『貧乏姉妹物語』
山田きょうと山田あすは、まだ中学生と小学生の、ふたりっきりの姉妹。
父はギャンブルで借金を作って蒸発、母とは死別という困難のなか、決してふさぎこむことなく、明るく元気に毎日を送っています。
数年前に変わった法律のおかげで働けるようになったきょうは、中学校に通いながら新聞配達や家庭教師、時には臨時バイトも入れながら家計を支えています。
あすは家でご飯をつくったり、お掃除をしたり、家事全般を担当。
お金もしっかり管理して、おねえちゃんを助けています。
そしてふたりの周りには、大家さんやお隣の小説家・三枝さん、銭湯のおばちゃんや商店街の人たちなど、見守ってくれるたくさんの人々がいます。
辛いこと、困ったこともたくさんあるけれど、ふたりにとっては何よりも、「妹が」「姉が」そばにいること、それがいちばん幸せなのです。
これは、築40年で風呂なし1K、家賃2万6000円のアパートに住むそんなきょうとあす、ふたりの姉妹の日常に起こるさまざまな出来事を、季節を追って描いていくハートフルストーリー。
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第1話 浴衣と花火とりんご飴の日
山田きょうと山田あすは、両親のいない二人っきりの姉妹。築40年で1K家賃2万6千円のアパートで、支え合いながら明るく毎日を送っている。花火大会の日、あすはコツコツとお小遣いをためた貯金で、きょうと一緒に夜店を回るのを楽しみにしていた。ところがきょうは内緒でその貯金を使い、あすの浴衣をしつらえていた。
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第2話 大家さんとスイカとお見舞いの日
今日は月末の30日、恐怖の大魔王がやってくる日だ。大魔王の正体は、厳しく家賃を取り立てに来るお年寄りの大家さん。今月も家計が大ピンチの姉妹は、覚悟を決めて待ち受けるが、なぜかいつもの時間にやって来ない。隣の部屋に住む三枝さんによると、足を骨折して入院しているのだという。
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第3話 にんじんと嘘と越後屋姉妹の日
きょうとあすはお目当ての大根を買うため、2人でスーパーの特売に出かけた。だが、タッチの差で金髪の姉妹に奪われてしまう。それでもめげず、次の日には妹の方と安売りお肉の取り合いをするが、今度は別のおばさんに持っていかれてしまう。すると、金髪の少女が泣き出してしまい…。
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第4話 香水とあすと授業参観の日
きょうはクズかごに捨てられていた、あすの授業参観のお知らせを見つける。小学生の頃、父が来てくれなくて寂しい思いをしたきょうは、何とか行ってあげようとする。三枝さんからスーツを借り、お化粧までしてみせるが、あすは何故か喜ばない。そして参観日、そわそわして後ろを振り返ったあすが見たのは…。
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第5話 アパートと桜と引越しの日
いつものように家計がピンチの二人。おそるおそる大家さんに、家賃を待ってくれないかと頼むと、あっさり「いいよ」という返事が返ってくる。大家さんの様子に、普段と違う雰囲気を感じる二人。アルバイトの給料日になり、何とか家賃の支払い完了。ところが大家さんは、「アパートを出ていってほしい」と二人に告げる。
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第6話 さびしさと銀子とお姉さまの日
越後屋のマンションが隣に完成した。銀子はきょうとあすにマンションを自慢するが、話そっちのけで盛り上がるふたりの仲の良さに、ふと嫉妬を覚える。毎日がんばるきょうとあすは、学校でも商店街でも人気者。我慢ならなくなった銀子は、自分とお姉さまの方が凄いのだと見せつけようとするが…。
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第7話 ヤキモチとチョコとバレンタインの日
今日はバレンタインデー。あすはきょうのために、手作りのチョコを作った。はやく渡そうと中学校の正門の前で待つあすは、そこで男子生徒にチョコを渡すきょうの姿を見かけてしまう。お姉ちゃんにも好きな人がいるんだ…ショックを受けたあすは、家に帰ってきても、きょうと普通に接することができない。
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第8話 ギターと夢と歌の先生の日
何でもできる子と思われているあすだったが、じつは歌が苦手だった。音楽のテストを控え、周囲の期待の重さに沈み込んでいくあす。家でも練習してみるのが、自分でもがっかりするくらい酷い歌声だった。その時、隣の部屋から素敵な歌声が聞こえてくる。窓際で歌っていたのは、隣室に住む一ノ倉正男だった。
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第9話 想いと不安と携帯電話の日
あすが商店街の福引きで、プリペイド式の携帯電話を当てた。大事な時のために取っておこうと、1週間たっても全く携帯を使わない二人。あすは意を決して姉に電話をかけるが、きょうは着信に気が付かなかった。不安になるあす。銀子は「私がかけてあげる」と、試しに金子に電話をしてみるが…。
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第10話 風邪と約束とお母さんの日
きょうが風邪をひいて寝込んでしまった。あすは不安になりながらも、精一杯姉の看病をする。翌日、全快したきょうが仕事を終えて戻ってくると、今度はあすが体調を崩して部屋の中に倒れていた。大家さんが救急車を呼び、あすは入院することに。きょうは遠い昔、自分があすを守ると亡き母に約束していたことを思い出す。