『D.C.II S.S. ~ダ・カーポII~Second Season』
一年中枯れない桜の木に、雪が舞い降りる頃。
桜内義之は、かつて気持ちがすれ違ってしまった月島小恋と、良きクラスメイトとして笑顔で言葉を交わせるようになっていた。
そんな彼女とともに風見学園で行われるクリスマスパーティーの準備に励みながら、義之は朝倉音姫や朝倉由夢と新たな物語を紡ぎ出す。
それは、幸せと希望に満ちた未来へと進む物語。
だが一方で、芳乃さくらはある異変に気付き、ひとり表情を曇らせていた。
どんなに温かい夢もいつかは覚める。
それはわかっていたはずなのに……。
彼女が感じた異変は、義之たちの日常にどんな影響をもたらすのか……?
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第1話 深雪の如く
初音島に寒さが訪れた12月のある朝、眠りからなかなか覚めずにいた義之は、耳元で音姫と由夢がささやく声を聞く。それに気付き、義之がぼんやりと目を開けると……なんと2人も義之のベッドにいた。聞けばいつも3人で一緒に寝ているというのだが、義之には覚えがない。状況を把握できていない彼に対し、音姫と由夢は「お仕置き」と称して、かわいらしい唇を近づけていく……。
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第2話 雪の密室
各クラスでクリスマスパーティーの準備が盛んな中、人形劇で使用する大道具の製作に取りかかる義之たち。 一方、杏はシナリオの終盤を修正するべきかどうかで頭を悩ませていた。ただのハッピーエンドは安直ではないかと心配していたのだ。そんな彼女に対し、義之は「杏の好きなように書くのが一番」と助言。その言葉に励まされた杏は、新たなシナリオを書き上げる。ところが、シナリオのことで悩み寝不足だった上に徹夜を続けていたため、彼女はついに高熱を出して倒れてしまう。
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第3話 正義の魔法使い
ある日の昼休み、義之は音姫に誘われ、生徒会室で昼食をとっていた。これまで、毎晩のように彼の家で人形劇の練習に付き合っていた音姫は、今日も練習にやる気を見せている。だが義之は、家でも学校でも練習続きのため気乗りしない様子だった。そこで彼女は、気分を変えるため自分の部屋で練習しようと提案。 義之は久しぶりに朝倉家を訪れるいい機会だと考え、その誘いを承諾した。
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第4話 幸せの形
ついにクリスマスパーティー当日。人形劇のほかに予定が決まっていなかった義之は、由夢とともに学校へ向かう途中、彼女に「一緒に校内の出し物を見て回ろう」と誘う。由夢は密かに彼と行くことを望んでいたため、その嬉しさを悟られないよう誘いを受けるのだった。そして学校到着後、クラスで人形劇の通し稽古を終えた義之は由夢のクラスに出向き、彼女と2人でパーティーを楽しむ。 幸せそうな表情を浮かべながら、義之と腕を組みながら歩く由夢はまるで恋人のようだった。
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第5話 失望の雪原
3日間続いたクリスマスパーティーも終わり、義之たちは初音島を離れ仲間内でスキー旅行に出かけた。やがてゲレンデに到着した彼らは、初音島では見られない降り積もった雪に歓喜の声を上げる。早速滑ろうとする義之だったが、由夢がいないことに気付き音姫に尋ねた。なんでも彼女は、長距離の移動で疲れたため休んでいるという。経験者の義之と音姫は最初から華麗な滑りを見せ、初心者である雪月花の3人はななかに指導を受ける。そして渉は転びまくり、その傍を杉並がエッジをきかせて滑り降りるのだった。
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第6話 桜迷宮
初音島全域で、原因不明の火事や事故などが起きるようになった。義之は、そのことに妙な胸騒ぎを覚えた音姫とともに原因を突き止めようと、冬休みを利用して図書館で詳しく調べることに。だが結局判明したことは、事件は毎日のように多発しているにも関わらず、まだ死者が一人も出ていないことだけ。ますます事件の関連性が気になった義之は、不思議な現象の調査を得意とする杉並に協力をあおぎ、彼の自慢の情報網・非公式新聞部の資料を借りて目を通した。初音島における過去半世紀以上に渡る数々の出来事が収められた極秘資料。そこには事件ではなく不思議な噂がまとめられていたが、それらはすべて50年前に集中していた。
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第7話 変えられない夢
大晦日の夜、芳乃家で忘年会が行われた。義之、音姫、由夢、さくらの4人で食卓を囲み、御馳走の数々を堪能する。会話は弾み団欒の時は続くも、突然、甘酒で酔った音姫と由夢が義之に絡みだしてしまう。ろれつの回らなくなった調子で急に笑いだす音姫、義之に何かと文句をつける由夢。普段の真面目な姿から変貌した2人に義之はウンザリ。こうして、芳乃家の大騒ぎの夜は更けていくのだった。
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第8話 さくらんぼとお兄ちゃん
音姫は原因不明の事故を調査するうち、「現場で必ず金髪の少女を見かける」という事実を知る。それを確かめようと、事故が起こった直後の場所に出向いた彼女は、そこでさくらの姿を目撃。やがて、枯れない桜の木の下で、彼女本人に真相を問い詰めた音姫は衝撃の真相を打ち明けられる。
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第9話 壊れゆく春
音姫が、決意の表情を見せるさくらと別れた翌日。彼女が突然いなくなったことを不思議に思う義之や由夢に対し、音姫は何も返すことができなかった。枯れない桜の異常を止めるために、さくらが自身を桜に取り込ませたという事実を、彼らに知られるわけにはいかないのだ。2人に何とか笑顔を見せようとする音姫だったが、その日の登校中、彼女の表情は一気に曇ってしまう。なんと、さくらが決死の覚悟を見せたにもかかわらず、また新たな事故が発生したのだ。
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第10話 夢の終わり
音姫のことを案じているうちに眠ってしまった義之は、朝、家の前で彼女が別れを告げる声を聞いて、慌てて飛び起き外に出た義之だったが、すでに遅く、音姫の姿は見えなかった。しかも先に登校したのかと思いきや、彼女は欠席扱いになっていた。義之は、いてもたってもいられず登校と同時に早退し、理由を知らせず姿を消した音姫の行方を追うことに。
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第11話 枯色の島
悩み、苦しみ抜いたすえ、音姫はついに桜を枯らした。そして桜の花びらが四散すると同時に、義之も消える……はずだった。実際は、彼の体はなぜか翌朝になってもまだ存在していた。しかし、このまま消えずに済むとは思えない。 近いうちに訪れる、初音島から全ての桜が消えるその日が、自分にとっても最後の日となるかもしれない。
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第12話 記憶の淵
日を重ねるごとに、存在がさらに希薄になっていく義之。もはや記憶どころか、彼そのものが人々の目に映らない。小恋や渉にまで忘れ去られてしまった義之は、さすがに落胆の色を隠せなかった。だが、由夢はそんな彼を励まし続け、かけがえのない思い出をつくろうとデートに誘う。
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第13話 巡りくる季節
枯れない桜が散ってから2か月後。初音島の季節は冬から春へと変わり、音姫と由夢は本校と付属の最上級生となった。新学期の始まりの朝、音姫はなかなか起きない由夢を急かし、一緒に家を出る。見れば桜並木の桜が再び花をつけている。そんな木の下を歩いていく2人は、存在が消えた義之のことを話題に出すことはなく、ついに彼を忘れてしまったかのように見えた。