『彩雲国物語』
紅秀麗は、彩雲国の王都・貴陽に暮らす、由緒正しい紅家のお嬢さま。
だけど家計は火の車で、賃仕事に精を出す日々。
ある日、朝廷のお偉方、霄太師が頼みがあるとやってきた。
高額報酬に目がくらみ、二つ返事で引き受けた秀麗だったが、頼みというのは、ダメ王様と噂される彩雲国の新王、紫劉輝の妃になってくれ、というものだった・・・。
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第1話 うまい話には裏がある
紅秀麗は、彩雲国の王都・貴陽に暮らす、由緒正しい紅家のお嬢さま。だけど家計は火の車で、賃仕事に精を出す日々。ある日、朝廷のお偉方、霄太師が頼みがあるとやってきた。高額報酬に目がくらみ、二つ返事で引き受けた秀麗だったが、頼みというのは、ダメ王様と噂される彩雲国の新王、紫劉輝の妃になってくれ、というものだった・・・。
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第2話 井の中の蛙大海を知らず
新王・劉輝の教育係として、妃の身分で後宮に入った秀麗。劉輝と過ごす日々の中で、噂ほどのダメ王様ではない、むしろ、いい王様になるかもしれないと思い始める。秀麗は、劉輝が街へ出たことがないと知り、庶民の生活の現状を見せようと、おしのびで、劉輝を下街へと連れ出すが・・・。
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第3話 能ある鷹は爪を隠す
秀麗が後宮に上がって、ひと月。彩雲国の新王、劉輝は秀麗との約束を守り、次第に政事に関わるようになっていた。ある夜、バラの花を手にした劉輝が、突然、後宮の秀麗のもとを訪ねて来る。手を傷だらけにしてバラを摘んできた劉輝に、秀麗はバラ姫の話を聞かせる。そんな折、宮殿で彩雲国の高官が集まる酒宴で事件が起きる。
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第4話 それは宝の持ち腐れ
劉輝が秀麗の危機を救い、実は、劉輝はダメ王様のフリをしていただけだと知った秀麗は、怒りのあまり後宮を辞すと告げるが、霄太師らに丸め込まれる。憤る秀麗は、父邵可から、劉輝の不幸な幼年時代の話を聞く。宮中では武芸大会が催されることになり、劉輝をはじめ、楸瑛や静蘭が剣の腕を競う。
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第5話 努力に勝る天才なし
秀麗の身の回りから次々と発見される毒に対処し、その出所に目星をつける劉輝ら。そんなことは全く知らない秀麗は、藍龍蓮と名乗る、奇妙な青年と出会う。その青年は、藍将軍の弟だった。自由気まま、傍若無人に振る舞う変わり者の龍蓮に、周囲は振り回されてしまう。
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第6話 画竜点睛を欠く
日に日に王らしくなっていく劉輝に、満足げな霄太師ら。秀麗は、劉輝に王としての自覚を持たせるという、自分の役目が終わりに近いことを察し、寂しくなる。何だかんだ言っても、後宮で過ごす日々は楽しかったからだ。側付きの香鈴も、秀麗の寂しさを感じ、元気づけようとするが、その矢先、秀麗が何者かに拉致されてしまう。
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第7話 よく泳ぐ者は溺れる
楸瑛が黒幕の元にたどり着いた時、既にそこに黒幕の姿はなかった。秀麗は劉輝の活躍で、窮地を脱するが、体内に残っていた毒により、倒れてしまう。彩雲国一の名医でも解毒不可能な毒のため、秀麗の命が危ない。何とか秀麗を救いたいと必死の劉輝。そんな劉輝に、秀麗を助けられる解毒剤がある、と告げたのは意外な人物だった……。
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第8話 猫の手も借りたい
秀麗が後宮を辞してひと月、彩雲国は、記録的な猛暑に襲われていた。あまりの暑さに、体調を崩す官吏たちが続出し、朝廷は人手不足に陥っていた。そんな最中の朝議で、劉輝は、国試の女人受験を導入したい、と発言し、波紋を呼ぶ。一方、秀麗は、邸の門前に行き倒れていた、髭もじゃの男(浪 燕青)を拾っていた……。
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第9話 千里の道も一歩から
猛暑による人手不足の朝廷で、秀麗は、ひと月だけ、財政を預かる戸部の雑用係として働くことになった。女性は朝廷に入れないため、男の子の格好をして、懸命に働く秀麗。変人と呼ばれる仮面の男、戸部尚書の黄奇人も、そんな秀麗の働きに一目おいて……。
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第10話 待てば海路の日和あり
劉輝が懸命に取り組んでいた、「国試女人受験制」の草案作りは、ようやく完成した。草案を仕上げるまではと、秀麗に会うのを我慢していた劉輝は、これで秀麗に会えると喜ぶ。世間知らずの劉輝は、わざわざ、「夜這い御免状」をしたためて、秀麗の父、邵可に送るが、そんな折も折、騒動が勃発する。
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第11話 恋の病に薬なし
国試受験のために課せられた適性試験が終わり、結果が発表される前のこと。秀麗は、いたずらをした寺子屋の生徒、柳晋を叱ろうと追いかけているうちに、冬の川に落ち、風邪をひいてしまう。秀麗が寝込んでいると知り、次々と訪れる見舞い客。楸瑛、絳攸はもちろん、秀麗がまだその存在を知らぬ、叔父の紅黎深、さらには、仮面の男・黄奇人まで……。そんな中、柳晋が行方不明になる。
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第12話 逃げるが勝ち
冬の彩雲国、近づく国試に、王都・貴陽はたくさんの人で賑わっていた。無事、適性試験に及第した秀麗は、国試に集中するため、賃仕事をくれた雇い主たちにいとまを告げに行く。花街一の妓楼、姮娥楼では、秀麗が姉のように慕う芸妓の胡蝶が、秀麗との別れを惜しむ。胡蝶は、そこで、珍客だと言って、どう見ても十二、三歳にしか見えない少年を秀麗に引き合わせる。貴陽に着いたばかりだというその少年は、杜影月と名乗った。
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第13話 瓢箪から駒
訳もわからぬうちに、青巾党と名乗るごろつきに追われるはめになった秀麗、影月、静蘭は、姮娥楼に逃げ込む。そこには、なぜか、彩雲国の若き国王、劉輝の姿が……。そこへ秀麗の幼なじみ、三太が、青巾党が姮娥楼を根城にしようと襲撃してくる、との情報をもたらす。そんな中、秀麗は、意外な言動をとる胡蝶に、目を丸くして驚く。
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第14話 石の上にも三年
晴れて国試に合格し、彩雲国史上初の女性官吏となった秀麗だが、急によそよそしくなった街の人たちの態度に、秀麗は傷つく。最年少の十三歳で首席合格した影月と、女性でしかも三位で合格した秀麗を面白く思わない者が大勢いた。新人官吏の研修指導官である魯官吏も、秀麗と影月に目をつけているのか、二人に与えられた仕事は、思わず耳を疑いたくなるようなものだった。
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第15話 親の心子知らず
新人官吏の研修が続いている。秀麗の叔父で、後見人の紅黎深は、辛い目にあっている秀麗を見るのが辛い。そこで、彩雲国の王、劉輝に秀麗を守るようにと直訴し、にらみをきかせる。黎深の養子である李絳攸は、そんな秀麗への態度とは異なり、自分に厳しく接する黎深に、自分は黎深から愛されていないのではないかと深く悩む。
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第16話 渡る世間に鬼はない
秀麗と影月は、相変わらず、厠(かわや)掃除とくつ磨き、大量の書類整理と計算に追われ、さらには二人を面白く思わない古株の官吏たちから、様々な嫌がらせを受ける。しかし、ひどい仕打ちにもめげずに頑張る二人に、最初は冷たい目で見ていた同期の新人官吏たちも、少しずつ考えを改めるようになっていく。そんな折、秀麗の国試及第に不正があったらしいとの噂(うわさ)が流れる。
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第17話 藪をつついて蛇を出す
休養日、胡蝶に招かれ、姮娥楼にやって来た秀麗と影月は、突然、ゴロツキたちに取り囲まれ、監禁されてしまう。胡蝶の裏切りにぼう然となる秀麗。その頃、秀麗の父、邵可の元には、紅本家から弟の玖琅が訪れていた。そこへ、秀麗の後見人である黎深が、秀麗の国試及第に関する不正行為のかどで拘束された、との報が入る。そして静蘭は秀麗を守るため、ある覚悟を決める。
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第18話 頭隠して尻隠さず
彩雲国初の女性官吏となった秀麗だが、彼女の国試及第に不正の疑いがあるとして、その真偽をはかるべく、査問会が開かれることとなった。王宮では、朝議が開かれ、誰が紅吏部尚書を捕縛したかの追及が始まっていた。そして、一人の男が黒幕として浮かび上がってくる。それは意外な人物だった……。
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第19話 かわいい娘には旅をさせよ
再び茶州からやって来た浪燕青は、茶州の現状を劉輝らに報告する。 秀麗、影月は、新人官吏の配属を決める任命式を、数日後に控えていた。劉輝は、秀麗の配属先について最後まで悩むが、ついに決断する。それが、彩雲国の王としての使命だからだ。任命式当日、秀麗と影月に、驚くべき配属先が告げられた。
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第20話 枯れ木に花咲く
彩雲国史上初の女性官吏、紅秀麗と最年少官吏の杜影月は、二人組の州牧として茶州に赴任することになった。燕青は若き州牧たちの補佐として、静蘭は二人を守る武官として、共に茶州へ赴くことになっていた。出立前、秀麗の母の墓参りに出かけた静蘭は、心の奥底に封印してきた自身の過去を振り返る。十五年前、第二公子、紫清苑として王宮で過ごした日々、病弱だった母のこと、そして、異母兄弟の誰よりも抜きんでて優秀だったがために、その身に降りかかった悲劇のことを……。
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第21話 君子危うきに近寄らず
秀麗たちが紫州を離れる日がいよいよ二日後に迫っていた。そんな折、絳攸は秀麗に、一年前に起きた秀麗拉致事件の真相を明かす。後宮に劉輝の妃として入った秀麗を、誰が何のためにさらったのか、そして、その企てを手助けしようと、ひそかに毒を盛ったのは誰だったのか……。真実を知り衝撃を受ける秀麗だったが、そこへぷらりと、藍龍蓮がやって来て……。
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第22話 命あっての物種
茶州へと出立する秀麗、影月。燕青は若い州牧たちの補佐として、静蘭は二人を守る武官として、そして秀麗に同道を許された香鈴も共に旅立った。州牧として赴任するためには、三ヶ月以内に茶州の州都・琥璉にたどり着かなければならない。それを過ぎても着任できない場合は、任務放棄と見なされ、自動的に州牧を解任されるのである。赴任先の茶州はひどく不穏な状態にあった。新州牧たちを狙い、茶家の手の者たちが暗躍する。
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第23話 旅は道連れ世は情け
いよいよ秀麗たちが茶州へと足を踏み入れようとしていた矢先、関所の官兵によって、静蘭、燕青、影月、香鈴が捕らえられ、茶州の入口にある町、崔里に連行されてしまう。燕青の機転により、一人難を逃れた秀麗は、再会を約束した地、商都・金華を目指すことにする。どうやったら無事に金華までたどり着けるか思案する秀麗の前に、あやしいほどに美しい一人の青年が現れる。
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第24話 寝耳に水
静蘭、燕青、影月、そして秀麗の身代わりとなった香鈴を捕らえたのは、茶家当主の座を狙う茶仲障の孫、草洵だった。一方、琳千夜と名乗る商人の侍女として、金華に向かうことになった秀麗だったが、一向に崔里を出発する様子がない千夜にやきもきする。そんな中、地下牢より静蘭と燕青が脱走する。手助けしたのは、草洵の末の弟、克洵だった。
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第25話 他人のそら似
秀麗が琳千夜に付いて崔里を出て20日あまり、影月、香鈴は克洵と、静蘭は燕青と、皆それぞれに金華を目指していた。途上、静蘭と燕青は、過去に因縁のあった殺刃賊の新頭領、瞑祥と対峙する。秀麗は、茶家次男の朔洵と、新州牧である自分の結婚話が進んでいると千夜に聞かされ驚く。様々な思惑が絡む中、秀麗はついに、金華にたどり着く。
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第26話 闇夜の烏
静蘭たちとの再会を約束した街、金華にたどり着いた秀麗は、驚くべき話を聞かされる。琳家の人間は、殺刃賊に全員殺されたというのだ。では、金華まで一緒に来た琳千夜と名乗る青年は一体誰なのか……。一方、草洵は、香鈴が秀麗の身代わりだったことを知り、激怒する。草洵たちに金華城へ連行された影月と香鈴は、大勢の殺刃賊に囲まれてしまう。
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第27話 花は折りたし梢は高し
金華で、静蘭、燕青、影月、香鈴と再会を果たした秀麗だが、琳千夜の真の姿を知った衝撃からは、立ち直れずにいた。しかし、秀麗には、茶家の横暴で荒廃した茶州の治安を建て直すという、新州牧としての務めが待っていた。秀麗は、全商連の金華特区長、柴彰に協力を要請する。
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第28話 案ずるより産むが易し
金華にのさばっていた殺刃賊を一掃し、事件の事後処理に忙殺される秀麗たちの前に、州都・琥璉から来たという、由准と名乗る官吏が現れる。由准は燕青の知り合いらしく、秀麗たちを手伝い、テキパキと事案を片付けていく。そんな中、茶家の三男、克洵は、とある決意を胸に秘め、一人、琥璉へ向かった。
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第29話 一日千秋の思い
茶州州都・琥璉が、茶家の手により全面封鎖された。知らせを受けた秀麗たちは、琥璉に乗り込むべく、金華を出立することになった。一方、秀麗たちの知らぬところで、金華を目指し、寝る間も惜しんで馬を走らせている一行がいた。何とそれは、彩雲国国王、紫劉輝、そして、かつて劉輝から「信頼の証」である「花」を贈られた楸瑛と絳攸だった。
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第30話 女は度胸
秀麗たちは、完全に封鎖された茶州州都・琥璉を目前に、足止めを食らっていた。秀麗と影月が茶州州牧として着任するためには、何としてでも期限までに琥璉に入らなくてはならない。意を決して関所を突破した秀麗一行は柴彰の姉、柴凛の邸に身を寄せる。邸には柴凛からの置き手紙と、もう一通、茶朔洵からの、茶家当主選定式への招待状が残されていた。
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第31話 掃きだめに鶴
茶家当主選定式の招待状を受け取った秀麗は、危険を承知で、茶朔洵の元へ飛び込んだ。劉輝から、茶州州牧任命の折、贈られた「つぼみ」のかんざしを取り返さなければならないからだ。一方、茶家三男、克洵は、祖父、仲障のたくらみを止めようとして、牢に放り込まれていた。その克洵を助けに、克洵を慕ういとこの春姫が琥璉へと向かっていた。
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第32話 女にも二言なし
朔洵から、茶家当主選定式の当日に「つぼみ」を返すと約束された秀麗は、茶本家の離れに留まり、行方がわからない克洵と春姫の祖母、英姫を捜していた。秀麗は、秘かに邸内を調べて回るが、広大で、迷路のように入り組んだ邸に、難儀していた。そんな中、秀麗は、茶仲障と対面する。
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第33話 覆水盆に返らず
茶家当主選定式当日がやってきた。秀麗が茶家の屋敷にいるのも、今日が最後である。別れを惜しむ朔洵は、秀麗に、最後に、甘露茶を淹れてくれないかと頼むが……。日が暮れ、刻一刻と迫る選定式。静蘭は春姫と、影月は燕青と行動をともにし、それぞれの目的を持って動き出す。
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第34話 毒をもって毒を制す
新月の闇の夜、運命の、茶家当主選定式が開かれる。克洵を捜す秀麗と春姫は、庭の社に足を踏み入れ、そこに広がる光景に目を丸くする。一方、影月、燕青は、選定式が行われる大堂に案内されるが、そこには不穏な空気が漂っていた。そして、静蘭は、干將を手に、朔洵の元へと駆けていた。
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第35話 逢うは別れの始め
茶家の主立った者たちは捕縛された。茶家当主には、克洵が就任した。克洵は、当主として、茶家の罪を一身に背負い、一生かけて償っていくという苦難の道を選択した。そしてそのころ、離れでは、静蘭と朔洵の、お互いの大切なものを賭けた、命がけの勝負が始まろうとしていた……。
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第36話 世はすべてこともなし
茶家当主選定式は終わったが、秀麗には、茶州州牧としてやるべきことが残されていた。秀麗と影月は、茶家の手により琥璉城の牢獄塔に幽閉されている、鄭悠舜を救い出さなければならないのだ。琥璉城へと急ぐ二人の到着を前に、牢獄塔に火の手が上がった。一刻も早く悠舜を助けなくては、と焦る秀麗に、助けに行く必要はないと止めたのは、由官吏だった。
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第37話 雨は天から、涙は目から
無事、茶州州牧に着任した秀麗と影月。秀麗は、朔洵のことを忘れるかのように、仕事に没頭していた。若き二人の新州牧たちは、百年先の茶州を見据えて、施策を練る。そんな中、秀麗は、新年の朝賀に出席するために、静蘭とともに、彩雲国の王都、貴陽に戻ることになるが、劉輝に会うには、気持ちの整理をつけなければならなかった。
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第38話 今日の後に今日なし
茶州州牧として新年の朝賀に出席するため、琥璉を出発する秀麗。悠舜と静蘭、茶家新当主として出席する克洵、茶州全商連支部長の柴凛も同道した。貴陽では、茶州発展のための案件を通すという、大仕事が待ち構えていた。秀麗の到着を待ちわびていた父、邵可だが、秀麗の顔を見るなり、すぐさま仕事に送り出す。もう一人、朝賀を前に、緊張で押しつぶされそうになっていた克洵の前には、龍蓮が現れて……。
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第39話 縁は異なもの味なもの
秀麗たちが立案した、茶州発展のための計画は、受け入れられた。秀麗との再会を誰よりも切望していたはずの劉輝だったが、朝賀の後、劉輝は王としての職務に専念し、秀麗も計画遂行のための準備に追われていた。ようやく、秀麗が、得意の手料理を振る舞い、懐かしい人々との再会を喜び合った席にも、劉輝の姿はなかった……。