が襲いかかってくる。転倒したケータを救ったのは、謎の少女が鎧のように大トカゲをまとった姿であった。森の精プレトが怒ると、ブッダになる──現地の案内人から聞かされた伝説を思い出すケータ。思わずカッコいい!と叫んだケータの言葉に喜んだ少女は、戦いながら石窟の奥へ消えていった。 やがて、一同は地上から落ち込んできたメンテキャリアを発見する。しかし、そこにはベヘモットが潜んでいた。高周波でケータたちを操ろうとするベヘモット。そこへ、フォルテの実を手にしたラミアが駆けつけた。新たな実を貪り食い、最強の姿フォルテへと変貌するラミア。フォルテは剛腕でベヘモットをなぎ倒し、特殊な体表で高周波を受け流す。その激しい戦いの隙に、一同は覚醒人とティランへ乗り込んだ。必殺技サイコグローリーで、ベヘモットを粉砕するフォルテ。そのかたわらで、覚醒人とティランは同時にシナプス弾撃を放つ。見事な連携で脱出口を切り開いた二機は地上へと脱出するのだった。

      • 第8話 毒-DOKU-

        インドへの無理な旅がたたって、サクラは入院してしまった。一時的なものとは思われたが、リミピッドチャンネル能力も失われてしまったのだ。アカマツはこのまま、能力がなくなってしまった方が幸せと考えている。そんなサクラを見舞いに行くケータ。しかし、看護婦たちが毒液に浸した鋭い爪で、いきなりケータを襲いはじめた。院内を必死に逃げるケータを、インドで出会った少女チャンディーがまたも救う。 サクラが危ないと気づき、駆けつけるケータ。怪しい女医の魔の手からサクラを救い出したケータは、暗い部屋に逃げ込んだ。そこでケータに謝るサクラ。かつてケータの死を心配するヒノキに、大丈夫と告げたのはウソだったというのだ。一緒にいたかったと言われて舞い上がるやら、大丈夫でないとわかって落ち込むやら、ケータは混乱してしまう。だが、闇に目が慣れたケータは、その部屋に毒液が満ちたプールがあることに気づいた。そこには、へーちんを含むたくさんの患者がカプセルに収められて浮かんでいる。しかも、遅れてやってきたヒノキまで、毒爪の手にかかってしまった。そこへ新たな異形の怪物サラマンダーが現れた。その時、サクラのリミピッドチャンネルが甦り、ラミアが導かれてきた。だが、ケータたちはサラマンダーの毒に犯されてしまう。ラミアはネブラへと変貌し、サラマンダーを倒す。そして、ペクトフォレース・アルブムでケータたちの毒を治療するのだった。

      • 第9話 海-AQUA-

        ケータがランド・メディカル・センターで見た、アルジャーノンの被害者たちを収めたカプセルは、大型貨物船イカヅチ丸によって海上に運び出されたらしい。だが、イカヅチ丸を拿捕したはずの海上保安庁の巡視船三隻が連絡を絶った。調査を依頼されたアカマツ工業の一同は、ポンポン丸で出航する。そこへヘリで合流してくるアサミ。だが、出港直前にヤナギが行方不明になったため、ヒノキとカエデがティランにダイブして、調査に向かった。 イカヅチ丸に突入したティランは、二重壁の奥から、行方不明の被害者たちを収めたカプセルを発見する。だが、いきなり激しい浸水が起こり、ティランは制御不能となって流されてしまう。沈んでいくイカヅチ丸から二人を救うため、覚醒人にダイブするケータ、そしてサクラ。覚醒人は水中用装備がないにも関わらず、見事に泳いでみせる。そこでケータが見たものは、様々な海棲生物の遺伝子を併せ持つ謎の生物レヴィであった。覚醒人はシナプス弾撃でレヴィを倒すが、それは無数の触手の一部でしかない。 だが、そこへベターマンの新たなる姿、アクアが現れた。超高速で海中を移動したアクアは、必殺技サイコフルードでアポトーシス…自殺命令をレヴィに送り込む。その途端、海底がせり上がりはじめた。レヴィの本体は、全長二千メートルの巨大な群体だったのだ。レヴィが滅びた隙にケータはティランを救出するが、そのセリブヘッドを満たすリンカージェルの輝きに、学校の地下で見た光と同じものを感じるのだった。

      • 第10話 蟲-MUSI-

        ある一夜、岸壁で酒を飲んでいたりっちゃんと山じいは不思議な老人と出会った。老人は奇妙な鈴を残して、立ち去っていった。 モーディワープがニューロノイドの水中行動時のデータログを回収するため、アカマツ、ケータ、ヒノキは深夜までアカマツ工業で待機させられていた。 一方、アサミは海上にあって、イカヅチ丸の調査とレヴィの解析を続けていた。イカヅチ丸からは、魚影探知機に捉えられた謎の影に、すべてのカプセルが持ち去られてしまっていた。そして、レヴィの細胞からは遺伝子操作の痕跡が発見される。そこにアサミは手がかりを求めようとする。 作業が続くアカマツ工業が、いきなり停電になった。闇の中にいきなり現れる蟲の大群。蟲たちはモーディワープの作業員を食い尽くし、ケータたちに襲いかかる。だが、りっちゃんが持っていた鈴が、蟲たちを寄せ付けない。鈴の放つ香りが、蟲たちを遠ざけているのだ。鈴を頼りに脱出をはかるケータたちだったが、次々と仲間たちと離ればなれになってしまう。なんとか窮地をチャンディーに救われたケータは、アカマツに無力感をぶつける。しかし、アカマツはオヤジの意地を発揮して、ケータを奮起させる。二人はアカマツの昔の発明品“愛しの香りちゃん17歳”で鈴の香りを増幅させ、なんとか蟲たちを追い払うのだった。

      • 第11話 霧-NEBULA-

        蟲の悪夢にうなされるケータ。それぞれの神経が、限界に近づいていた。日本の半分以上が霧に包まれている、異常な日々。交通機関もストップして、退職して田舎に帰ろうとしたりっちゃんも、アカマツ工業へ戻ってくる。 家族を捜すためにヘッドダイバーになったヒノキにとっても、もはやこれ以上の異常事態に耐えることはできなかった。二度とニューロノイドには乗らないと、ヒノキはケータに告げる。ケータもまたそれを当然と考え、家族捜しに協力することを約束するのだった。 こうして、アカマツ工業はモーディワープとの契約を打ち切ることになった。ケータとヒノキの後任のヘッドダイバーも決まり、後は三日後の引き継ぎを残すのみだ。 そして、アサミは一連の謎の生物──UMAが遺伝子操作の産物と考え、北海道へ飛ぶ。釧路に存在するモーディワープの姉妹機関・生工食糧研究所(B.P.L.)の研究主幹である、梅崎博士に意見を求めようというのだ。 覚醒人とティランの引き渡しのため、ホタルイカへ向かうケータたち。危険と縁が切れるとあって嬉しいはずだが、どこか寂しさがよぎる。その頃、アサミはまだ北海道にいた。世界の食糧事情を支えている梅崎博士は、蟲を貪り食うなど異様な行動をとっている。だが、博士と話しているうちにアサミもまた、蟲を食らうようになっていく。 そして、ホタルイカのケータたちのもとへ、B.P.L.が外部と音信不通になり、アサミの消息が途絶えたとの連絡がもたらされる……。

      • 第12話 龍-DRAGON-

        上部機関からB.P.L.への強制査察の許可を受けたモーディワープは、戦闘要員と新ヘッドダイバーを向かわせていた。覚醒人を現地で引き渡すため、同時に釧路を目指すケータたち。だが、大群で龍のごとき姿を形成する蟲たちに空中で襲われ、モーディワープ部隊は全滅、ケータたちの輸送機も釧路湿原へ不時着することになってしまう。 機体はバラバラになり、一同はB.P.L.周囲の各所で孤立してしまった。そこへ、またも襲いかかってくる蟲たちの群れ。アカマツ、山じい、りっちゃんはコントレーラーに逃げ込む。ケータたちは覚醒人に乗り込んでいたが、ヒノキは戦うことを拒否する。ティランに乗っていたカエデとサクラは、ヤナギを捜しに行く。ひとり孤立したヤナギは、擬視能力で蟲を遠ざけ、単身B.P.L.内部を目指す。 その頃、B.P.L.内部に囚われていたアサミは、UMAが梅崎博士が産みだしたものであることを知らされていた。ショックを受けるアサミに、梅崎は自分の研究の行き着く先を見届けてもらうと語る。そして、チャンディーとプレトもまた、梅崎が作ったUMAであった。さらに、甲虫の群体ヘラクレスが覚醒人に、管虫の群体メデューサがティランに、羽虫の群体イカロスがコントレーラーに、それぞれ形態を変化させて襲いかかる。 一方、B.P.L.に潜入したヤナギは、ラミアと遭遇していた。ネブラへ変貌し、イカロスと対決するラミア。ヤナギもアサミを救い出し、ティランに乗り込んだ。三対三の戦いが続く中、ケータは異様なプラントを目撃する。

      • 第13話 蜜-MITU-

        ケータが目撃したプラント、それはベヘモットを飼育する施設であった。恐怖にかられプラントの機能を停止させようとするケータ。だが、そこへまたもメデューサが襲いかかってくる。そして、ティランとヘラクレス、ネブラとイカロスの戦いも続いていた。 ケータはシナプス弾撃を放ちながら、覚醒人を湖に飛び込ませる。湖の水を強酸性に変換することで、リンカージェルを節約しながら、メデューサを倒したのだ。ヤナギもまた、シナプス弾撃で液体ヘリウムを放ち、ヘラクレスを凍り付かせる。ネブラはイカロスを引き連れたまま、雨雲の中へ突入。増幅されたサイコヴォイスで自分の身体もろともに、イカロスを打ち砕く。崩壊していくネブラの身体を捨て、地上へ降り立つラミア。 これまでの事件に決着をつけるべく、ついにB.P.L.に乗り込んでいくケータたち。そこで彼らが目撃したのは、アニムスの花が栽培されている光景であった。苗床は連れ去られていたアルジャーノンの犠牲者たちの身体である。 その時、蜜のような甘い不思議な香りが、一同の快楽中枢を刺激し始める。UMAベラドンナが放出するフェロモンの虜となるケータたち。さらに梅崎のもとへ迫ったラミアは、バイオキノコで全身を封じられてしまう。すべてが梅崎の思い通りになるかと思われた時、全身を光り輝かせる第二のベターマン、ルーメが現れた!

      • 第14話 魂-KOKORO-

        梅崎博士の眼前で動きを封じられたラミアを救ったのは、もう一人のベターマン、ルーメであった。バイオキノコに続いて、ベラドンナまで焼き尽くすルーメ。フェロモンの発生が止まったことで、ケータたちは正気を取り戻していく。梅崎はサラマンダーの群れをルーメに向かわせるが、ガンマ線バーストですべて倒されてしまう。 リンカージェルの限界が近い覚醒人を残して、周囲の様子を調べに向かったティランは、謎の影が襲われていた。そんなことも知らず、ヒノキとデートの約束をとりつけるケータ。そこへプレトが現れた。思わずケータはその後を追ってしまい、覚醒人は行動不能になってしまう。そこへティランを襲った謎の影が迫ってきた。その正体は最強のUMA…キングベヘモット! あのベヘモットを上回る強敵を前に、ケータとヒノキは覚醒人を捨てて逃げ回る。梅崎博士のもとへ追いつめられた二人の前で、キングベヘモットとルーメが戦う。圧倒的な力に苦しめられるルーメ。しかし、意外にもチャンディーが創造主である梅崎を倒してしまった。そして、梅崎の死体を苗床としてアニムスの花が咲き、フォルテの実が出現する! ラミアはその実を喰らい、ふたたびフォルテとなった。キングベヘモットの流体装甲に苦戦しつつも、フォルテはバイオキノコの胞子を培養することででそれを封印し、勝利するのだった。

      • 第15話 翳-KAGE-

        様々な者たちが、集いつつあった。少年の心を宿した、三機のマシン。りっちゃんに鈴を託した、奇妙な老人。そして、新たなベターマン。ヤナギとカエデは、迫りくるなにかの翳を感じていた……。釧路でかわした約束の通り、ケータとヒノキは鎌倉、江ノ島へデートにやってきた。初デートにぎこちない二人だったが、ヒノキはケータをいずこかへと連れていく。一方、アカマツ工業ではアサミたちが一連の事件を検証していた。そこで判明したのは、ベターマンは人間を苗床とするアニムスの花からしか、アミノ酸を摂取できないという事実だ。つまり、ベターマンは人の生命を喰らうのか? そして、梅崎もまたアルジャーノンの犠牲者であり、元凶ではなかったとアサミは結論づける。 ケータはヒノキとともに入った岩屋で、占い師の老婆から縁結びのお守りを売りつけられる。そしてヒノキは、かつて家族と暮らしていた家へケータを連れてきた。家族が帰っていないことを確認しただけだったが、誰もいない家でいいムードになる二人。そこへ、謎の老人ヤクスギが現れる。 そして、ヤナギは死んだはずの弟ケイとの再会を予感し、ラミアの前にはもう一人のベターマン・ボダイジュが出現する。トゥルバの実を喰らい、ラミアに襲いかかるボダイジュ。ラミアもまた、ネブラとなってトゥルバを迎え撃つ!

      • 第16話 現-UTUTU-

        アカマツ工業からメンテキャリアごと、ヤナギは無断でティランを運び出す。三つの黒い翳が近づいていることを感じるサクラ。それが先日盗まれたという初期型ティラン…プルミエ、ドゥジ、トロワのことではないかと、アサミは推測する。その予測の通り、同行したカエデとともに、謎の声に導かれて健康ランドへたどりついたヤナギの前に、三機のティランが現れる。 一方、ヤクスギは何事かを警告し、ケータとヒノキを結界の中に封じ込めていた。そして、ネブラとトゥルバの死闘も続いている。超高圧電流とサイコヴォイスの併せ技もトゥルバには通用せず、逆にサイコカームをくらってしまう。 三機のティランには、誰もダイブしていなかった。アサミを狙う者たちが操っているようだ。ティランのツインシナプス弾撃によってプルミエとトロワを破壊したものの、残ったドゥジに、ヤナギは懐かしいケイの存在を感じる。そして、操っていた者たちはヤクスギに倒された。ドゥジのセリブヘッドへ乗り込んだヤナギは、組み込まれていた生体ユニットを抱きしめながら、機能停止させる。そのユニットには、亡きケイの大脳皮質が組み込まれていたのだ。兄の腕の中で、やっと永い眠りにつくケイ。 そして、ボダイジュに敗れたラミアは、海にただよっていた……。

      • 第17話 夢-YUME-

        ボダイジュとの戦いに傷ついたラミアは、セーメの呼びかけに応える余裕もなく、眠りについた。だが、そのかたわらにはケータが江ノ島で売りつけられたものと同じ、白木の鳥居が置かれていた……。 一方、ケータは最悪の夢で目覚めていた。海辺でキスした相手がヒノキから、ウッシーに入れ替わってしまったのだ。げっそりしながら登校すると、教室の同級生全員がダミー人形になっていた。愕然としながら目覚めたケータは、自分が授業中に居眠りしていたことに気づいた。 悪夢に苦しめられていたのは、ケータだけではなかった。アカマツやヤナギやアサミ、そしてラミアとボダイジュまでもが夢の牢獄に囚われていた。悪夢の中で、果てしない戦いを続けるネブラとトゥルバ。自分が夢の中にいることに、次第にみなが気づき出す。しかし、目覚めたくても目覚めることができない。そんな中、ただひとりカエデだけは、他の者と違う夢を見ていた。カクタスの姿を借りて、カエデを呼び寄せようとする謎の存在。その正体は、ケータに鳥居を売りつけた占い師マァムであった。そこへヤクスギが現れ、チャクラの法力でマァムを倒す。 ケータたちの身近にあった鳥居は砕け、一同は悪夢から解放された。ベターマンたちは、自分たちを苦しめる人間、救った人間の力に戦慄する。

      • 第18話 飢-KAWAKI-

        アカマツたちは、カクタスの遺体が安置されている富士樹海の生医学材料センターを訪れていた。人間の遺体をバイオマテリアルとして活用し、病気に苦しむ人を救おうという施設である。そこで彼らが見たものは、カクタスの顔からアニムスの花…それもフォルテの実が生えている光景であった。 その頃、ケータとヒノキはクラスメートともに、センターの近くでキャンプをしていた。ところが、助けを求めるメッセージがくびてれびに流れてくる。あわてて、センターに駆けつける二人。だが、中には人の気配がない。ようやく見つけたアカマツやサクラ、職員たちはケータとヒノキに襲いかかってくる。二人の肉を食おうとしているのだ。そこへ、またもヤクスギが現れる。迫る人々を気絶させたヤクスギであったが、その身に異変が発生し、窓の外へと飛び出していった。ヤクスギに救われたケータたちは、冷凍室に閉じこめられていたヤナギとカエデを見つけ出す。 ところが、ケータとヒノキ、ヤナギまでもが異常な食欲にかられて、カエデを襲いだした。センターの屋上へと逃げるカエデ。そこに、ひとりの職員が接触してきた。カエデを仲間に引き入れようとする職員。しかし、それは操られたふりをしたヤナギとカエデが仕掛けた罠であった。 逃亡した職員は、ラミアとセーメに追いつめられ、濃硫酸のプールに身を投げた。一方、フォルテの実を手に入れたボダイジュに、人類とベターマンの最大の敵カンケルが襲いかかろうとしていた……。

      • 第19話 鏡-ITUWARI-

        学園祭目前で忙しいケータやヒノキたち。ミラーハウスの準備をしながらも、二人の仲は近づきつつあるようだ。 その頃、株式会社超人同盟の代表取締役である魔門という人物から、アカマツ工業に電話がかかってきた。カエデをヘッドハントしようというのだ。だが、魔門と旧知であったアサミが電話を受け、これまでの一連の攻撃の件を抗議する。魔門は答えず、次は直接カエデに接触すると告げて、電話を切った。 超人同盟の詳細をアカマツたちに語るアサミ。超能力者集団である彼らなら、これまでの精神攻撃も可能だったはずだ。一同は超人同盟に関する資料をモーディワープから受け取るため、ホタルイカを目指す。 だが、アカマツたちの前に自分自身の鏡像が立ちはだかった。自分自身の心のうちと、直面させられるアカマツ、アサミ、ヤナギ、カエデ、サクラ、りっちゃん。しかも、ケータとヒノキまで、教室でミラーハウスの中に閉じこめられていた。さらに、駆けつけたラミアやセーメまでが、己の鏡像と対決する。だが、一同はそれぞれに自分の内面との決着をつけていく。ラミアはパキラ老に救われ、敵がカンケルではなく、人であることを知る。ところが、ケータとヒノキの鏡像だけは、クラスメートたちが仕組んだイタズラであった……。

      • 第20話 罠-WANA-

        生医学材料センターでカンケルと遭遇したボダイジュは、すでに滅ぼされてしまっていた。その時の様子を、ラミアとセーメに伝えるパキラ老。トゥルバの能力でさえ、カンケルの前には無力だったのだ。しかし、ボダイジュは最期の力で、カクタスに生えていたフォルテの実を、ラミアに託していたのである。超人同盟の脅威も消えぬまま、ベターマンたちはソムニウム最大の敵であるカンケルに立ち向かう。 一方、アカマツたちはケータとヒノキには知らせずに、超人同盟の本社ビルに乗り込んでいた。それぞれの能力で待ち受ける罠を突破していくアカマツたち。だが、超人同盟は警官隊を操り、ケータとヒノキ、アカマツ工業の留守番組を襲撃させる。りっちゃんが運転するメンテキャリアで脱出するケータたち。 そして、アカマツたちはついに、最上階の魔門のもとへたどりついていた。その瞬間、カエデに仕掛けられていた真の罠が発動する。魔門は幼少時のカエデに、すでに暗示をかけていたのだ。魔門はキーワードを発して、まんまとカエデを手に入れる。アサミと魔門の側近たちは、ダウジング能力で超人同盟部長の尾倉を、亜ブラフマンへと進化させる。そこへ現れるヤクスギ、そしてパキラ老。二人はそれぞれに亜ブラフマンへの攻撃を始め、激しい戦いが展開された。ようやく警察から逃れてきたケータたちもまた、その戦いの様子を目撃していた……。

      • 第21話 亡-HOROBI-

        ケータたちは、超人同盟本社ビルの廃墟で、ようやくアカマツたちと合流する。その頃、亜ブラフマンはヤクスギを倒したものの、ポンドゥスの実を喰らったパキラ老によって、滅せられていた。そこへ、カンケルが出現した。ポンドゥスの力でさえカンケルには通じず、パキラ老もまた、ボダイジュと同じ運命をたどることになる。 一方、魔門はカエデと側近を連れて、いずこかへと消え失せてしまっていた。モーディワープ本部もこの非常事態に、特殊部隊の投入を決定する。アカマツたちは超人同盟本社ビルの地下に廃線へつながるトンネルを発見、追跡を開始した。その道中、自分たちを影ながら助けてくれたのが、尊者ヤクスギであったことを、アサミは語る。やがて、一同がたどりついたのは、都市計画の狭間で廃墟となった無人団地であった。 そこで魔門は、真ブラフマンへと進化する。さらに、カエデを捜すヤナギがラミアと邂逅していた。ラミアは何も言わずに立ち去り、そこへ魔門から解放されたカエデが現れる。ヤナギとカエデは、互いの絆を再確認した。 その頃、ケータたちは真ブラフマンに襲われていた。そこへ現れたヤクスギが、真ブラフマンと戦い始める。そこへ、ヤナギとカエデも戻ってきた。一同は覚醒人とティランにダイブして、真ブラフマンに立ち向かう。だが、ヤクスギはケータたちに未来を託して、真ブラフマンとともに散っていった……。

      • 第22話 生-MOGAKI-

        真ブラフマンを巻き込んだヤクスギの自爆は、辺りを瓦礫の山と化していた。覚醒人とティランは二手に分かれて、行方不明のアカマツたちを捜索する。しかし、ケータとヒノキは、生き延びた真ブラフマンと遭遇してしまう。蟲の恐怖が甦り、パニックになるケータ。そこへ、ティランが駆けつけてきた。ヒノキに真ブラフマンの分析を頼み、ヤナギとカエデは時間稼ぎの戦いを挑む。二人に信頼されたヒノキは、ついに正面から戦う決意をする。ケータを説得して、アクセプトモードで真ブラフマンのデータを収集するヒノキ。 そして、すべてのデータは出そろった。ケータはコントロールを受け取り、真ブラフマンにシナプス弾撃を叩き込む。細胞活性を抑制する化学物質を体内に送り込まれ、自滅していく真ブラフマン。 そこへ、ようやくモーディワープの戦闘部隊が到着する。だが部隊は真ブラフマンを処理すると、いきなりケータたちに襲いかかってきた。戦闘用に開発された新型ニューロノイド・ブロッサムに搭乗しているデュアルトライブたちは、すでにアルジャーノンに冒されていたのだ。傷ついた覚醒人とティランは、もはや戦うこともできない。ヒノキたちの危機を察したラミアは、フォルテとなってブロッサムを撃破していく。 だが、ついにカンケルがフォルテの背後に現れた。セーメはルーメとなり、フォルテの身代わりに散っていく。ラミアはアクアとなって、ケータやヒノキたちを連れ、カンケルのもとから脱出するのだった。

      • 第23話 贄-MITUGI-

        アカマツ工業に、巨大なクリスマスプレゼントが届いた。それは、アメリカ在住の科学者であるというアカマツの父が送ってきたものだ。モーディワープ本部と連絡がとれなくなってからすでに一月、本部がアルジャーノンで全滅したことは、ほぼ確実である。しかも、アルジャーノンの恐怖は、ついに一般市民の知るところともなっていた。 一時の平和の中、アカマツ工業ではクリスマスパーティが行われていた。その中で、ヤナギとカエデは子供ができたことを発表、その場でささやかな結婚式が挙げられた。 そのパーティからの帰り道、ケータはヒノキを自宅に誘う。いい雰囲気に盛り上がる二人であったが、ケータの眼前に次々と不思議な幻覚が現れた。そして、FAX用紙を身体に巻き付けた男に、ヒノキは気絶させられてしまう。 目覚めたヒノキは、覚醒人のセリブヘッドに座らされていた。そこへ現れるラミア。男はウームヘッドに乗り込み、覚醒人を起動させる。ネブラの実を喰ったラミアと、男が操る覚醒人の戦いが始まった。シナプス弾撃で動きを封じられつつも、クラッシュウィッパーで反撃するネブラ。その衝撃で、男はウームヘッドから放り出された。FAX用紙がめくれ、明らかになったその素顔は、魔門のものであった。魔門はふたたび真ブラフマンになると、いずこかへとヒノキをさらっていく。その時、眠り続けていたサクラが、目を覚ました。

      • 第24話 死-WAKARE-

        ヒノキを護れなかった自分に、怒りを爆発させるケータ。サクラのリミピッドチャンネルによって、ヒノキが連れ去られた場所はモーディワープ本部であることがわかった。だが、すでに本部がアルジャーノンに汚染されたと判断した上部組織であるNEOは、国連軍による空爆を決定していた。 グリアノイドを装着した覚醒人とティランで、ケータたちは旅立つ。本部へ向かう途上、ヤナギはラミアから聞かされた事実を明かす。ヒノキの一族の生命エネルギーは非常に優れたアニムスの花を咲かせるものであり、ラミアはそのためにヒノキを護っていたというのだ。魔門の目的は、ベターマンを呼び寄せることにあると思われた。魔門は設備のそろった本部で、新たなダイブインスペクションを行うつもりなのだ。 首尾良くモーディワープ本部に潜入した一行だったが、そこには十二機のブロッサムが待ち受けていた。空爆までのタイムリミットが迫る中、散り散りになりつつもケータたちはブロッサムと戦う。 激闘の末、グリアノイドすら失ったティランで、ヤナギはブロッサムを全滅させる。しかし、セリブヘッドのカエデが哄笑をはじめた。すでにカエデもアルジャーノンに冒されていたのである。カエデはお腹の子と二人で制御して、ティランのコントロールをヤナギから奪いとる。そして、親子三人を乗せたままのティランは、自ら内側にシナプス弾撃を打ち込み、砕け散っていった……。

      • 第25話 脳-KIOKU-

        グリアノイドから放り出されたアサミは、モーディワープ・オフィサーのもとへたどりつく。そこでオフィサーは、ケータに隠された秘密を語り出す。ケータの脳には、ある人物の硬膜が移植されているというのだ。 その頃、ケータはリンカージェル貯蔵槽で目覚めていた。そこにはヒノキが横たえられている。ようやくヒノキと再会したケータの前に、魔門が立ちはだかった。アルジャーノンの真実を語り出す魔門。アルジャーノンとは病気でも異常現象でもなく、人類という種そのものが変革するために、遺伝子に組み込まれていたプログラムなのだという。カンケル発生という緊急事態を前に、眠っていたプログラムが発動したのだ。そこへラミアが現れ、ネブラと真ブラフマンの戦いが始まった。激しい戦いの末、真ブラフマンに勝利するネブラ。だが、今度はカンケルが出現し、ネブラの身体を貫く! 一方、オフィサーのもとでアサミは、すべてが七年前のダイブインスペクションから始まっていたことを悟る。カンケルとは、尊者ヤクスギが癌細胞の遺伝情報を呼び出すことで変貌した姿に、他ならなかったのだ。 魔門の生命が変貌したフォルテの実を手にしながら、横たわるラミア。カンケルがラミアにとどめを刺そうとした瞬間、一人で覚醒人を動かしたケータが、カンケルにシナプス弾撃を叩き込む。一瞬、ヤクスギの姿に戻ったカンケルは叫ぶ──「我を止めてくれ!」

      • 第26話 -MU-

        オフィサーは語る。七年前の失敗以来、幾度もダイブインスペクションを繰り返したが、ベターマンやベストマンとなることはできなかった。一方、人類の自然破壊により、ヤクスギはうちに眠るカンケルを抑えつけることができなくなっていた。そして、ケータの脳内に潜むもう一人の人格…ロリエ・ノワールが語る。カンケルは人を滅ぼすために、免疫抗体であるベターマンを襲うのだと。 ロリエと自分のデュアルインパルスで覚醒人を動かしたケータは、カンケルに立ち向かう。これまでにない威力のシナプス弾撃を放つ覚醒人。だが、それでもカンケルには通じなかった。 さらに、アサミは自分たちこそがアルジャーノンの発生源であったことを知る。アルジャーノンは、ベターマンを活性化させることでカンケルに対抗するためのプログラムだったのだ。残酷な真実を知り、絶望したアサミの前に、運命の使者としてチャンディーが現れた。殺害されるオフィサーとアサミ。 そして、ついに国連軍によるモーディワープ本部への空爆が開始される中、ラミアの前に魔門、オフィサー、アサミの生命から成るフォルテの実が現れた。ラミアはフォルテを融合させた力…オルトスで、カンケルに決戦を挑む。オルトスは生殖細胞の力で、カンケルの遺伝情報を無に帰し、消滅させた。 すべてが終わった後、生き延びたケータとヒノキは、その喜びにいつまでも笑い続ける。

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