D.C.II 〜ダ・カーポII〜
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『D.C.II 〜ダ・カーポII〜』

一年中、桜の花が咲いている初音島。

そこにある風見学園に通う桜内義之は、学園長・芳乃さくらの家で暮らしながら、学園ではクラスメイトとともに充実した日々を過ごしていた。

そんな中、ふとしたことから彼の甘く切ない恋物語が始まる。

家族のような存在ではる姉妹、朝倉音姫と朝倉由夢。

幼馴染みの月島小恋に、クラスメイトの雪村杏。

そして、学園のアイドル・白河ななかや、謎の少女・天枷美夏。

さまざまな少女たちが、義之の物語に花を添える。

いつまでも変わらない桜の木のに見守られながら、彼の日常が少しずつ変わろうとしていた……

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      • 第1話 小さな恋の季節

        桜内義之は夢を見た。夢に出てきた人物が誰なのかはわからなかったが、詳しく知ろうとは思わない。なぜなら、義之には他人の夢を強制的に見させられるという能力があるからだ。いつものことだ、と思いながら目覚めた彼は、ゆっくりとベッドから体を起こす。だが、時計を見て危機感を覚え、慌てて登校準備を始めた。そんな彼の部屋へ入ってきたのは、隣の家に住む朝倉由夢。姉の朝倉音姫がすでに家を出ているため、代わりに、料理の腕がそこそこな義之に朝食を作ってほしいという。とはいえ、時間に余裕はない。そこで義之は仕方なく、自分の手から和菓子を出し、由夢に渡した。それもまた、彼に備わっている能力のひとつだった。

      • 第2話 バナナと人間

        幼馴染みのクラスメイトから彼女へと変わった存在・小恋に対する接し方に、まだぎこちなさは残るものの、ともかく彼の新たな日常が始まった。昼休み、義之が先日学園長室で発見した謎の地下階段のことを、クラスメイトたちに話したときのこと。その情報に食いついた「非公式新聞部」の杉並に、無理やり学園長室に連れて行かれ、詳しく調査することになってしまう。やがて地下階段を降りた2人が目にしたものは、一人の少女が眠るカプセル。ところが義之は、偶然カプセルのスイッチを押してしまい、少女・天枷美夏を目覚めさせてしまう。

      • 第3話 ファーストレッスン

        ある日の放課後、音楽室で歌う少女の声に引き込まれた義之は、その様子を覗いてみた。声の主は、可憐な容姿と明るい性格から学園のアイドルと呼ばれる白河ななか。するとそこへ、ななかとバンドを組む小恋と渉が練習をしにやってきた。聞けば先日、遅刻の多いギター担当を渉がクビにしてしまい、次のメンバーが見つからずにいるというのだ。そこで義之は、ちょうど趣味で弾いていたギターの腕を生かし、彼らのバンドを助けることに。

      • 第4話 秋風の中で

        今日は体育祭。義之と小恋は、そこで思い出に残るような2人きりの時間をつくりたいと考えるが、そのチャンスはなかなか訪れない。義之、小恋、杏の出場する競技・三人四脚では、3人のタイミングが合わず転倒した拍子に、義之が小恋の胸に顔を埋める体勢になってしまうハプニングが発生。さらに昼食時には、義之と小恋が弁当を食べようとしているところに、いつもの仲間やななかに加え、音姫や由夢、美夏たちまでやってきて大所帯になるなど、2人きりどころかにぎやかになるばかり。

      • 第5話 あと2センチの距離

        義之と付き合うことで、彼との距離を少しずつ近付けていく小恋。しかし彼女は、義之とさらに接近する機会……すなわちデートを、まだ一度もしたことがなかった。普段の授業や勉強はもちろん、義之が加入したことで勢いづいている、バンドの練習にも時間を割いているからだ。デートはしてみたいが時間がない。そんな小恋の悩みを聞いた杏、茜、ななかは、親友である彼女を助けようと決意。小恋が好きな映画のチケットを2枚渡し、ななかと渉の協力でバンドの練習も休みとして、当人たちに気付かれないよう休日のデートをセッティングするのだった。

      • 第6話 人間キライ

        ある日、義之は由夢から心配事を打ち明けられた。なんでも、美夏が学校のクラス内でまだ馴染めていないというのだ。それを聞いた彼は、自分がこれまで美夏の面倒をあまり見なかったため、学校に馴染ませることができなかったのだと感じ、改めて彼女の様子を探ることに。翌朝の登校中、不意に美夏とぶつかってしまった義之は、その拍子に彼女が落とした一冊のノートに気付く。ところが、義之が好奇心からノートの中身を見た途端、美夏が慌てて「内緒にしてくれ」と懇願してきた。

      • 第7話 にわか嵐

        ななかは男子に人気があり、告白される機会も多い。だが、彼女はなぜかいつも告白を断っていた。ある日、サッカー部で特に女子の人気が高いという林の告白を断ったななかは、翌日から彼のファンである女子たちにあらぬ噂を立てられてしまう。それは、なんと「ななかが林に思わせぶりな態度をとったにもかかわらず、自分から振った」というものだった。そんな彼女を励ましたのは、やはり義之だった。彼の言葉を嬉しそうに受け止めたななかは、笑顔で放課後のバンド練習に打ち込んでいく。

      • 第8話 白日の時

        義之のサポートのおかげで学校生活にすっかり馴染んだ美夏は、義之や彼の仲間たちとともに昼食をとり、さまざまな話もするようになった。そんな彼らの今日の話題は、間近に迫った修学旅行。その単語を初めて耳にする美夏だったが、期待に胸を膨らませながら楽しげに話す義之たちの様子を見て、興味をもちはじめる。そして彼女は、義之たちが今度の日曜日に行くという、旅行の準備のための買い物に同行を宣言するのだった。

      • 第9話 恋模様大和路

        いよいよ義之たちの修学旅行当日。目的地・奈良行きの列車の中で、義之と小恋は、思い出に残る旅行にしようと誓い合う。修学旅行なのだから、みんなで行動するのは当たり前。2人きりになれる時間が少ないことはわかっている。だが、それとは別に、彼は小恋の前で美夏の名前を出したり、渉や杉並たちとふざけあったりしている。そんな義之の態度に、小恋は表情を曇らせるが、杏や茜に後押しされ、自分から義之に声をかけることに。彼女は、最終日の午後に設けられた自由行動の時間を義之といっしょに過ごそうと、意を決して彼を誘うのだが……。

      • 第10話 霞んでいく想い

        義之たちが修学旅行中、学園では美夏がロボットだという噂でもちきりだった。「ロボットが学校にいるなんておかしい」と、美夏に冷たい眼差しを向ける者、「これがロボットなのか」と、面白半分に彼女に近づいて調べようとする者。そんな学生たちから、由夢は美夏を懸命にかばうも、「彼女はロボットではない」と否定することはできない。また、同じく義之から事情を聞いていた音姫も、休み時間のたびに起こる、美夏の件での小競り合いを収拾するべく、何度も校内を走り回っていた。しかし、激務が続き疲労が溜まった音姫は、ついに倒れてしまう。

      • 第11話 小恋、ココロ、うらはら

        学園で美夏の騒動が途絶えることはない中で、義之たちは依然として、有効な対処法を見つけられずにいた。そんなとき、さくらがひとつの提案をもちかけた。問題が解決するまで、美夏を芳乃家に居候させるというのだ。それを聞いた美夏は、迷惑をかけられないと遠慮するも、義之や由夢たちの勧めもあり、彼らとともに暮らすことに。だが肝心の事態は、義之たちのクラス委員長で、ある理由でロボットを嫌っている沢井麻耶によって、さらに悪化の一途をたどろうとしていた……。

      • 第12話 心の架け橋

        不登校が続く小恋。学生たちから、エスカレートしたいじめを受ける美夏。深刻な問題を抱え続けたままの義之は、重い気持ちで由夢や美夏とともに下校しようとする。そこで彼は、同じく下校中だった麻耶に出くわした。義之は、美夏の現状に同情せず、淡泊な反応しか返さない彼女に対し口調を荒げるも、ロボットが原因で父親を失った麻耶は美夏を認めることができないと言い放った。

      • 第13話 桜笑み君想う

        美夏がロボットであるという事実を知った学園理事会から、突如、彼女を退学処分にするという決定が下された。美夏を友達と認めた学生たちはその決定に猛反発するも、受け入れられない。そこで彼らは全校をあげて授業をボイコットし、抗議を続けることに。だが、当の美夏はその様子を見て表情を曇らせる。自分のためにここまでしてくれるのは嬉しい。しかし、さくらよりも権限が上の理事会が相手では、決定が覆らないことはもちろん、ボイコットした学生たちも処分されかねないと思ったのだ。彼女は義之たちの協力で、放送室のマイクを通して呼びかける。「あと3日間だけ学園生活を送らせてほしい」という最後の願いとともに……。

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