- 地域:日本
- タイプ:TV
- 正式名称:ギルガメッシュ
- 英語名:Gilgamesh
- 中国語の名前:吉尔伽美什
- 他の名前:Gilgamesh: Whose Side Are You On?
- 放送開始:2003-10-02
- 放送状況:放送終了
- タグ:SF / 悬疑 / 剧情 / 漫画改
- 原作:石ノ森章太郎
- 監督:むらた雅彦
- シナリオ:薩川昭夫 / 小林靖子 / 砂山蔵澄 / 村井さだゆき
- 絵コンテ:西村大樹 / 深井蒼 / 東海林真一 / 七条寺貴 / 岡野幸男
- 演出:橋本敏一 / 三宅雄一郎 / 岡野幸男 / むらた雅彦 / 七条寺貴
- 制作会社:ジャパンヴィスティック / グループ・タック
- 制作協力:サンシャインコーポレーション
- 家族:ギルガメッシュ
- Rating:16+
『ギルガメッシュ』
中東・ウルクの遺跡調査施設、ヘブンズゲイトの大爆発、いわゆるXX(ツインエックス)から十数年が過ぎた。
史上最悪の災厄とも言うべきXX。
その後の世界。
空は閉鎖された鏡『シェルタリングスカイ』に覆われ、発生した地磁気の異常から、コンピュータを始めとする電子機器は制御不能に陥り、人類は文明の後退した時代での生活を余儀なくされる。
XXの主犯とされているエンキドゥ=円輝道博士の子供たち~竜也と紀世子は、世間の冷たい目にさらされ、また、母の残した莫大な負債を肩代わりして、その借金取りから逃げる生活を送っていた。
ある雨の日、二人は街外れの洋館で3人の青年たちと出会う。
不思議な佇まいを持つ彼ら。
「この世に蔓延る悪魔と戦うために、僕たちの仲間にならないか…」
しばしの雨宿りの中、彼らはそう言い残し、洋館を出る。
そして同時に、彼らと謎の少年達の戦闘が、轟音と共に始まった…。
戦闘の中保護された竜也と紀世子は、謎の少年達の手によってとある女性の元に連れて行かれた。
女性は、ヴェルデンベルグ伯爵夫人。
少年達は『オルガ』と名乗る超能力者の集団で、世界を破滅に導くエンキドゥの手先、ギルガメッシュと戦っていると言う。
洋館に居た青年たちこそ、そのギルガメッシュ。
そして共に戦おうと二人に語りかける。
伯爵夫人は、借金を肩代わりすることで、二人をオルガの一員として迎え入れた。
ホテル・プロヴィデンスを拠点にオルガの少年たち、イサムらと生活を共にする2人。
彼らと接しているうちに、竜也は潜在する超能力~『デュナミス』の力を徐々に覚醒しはじめる。
普通の人間として、普通の幸せを求める紀世子は、変わり行く弟の姿と、それをとりまく伯爵夫人やオルガ達に嫌悪を抱く。
そして————。
XX勃発の真の原因。
そしてヘブンズゲイト。
エンキドゥとギルガメッシュ。
オルガと伯爵夫人。
その真意・・・。
様々な謎を孕み、世界の命運をかけた戦いが、今、繰り広げられていく————。
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第1話
中東某所。その昔ギルガメッシュの墓があった場所に、日本主体の出資による生命の秘密や謎を研究する世界的な研究施設「ヘヴンズゲイト」がある。今まさにここで、ある重要な決定がなされようとしていた。膨大な出資額、多数の科学者が投入されたこの施設においての全てのミッション中止決定だ。「このプロジェクトの継続は人類史上未曾有の厄災を招き、それは科学者として背徳的な行為だ」との結論。この円輝道(まどかてるみち)博士による報告書は全て正しかったというものだ。動揺する研究員。そんな中、円輝道博士は同僚の影山紘子博士と共にメインプラント前で物思いにふけっている。影山の婚約を祝福する円。何故か寂しげな影山。その後、影山はヘヴンズゲイト内の処理場で試験体の炎熱処理によるミッション中止作業に立ち会う。その時突然鳴り響くエマージェンシーコール。本部制御室では研究員達があわただしく行き交う。地下施設、メインプラント内の残留試験体に異常が発生しているのだ。そのロットナンバーは「T-e-Ar」。テロの発生か?侵入者は円輝道博士だ。声を荒げて止めようとする研究者達、しかし監視モニターには徐々に中心部に向かって行く進入者のデータが映し出されていく。そして、地球は幾重にも重なる波紋のような光輪に包まれて…。テロリストの一撃により一変した世界。事件の張本人は「エンキドゥ」を名乗る男。この事件は発生した日付にちなみ、「XX(ツインエックス)」と呼ばれるようになった。XX以降、一切のコンピュータが使えなくなり、高度情報文明は崩壊。戦争や飢餓で多くの人命が失われた。また、テロの影響で空は鏡に覆われていた。「シェルタリングスカイ」と名づけられた現象は磁気異常によって引き起こされたものだった。時は流れて十数年後、2人の姉弟が借金取りに追われている。円竜也と紀世子の2人。追い詰められた2人は幽霊屋敷のような洋館に逃げ込んだ。突然2人の前に蝋燭をもった青年が現れ、連れられて向かった1室には彼とよく似た青年たちがくつろいでいた。そんな折、屋敷の外に佇む3人の少年少女たち。突然少年は、誰かと心で交信を始めた…。
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第2話
雨に煙る古い洋館。そこのサロンにはギルガメッシュ達(ノウェム・セクス・オクト)が円竜也・紀世子姉弟と共にいる。その洋館に侵入する3人の少年少女、藤崎イサム・御室風子・月岡透。洋館のサロンではギルガメッシュ達が竜也と紀世子の話を聞いている。彼らは言う。「ボク達のところへ来ない?この世の悪魔と戦う為の仲間にならないか?」戸惑う2人。「私達、そういうのはちょっと…」その時、何かの気配を感じるギルガメッシュ達。「来た。悪魔の子供達が…」竜也たちを残して出て行く彼ら。そして、バタン!バタン!洋館の雨戸が次々とひとりでに閉じる。必死に窓やドアノブを開けようとする竜也たち。薄暗い室内。紀世子がフッと思い当たったように顔を上げる。「あの人たち、ひょっとして…」洋館の屋根の上ではイサム・風子・透とノウェム・セクス・オクトが対峙している。彼らの戦いが始まった。その影響でサロンの中のシャンデリアは落下し、壁は破壊され、室内はめちゃくちゃにえぐられて破片が飛び散っている。必死に逃げる姉弟。続く戦い。サロン内に広がっていた土煙が晴れ、倒壊した窓越しに2人が見たものは…風子と向き合っているこの世のものとは思えない怪物に変容したセクスの姿だった…さらに逃げる2人の前に神獣と化したオクトが立ちはだかる。そしてカミナリの光が輝き…リムジンの中、手にもっていた音叉を落として目を覚ます紀世子。そして竜也。何故車の中にいるのか理解できない。リムジンにはイサム・風子・透が乗っている。平然としている彼ら。「あの怪物…」つぶやく竜也。「怪物?変な夢でも見たんじゃないですか?」と答える3人。車から降りようとする姉弟に「伯爵夫人」が2人に会いたがっていると説明するイサム。オペラ座のメインロビー。連れて来られた2人の前に姿を現すヴェルデンヴェルグ伯爵夫人。(影山紘子)彼女は、何故か2人の名前を知っていた・・・。
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第3話
オペラ座の貴賓室。テーブルで食事をする伯爵夫人とイサム、風子、透のオルガ達と紀世子、竜也。XXを引き起こしたテロリスト、エンキドゥについて質問する夫人。そして、姉弟と一緒にいた三人は彼の手先である「ギルガメッシュ」であると明かし、イサム達と共に戦って欲しいと話す夫人。彼女は話を聞いて出て行こうとする紀世子にギルガメッシュ達との出会いもたまたまの雨宿りではなく、仕組まれたものであると説明する。その時、異変を感じる透。セクス・オクト・ウーノの三体のギルガメッシュが二人を奪え返しに来たのだ。戦うギルガメッシュとオルガ達。ギルガメッシュが優勢だ。夫人と姉弟のもとに迫る変容したウーノ。その時、伯爵夫人の力?で空間の一部が歪み、姉弟はオペラ座内の美術工房に飛ばされてしまう。そこにやって来るノウェム。「一緒に行こう。迎えに来たんだ」と手を差し伸べる。「先生も二人に会うのを楽しみにしてらっしゃるよ…」「先生?」「君たちのお父さんだよ」ショックを受けながらも身を翻して逃げ出す二人。大ホールに追い詰められる二人。その時、バトルを続けるイサムとセクスが壁を破りなだれ込んでくる。続く戦い。戦いの中で物凄いエネルギーが発散して天井が破壊される。損傷したプロセニアムアーチが二人の方へ倒壊、下敷きになりそうになる姉弟。万事休す!竜也の表情が変わる。次の瞬間、姉弟を中心に強烈な空気の歪みが発生して破裂し、竜巻のようなものを作り出す。瓦礫や破片は空気の渦に飲み込まれ、そのあおりで翼をもぎ取られてしまうウーノ。これを潮時と見たギルガメッシュ達はシュッ、シュッと消えていく。そこに残されたウーノの翼。屋上をかけるギルガメッシュ。「誰があれだけの力を…」「まさか!」
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第4話
ホテル・プロヴィデンスの一室。ベッドに寝かされた竜也の体に何箇所も電極が取り付けられている。結果を見て竜也に語りかける夫人。「貴女は凄い力を秘めている。恐れることはないのよ。人と違うからって…これは特別な力なのよ」中庭ではオルガ達がバスケットボールをやっている。そこに通りがかる姉弟。イサムが一瞥しただけでボールは不思議な動きをし始める。そしてお互いに額を合わせるオルガ達。「今のは?」「デュナミスを入れただけ。こうやると相手に力が…」オルガが持つ不思議な力、それがデュナミスなのだ。紀世子にピアノを教えてもらう風子。しかし、彼女はすぐその「力」を使ってピアノを弾いてしまう。彼らはそんな力の使い手なのだ。竜也は蔵書コーナーでXX(ツインエックス)やデュナミスについて調べている。そこに来るイサム。「ギルガメッシュと戦うのは使命なの?」と問い掛ける竜也にイサムは「奴らとその背後にいるものに挑む必然性があるのは君の方じゃない?」と答える。一方夫人はギルガメッシュの侵入を察知するためにホテルの周りに音場を張り巡らせるように執事に指示をする。音楽に包まれるホテル・プロヴィデンス。 深夜。突然鳴り出す警報!それぞれが部屋を出て廊下に飛び出してくる。竜也と紀世子は夫人の指示で部屋に戻される。ところが戻った部屋は…オオサンショウウオの入ったホルマリンケースが浮かぶあの古い洋館に変わっていた。驚愕する姉弟。そこに、手燭をかざして立つノウェムが…その場から逃げ出す二人。しかし、逆方向に逃げたにもかかわらず、そこにもノウェムが!あきらめてノウェムに従ってサロンに入ってくる二人。そこには前と同じようにセクスとオクトが居てコーヒーを飲んでいた。「行こう、僕たちのところへ」優しく微笑みかけ、手を差し伸べるノウェムに見つめられた紀世子は虚ろな表情になり…。 その時、二人が罠にはめられた事に気づく夫人。イサムが結界を破り、部屋に突入していく。
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第5話
ホテル・プロヴィデンスの一室。ベッドに寝かされた竜也の体に何箇所も電極が取り付けられている。結果を見て竜也に語りかける夫人。「貴女は凄い力を秘めている。恐れることはないのよ。人と違うからって…これは特別な力なのよ」中庭ではオルガ達がバスケットボールをやっている。そこに通りがかる姉弟。イサムが一瞥しただけでボールは不思議な動きをし始める。そしてお互いに額を合わせるオルガ達。「今のは?」「デュナミスを入れただけ。こうやると相手に力が…」オルガが持つ不思議な力、それがデュナミスなのだ。紀世子にピアノを教えてもらう風子。しかし、彼女はすぐその「力」を使ってピアノを弾いてしまう。彼らはそんな力の使い手なのだ。竜也は蔵書コーナーでXX(ツインエックス)やデュナミスについて調べている。そこに来るイサム。「ギルガメッシュと戦うのは使命なの?」と問い掛ける竜也にイサムは「奴らとその背後にいるものに挑む必然性があるのは君の方じゃない?」と答える。一方夫人はギルガメッシュの侵入を察知するためにホテルの周りに音場を張り巡らせるように執事に指示をする。音楽に包まれるホテル・プロヴィデンス。 深夜。突然鳴り出す警報!それぞれが部屋を出て廊下に飛び出してくる。竜也と紀世子は夫人の指示で部屋に戻される。ところが戻った部屋は…オオサンショウウオの入ったホルマリンケースが浮かぶあの古い洋館に変わっていた。驚愕する姉弟。そこに、手燭をかざして立つノウェムが…その場から逃げ出す二人。しかし、逆方向に逃げたにもかかわらず、そこにもノウェムが!あきらめてノウェムに従ってサロンに入ってくる二人。そこには前と同じようにセクスとオクトが居てコーヒーを飲んでいた。「行こう、僕たちのところへ」優しく微笑みかけ、手を差し伸べるノウェムに見つめられた紀世子は虚ろな表情になり…。 その時、二人が罠にはめられた事に気づく夫人。イサムが結界を破り、部屋に突入していく。
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第6話
紀世子がギルガメッシュに連れ去られたホテル・プロヴィデンス。姉弟の部屋をチェックする伯爵夫人、イサム。ギルガメッシュにより変形され、元に戻された部屋。壁のレリーフの一部分が少し崩れていることに気付く。その部分を少し削り取るイサム。研究室でそれを調べるイサム。どうも飛行機関係で使われていることを確認する。そして、部屋に舞っていた羽はウミネコのもののようだ…紀世子を奪われて放心状態の竜也。そこにやって来るオルガ達。紀世子を奪い返しに行こうと提案された竜也は彼らと行動を共にする決意をする。竜也にデュナミスを入れるイサム。その模様をカーテンの隙間から覗く伯爵夫人。海に面したウミネコが舞う空港。そこに放置された少し傾いてボロボロの大型飛行機。その機内にはギルガメッシュ達と紀世子が対峙している。先生の遠大な計画の為には姉弟が必要だと説得するギルガメッシュ。それに対して、世界を征服するのも、地球を滅ぼすのも父さんの勝手にすればいい、私達の事は放っておいて欲しいと訴える紀世子。紀世子の固い意志を確認して説得を諦め、紀世子を解放することを決めるノウェム。そして紀世子に、「二度とこういう力ずくで連れて行くような事はしない。ただ、自分達の前に立ちはだかるのなら敵だから容赦しない」と告げる。空港の滑走路にやってきた竜也とオルガ達四人。朽ち果てた旅客機の陰に紀世子の姿を発見する。駆け出していく竜也。轟音と共に旅客機が崩落していく。それを合図のように始まるオルガとギルガメッシュの戦い・・・。
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第7話
新雪に覆われたホテル・プロヴィデンス。ギルガメッシュの元から戻った紀世子はあまりのストレスの為倒れてしまう。医師に紀世子がギルガメッシュから何かされていないか診察するように命じる伯爵夫人。竜也は姉の事を心配しながら、オルガ達と行動を共にする。新雪を踏みしめながら歩く竜也とイサム。「あの人は何者なの?藤崎君たちはスカウトされたんだろ?」「よくわからない。ただ、君達と同じ。金で買われたんだ。皆それなりに暗い過去ってやつを背負っている…」風子と透の雪合戦に加わる二人、雪飛礫を次々と竜也に投げるイサム。瞬間、竜也の周りに発生した空気のゆがみが雪飛礫を弾き飛ばす。竜也のデュナミスの力だ。デュナミスを駆使した四人の雪合戦が始まる。難しいことはまだ出来ない竜也に額を突き合わせてデュナミスを転送する風子。力がアップしていく竜也。検査の後、対立する紀世子と夫人。カーテンの隙間から雪合戦を覗いた夫人は紀世子に「弟さんは着実にデュナミスを身に付けている。自分の運命を受け入れようとしているわ…邪魔だけはしないでくれる」と冷たく告げる・・・。全員揃っての晩餐。竜也の隣、紀世子の席は空席である。「家族は大切なもの。かりそめとはいえ、私達も家族。だからいっしょにご飯を食べるのは大切なこと」と全員のつながりが大切と強調する夫人。姉弟の部屋。竜也が戻ってくると紀世子が窓辺にもたれて雪を見ている。「今と前とどっちがいい?前はいつ捕まるかってびくびくしていたけど」と尋ねる紀世子に「とりあえず抜け出したよ」と答える竜也。そんな竜也に「でも、前は少なくとも奴隷じゃなかった。」といい、ここから逃げ出さないかと提案する紀世子。竜也は「父さんと向き合うにはここにいたほうがいいと思う」と答える。姉弟で初めて対立する意見・・・。
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第8話
紀世子が逃げ出したホテル・プロヴィデンスでは風子と透が雪かきをしている。「何処に行っちゃったのかな、紀世子さん」そんな時、ホテルに一台のワゴン車が…駆け出す竜也。停車した車からはコワモテの連中が一塊になって降りてくる。その中心にはぐったりした紀世子が。紀世子の手から落ちる音叉。音叉を拾った竜也は夢中でコワモテ達に「力」と使おうとするが、瞬間、風子と透が体当たりして止める。「まだ力をコントロールできないんだから…紀世子さんまで殺してるよ…」紀世子はそのまま地下室に連れて行かれる。紀世子を連れ戻した男に尋ねる伯爵夫人。「何をしていたの?」紀世子はスクラップ置き場のユンボのバケットで寒さに震えながら雪で作ったウサギに話し掛けていた・・・。紀世子が捕らえられた地下室に風子と共にシュッという音と共に現れる竜也。「大丈夫?」「ちょっとくたびれただけ…逃げてみせたわよ…」「どうして1人で?」「竜也はここにいて父さんと向き合うって言ったもんね…」「やだよ、いつも一緒じゃないか!一緒にここから逃げよう」その時、現れる夫人。「申し訳ないわね。そういう訳にはいかないの」さらに竜也と風子にそこから離れるように命じる。「二人だけで話したいことがあるの」二人の会話。相変わらずお互いの意見、考え方は合わない。竜也を見る夫人の目が異常だと言い放つ紀世子に後ろめたいものを突かれたのか紀世子の頬に飛ぶ夫人の平手打ち。独り寂しく雪かきをする竜也の元にやって来るイサム。「ここニ、三日円たちが育った場所に行ってみた。こういっちゃナンだけどよくマトモに育ったね」思い出される竜也の過去の記憶。とても人がすむとは思えない環境。その中での紀世子との記憶。思い出・・・。
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第9話
舞台は変わって、真新しい高層ビル群が並び立つコア・セツルメント。そのきらびやかな街の中央にひときわ高くそびえる建設中の巨大な建造物「トゥランガリア」。それを冷たい視線で眺めるギルガメッシュ達。その地下の工事現場では江沼エリ子博士がテロリストによる工期の遅れについて打合せをしている。そこに、「影山紘子」なる女性から一本の電話が…相手は伯爵夫人であった。地下のトンネルでは獣化したギルガメッシュによる破壊工作が続いている。
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第10話
けたたましいサイレンの中、対峙するノウェムと竜也。ノウェムは竜也の頭をがっちりとつかみ、そのまま壁の中へと押し込んでいく…「君は何故戦っているの?」問い掛けるノウェム。答えられない竜也。力を振り絞り、デュナミスをつかって何とか脱出し、工事現場へテレポートする。ノウェムの攻撃に対し、何とか互角に戦う竜也。激しい超能力戦。だが、ドゥオが現れ、一転形勢が不利になる。ビルの屋上ではウーノ、セクスとイサム、風子、透が戦っている。しかし竜也のピンチを察し、オルガ達が、そして追うようにギルガメッシュが彼らの元へとやって来る。ギルガメッシュ達の圧倒的な力になすすべもない竜也、オルガ達。ギルガメッシュがとどめを刺そうとしたその時、突然マンホールの蓋が飛来してドゥオの腕を切断する。透の作戦が成功!ギルガメッシュは周囲の様子をうかがい、何者かの気配を感じ、一瞬のうちに消える。その模様をスコープ越しに観察しつづける何者かの姿。江沼博士のオフィスでは伯爵夫人と博士が語り合っている。博士が言う「今日は懐かしい顔にたくさん逢えたわ」「XXの数年後、世界中で超能力を持つ子供達が生まれた…あの子達を集めたのは円輝道・エンキドゥと戦う為なんでしょう…」
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第12話
朝日が差し込むホテル・プロヴィデンス。いそいそと外出の準備をする竜也。今日久しぶりに姉の紀世子と二人で会うことになったのだ。遊園地。竜也を待つ紀世子は突然目隠しをされる。「…竜也の手はすぐにわかるよ」「会いたかったよ」という紀世子に照れて「うん」としか答えられない竜也。遊園地でめいっぱい遊ぶことにする二人。紀世子の現状を尋ねる竜也に、ピアノ工場での見習の日々の苦労話を話す紀世子。ホテルでは風子が暇を持て余しているがイサムに竜也への想いを突かれ動揺する。イサムは本を読んでいる。そこにはオルガの文字が…組織…団体…有機体…器官…臓器…遊園地の運河に浮かぶ遊覧船。人気はなく、姉弟だけが話をしている。夫人がヘヴンズゲートにいた事、彼女が竜也を見る目のこと、死んだ母など。話をしているうちにギルガメッシュと戦い、シェルタリングスカイを消し去る手伝いをするのだと熱く語り始める竜也を、傲慢なんじゃないかと諭す紀世子。竜也はつぶやいてしまう。「…だんだん母さんに似てきたよね」「この前はあの女…今度は母さん?!」傷ついた紀世子はひとり走り去る…
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第13話
宮殿とも言うべき広大かつ荘重な屋敷。結城虎之助の邸宅である。ここで今日、結城の生前葬が営まれる。彼はヘヴンズゲイトの創設者、また、ミットライト社の総帥でスカイクレンジング計画も推し進めている。生前葬に招かれている伯爵夫人、竜也、オルガ達。彼らに近づいてくるサングラスの男。「会長が直々にと」結城の懐刀で傘下の軍事会社を任されている風祭だ。庭園内をうろつく竜也たち。周囲に殺気を感じ、突然竜也の意識が遠のいていく。 屋敷の休憩室。布団に寝かされていた竜也の意識が戻る。枕元にはイサム、透、そして盲目の少女。どうやら殺気がデュナミスで増幅されたようだ。風祭に伴われ、結城の元に向かう夫人。結城は夫人の名付け親だった。昔話をする二人。そこにやって来る先ほどの少女。「養女にしている麗子だ」進む話。風祭が言う。「竜也くんはエンキドゥのクローンだそうですね」結城が重ねて「その子を使って初めて愛した男の無実を晴らそうとしているのかね」風祭は竜也とオルガ達を自分に預けて欲しいと依頼する。私は私のやり方でと拒絶する夫人。流れる緊迫とした雰囲気。庭園の池で蠢くオオサンショウウオを見つめるイサム。風祭がやって来る。ミットライト社の資料室に忍び込んだのはオルガやデュナミスのことを知りたかったからだと語るイサムに「何だったら俺が教えてやろうか」そこに夫人がやって来る。捨て台詞を残して立ち去る風祭。休憩室で食事をとる伯爵夫人一行。竜也が、次に透が何かを感じた様子を見せる。建物の一角。侵入するノウェム、セクス、ウーノ、ドゥオ・・・。
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第14話
ホテル・プロヴィデンスのロビー。風子がピアノを弾いている。そこに近づく竜也。風子、突然くしゃみが止まらなくなる。鼻水を出して慌てて逃げ出す風子。イサムがつぶやく。「わかりやすいね、フーは」トレーニングをするイサム、透、そして竜也。透が言う。「どんな気分なの?フーは藤崎クンの元カノだっだわけでしょ?「別に」「やっぱりね。藤崎クンはそういう感情が欠落してるもん」「そうか。誰かに言ってもらわないと判らないから。欠落しているんだ」ミットライト社の円卓会議室。江沼博士が風祭の退席を求める。そして報告する。「トゥランガリラはすでに99%完成。稼動試験は一週間後、10月10日に行います」伯爵夫人に警備の協力を依頼する江沼。断ろうとする夫人に警備の穴がないことを確認する為にトレーニング代わりにと頼む。警備ロボットアンブリオンの秘密を話して風祭の非道さを語る江沼。コア・セツルメントの地下坑道。テレポートしてくる竜也とオルガ達。どんな手を使ってもトゥランガリラに侵入して良いと言われている。警備員に追いかけられやって来た第2ゲート。デュナミスを使って破ろうとするが破れない!テレポートして中に入ることも出来ない。戸惑うイサム達。扉が上がって現れたアンブリオンが彼らに襲いかかる。デュナミスで反撃するが力が効かない!そして一同に発射されるレーザー光線!その一本が竜也の胸を直撃!苦悶の表情で胸を押さえる・・・。
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第15話
コア・セツルメントの上空、鏡の空にぽっかりと開いた青い円。久々の青空を見つめる人々。紀世子、麗子…トゥランガリラの稼動試験が成功したのだ。ミットライト社では祝賀パーティーが披かれている。江沼博士を祝福する伯爵夫人。やって来る風祭。無視する江沼。「ご自慢のゴキブリ達も出番がないようね」という夫人に「いずれお見せする機会もあると思いますよ。貴女にも貴女の子供達にも」初めて目にした青い空を見て竜也やオルガ達は違和感を覚えている。昨晩から鼻が真っ赤な風子は彼らからひとり離れてつぶやく。「幸せな奴等は、みんな死んじゃえっ」風子を探しに行く竜也。街中で竜也にもらった豚のぬいぐるみを握りしめて歩く風子。竜也は記念の風船をコンパニオンから受け取る。思い出したように走り出す竜也。一方、コア・セツルメントの市街地に人影が。ギルガメッシュ達だ。「行こう」大歩道橋。風子の前で立ち止まる竜也。昨日の事について話す二人。「もしかして、他に好きな相手でもいる?紀世子さん…とか…」ビクンと揺れる竜也の風船。その時、何かの気配にはっとする竜也。「!?」見開かれる二人の目「奴らよ」市街地を歩くイサムと透も気付く。4人の姿が消える。地下坑道の第2ゲート前。警備ロボットアンブリオンと向き合うギルガメッシュ。衝撃波を繰り出すが効果がない。ラピスワルカの石の効力だ。しかしギルガメッシュは自らをおとりにしてアンブリオンのレーザーの力で扉を破り侵入し、内部で警備兵と戦いながら中心部へ向かっていく。ノウェムの前に立ちはだかる竜也達。その時、彼らを上回る巨大なデュナミスが・・・
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第16話
ギルガメッシュによるトゥランガリラの破壊により崩壊したコア・セツルメント。竜也やオルガ達は被災者の救出を手伝っている。そこに現れる風祭とブラッタリア。しかし、自分達の使命はギルガメッシュの殲滅であり、市民の生命財産の保護ではないと言い残し、人々を見殺しにして去っていく。足を引きずりながら逃げるギルガメッシュ・ウーノ。ブラッタリアたちが追い詰めていく。一斉射撃で無数の矢がウーノを襲う!そしてついにウーノはブラッタリアの攻撃により倒されてしまう。紀世子のアパート。室内には毛布をかけられ床に横たわるノウェムが…ノゥエムを見下ろす紀世子。ノウェムの体を心配する紀世子。傷つき、立ち上がるのがやっとであるにも関わらず、出て行こうとするノウェムを止める紀世子。「また、誰かを殺しにいくの?」振り返ったノウェムの意識が途切れて…紀世子に寄りかかり、がっくりと床に倒れこむ。慌てて抱き起こそうとする紀世子。ふと気付くと視線の先にある姿見にはノウェムを抱きかかえた自分の姿が映っていた…被災者で溢れ返るコア・セツルメントの公園。竜也達が見上げる中、公園横のビルが崩れ始め、倒れていく。助けに行く彼ら。デュナミスの力を使ってビルを支えるが、彼らだけでは支えきれない。このままビルが倒壊すると思ったその瞬間!急にビルが静止し、起き上がり、そのままの勢いで反対側へ倒れていく・・・。
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第17話
ギルガメッシュによるトゥランガリラへの破壊工作の影響でガレキの街と化したコア・セツルメント。ホテル・プロヴィデンスのロビーも被災者に開放されている。10数年前のXXの時を思い出す支配人。何とか病院で手当てできないかというイサム達に昔は豚を利用したクローン技術を使うことによって、簡単に怪我を治すことが出来たのだと説明する。紀世子のアパート。職場の同僚の木村圭子が休んでいる紀世子を心配して訪れる。客が来ている様子を感じ取った圭子をなんでもないと追い返す紀世子。去っていく圭子の姿をカーテンから覗き見るノウェム。ノウェムを置いて外出する紀世子。旧市街の邸宅の跡地。音叉を拾った荒地に放置されたもう音の出ないグランドピアノを一心不乱に調律する彼女の頭の中にだけ音が鳴り響いている。気配を感じる。後ろにはノゥエムが。彼にも紀世子の心で鳴っていたピアノの音が聞こえたのだ。その時風が吹いて砂煙が舞う。砂粒は紀世子の左目に入って取れない…突然降り出した雨に追われて最初に出会った洋館に踏み入る二人。エンキドゥのことについて言い合いをするものの、紀世子の左眼の砂粒をノウェムが取ってやることをきっかけにノウェムの服を掴んで離せなくなる紀世子の手。「どうしてそんなに優しくできるの?私がエンキドゥの娘だから?」「いや」(初めて会った時に)「もしかしたら現実から救い出してくれるんじゃないかってそう思った…」すすり泣く紀世子。紀世子を優しく抱きしめるノウェム…ホテル・プロヴィデンス。突然物凄い殺気が走る。ブラッタリアを連れた風祭が乗り込んできたのだ。驚き、怒る伯爵夫人に、トゥランガリラの大爆発に関して、竜也が内部で発した波動がギルガメッシュの侵入を許したというデータを示して、竜也の身柄をスパイ容疑で拘束すると告げる風祭。
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第18話
某所。半裸の竜也がイスに拘束されている。その周りを歩きながら、憔悴した竜也に質問を浴びせ掛ける風祭。そして竜也のDNAパターンと円輝道・エンキドゥのDNAパターンが完全に一致していると告げる。戸惑う竜也。その時、伯爵夫人が手回しをした弁護士のお陰で竜也は開放される。夫人やイサム達のもとに戻ってくる竜也。夫人に気付くとぐっとにらみつける。「僕がエンキドゥのクローンだって言うのは本当ですか?」ショックを受けるオルガ達。語らない夫人。知っていたのに何故教えなかったのかと迫る竜也に、教える必要がなかった、それにこれは竜也の母がやったことだと冷たく言い放つ夫人。ショックを受けた竜也は突然部屋を飛び出して去っていく。追おうとするイサム達を制して夫人は「待ちなさい。あの子が行くところはひとつしかないんだから…」と言う。路面電車内。クローンについて話をするオルガの三人。イサムが呟く「これは円氏だけの問題じゃなくて同じデュナミスを持つ自分達にも降りかかる問題だ…」紀世子のアパート。気だるくベッドに横たわるノウェム。そこに新たなギルガメッシュセプテムが現れる。セプテムは、今までに死んだ仲間も甦ろうとしていること、トゥランガリラの破壊だけでは目的は達成されておらず、この星のクレンジングが残っていること、それには彼の力が必要なことを話す。そして、物質のくびきから開放すると言って、ノウェムの唇に自分の唇を重ねる…その時、紀世子が帰ってくる。対峙する二人。連れ戻しに来たというセプテムに、早く連れて帰ってとどなる紀世子。ノウェムはセプテムの腕の中で眠っている。その場に、夫人のもとから来た竜也が現れる。驚く竜也にセプテムは紀世子がノウェムを匿っていたことを告げ、エンキドゥのコピーだと言い放つ。突然青い煙が室内を覆う。そこに銃弾が撃ち込まれてくる。ブラッタリアの襲来であった。
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第19話
ホテル・プロヴィデンス内の紀世子と竜也の部屋。竜也が夢にうなされている。目覚めて部屋を出て紀世子を捜す。ロビーのピアノの下に紀世子がうずくまっている。隣にもぐり込む竜也。「前はこうやって肩を寄せ合って眠ってたね…」想い出にひたる二人。風祭邸。ベッドには風祭と、紀世子の同僚・木村圭子が…そこに突然現れる人影。イサムだ。そして風子に透。風祭にオルガの事、デュナミスの事を聞きに来たのだった。それに答えてやる風祭。「…」風祭から話を聞いてかなりの精神的な衝撃を受け、呆然とする三人。抜け殻のように立ち上がり、帰っていく…ピアノの下で目覚める竜也。紀世子はまだ眠っている。玄関を出ると前庭にイサム達が立っている。風祭から教えられたことを話すイサム…あの時代…ヘヴンズゲートでは大きな危険をはらんだ実験が多数行われていた。もし、事故が起こった時には身の安全が保障されない。そのため、科学者達のクローン胚がバックアップとして保存されていた。そのクローン胚を管理する機関がオルガ。そんなある時、同所にある洞窟、デルフュス内部に未知の生命体が誕生しているのが確認された。ロットナンバーがT-e-Arだった為に、その生命体はティアと呼ばれた。調査の結果、ティアが発する光がヘヴウンズゲート全体を汚染していることが判明し、ヘヴウンズゲートの閉鎖が決まった。その数日後にXXが起こったのだ。そのドサクサでいろんな資産が闇市場に流出し、その中で一番高値で取引されたのがデザイナーチャイルドである科学者達のオルガのクローン胚だった。それを使って誕生した子供には一様にデュナミスという特殊能力が身に付いていた。彼らはオルガ・シューピアリアと呼ばれるようになった。流出した胚は…運のいいものは人に生んで貰えただろうが、多くのものは…落ち込む三人。「円はいいよ。お母さんに生んでもらったんだから…ひょっとしたらあたしたち…」泣き出す風子。その時、突然ブラッタリア兵がホテルに押し込み、紀世子に襲いかかる。
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第20話
ホテル・プロヴィデンスのロビー。疲れた心を癒すかのようにデュナミスの交換をする竜也と風子。そんな中、コワモテの男に連れられて、紀世子がホテルの中に入ってくる。彼女はまたしても逃げたのだった。その紀世子を捉えるのに協力したのはイサム。彼はコワモテの男に手伝った見返りにある依頼をする。ホテルの地下室。閉じ込められた紀世子と対峙する伯爵夫人。交わされる厳しい会話。と、突然、紀世子の全身に強い鼓動と衝撃が走る…壁伝いに崩れ落ちる紀世子。慌てて倒れている紀世子を抱き起こす伯爵夫人。医務室のベッドに横たわる紀世子。夫人に促されて足早に入ってくる竜也。医師の声が響く「非常に危険な状態です。胎児は無事ですが最早・・・」紀世子に声をかける竜也。「姉さん…」紀世子の夢。今まで起こったことが次々と頭の中を過ぎ去っていく。父・円輝道と母・梓と一緒だった幼かった頃の情景が…幸せそうな親子の情景。墓標が現れては消え、消えては現れる空間。と、謎の少女が突然紀世子の前に現れる。「あなたが来るのをずーっと待ってたのよ。何千万年も、何十億年も」
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第21話
ホテル・プロヴィデンスの仮設研究所。ベッドに横たわる紀世子を見つめる竜也。診察した医師が語る。「…既に息を引き取られております…」中東ウルク。遺跡を調査しているアルメンドロス夫妻(ハワード&オーロール)。少し離れた所では円輝道が何かを調べている。そこにやって来る梓。地雷を踏みそうになる梓を注意し、助ける輝道。「あたし、姫宮梓」「円、輝道」。紀世子と竜也の両親の出会い。梓はここで起こっているという超常現象の噂に引かれてやってきたのだ。そんな彼女に「これで、デュナミスに惹かれてきた人間が一人増えた」と語る輝道。彼らはここの砂の下に超常現象を引き起こす何かが眠っているのかを調べているのだった。輝道のことを天才だと評価するアルメンドロス夫妻。梓は結局ここに居付くことになる。協力して作業する若い二人を見てハワードは「お似合いのカップルじゃないか」と評価する。そして、二人は恋に落ちていく…調査しながらギルガメッシュ叙事詩、そしてエンキドゥについて梓に説明する輝道。カメラのストラップについている「円輝道」の名をみて「エン、キ、ドゥ」だと面白がる梓。そして遂に輝道が地下遺跡を見つけ出す・・・。
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第22話
ホテル・プロヴィデンスの一室。イサムと対峙する伯爵夫人。夫人はイサムにヘヴンズゲイトで起こったことを語り始める…。ヘヴンズゲイト…文明発祥の地に誕生した人類の英知の結集…そこで夫人(影山紘子)はイサム達のオリジナルに会ったのだった。各務貴顕、黛エリカ、城所翔一。デルフュスにティアが誕生するまでは研究は着実に成果を上げていた。しかし、生命体であるティアの光が、ヘヴンズゲイトのあらゆるものを汚染していた事が明らかになった。それは円輝道博士が書いた論文の通りであり、全試験体の破棄とヘヴンズゲイトの閉鎖も決まったのだった。そしてその数日後、円輝道はメインプラントに侵入し、XXを引き起こしたのであった。XXで暗黒の眠りについた伯爵夫人が目覚めた時、夫はなくなっており、夫人は膨大な遺産を引き継ぐ。そして、事件の真相を究明しようと動き出したのであった。そして、デュナミスを持つオルガ達を探し当て、手元に集めたのである。夫人からの説明を聞いて出て行くイサム…。輝道との初めての出会いに思いを馳せる夫人。それは、結城邸のパーティー会場であった。彼女の写真を撮る輝道。「笑顔が一番可愛いね」そしてヘヴンズゲイトでの日々。輝道や城所、黛皆など皆で撮った集合写真。輝道に「娘だよ」と紹介された幼い紀世子やその母、梓との出会い。ミッション終了が決まった幹部会。本部制御室内に響き渡るエマージェンシーコール。XXの瞬間。何年もの眠りから覚めた伯爵夫人を待っていたのはXXでの夫の死と遺産の相続、そしてエンキドゥと化した円輝道との関係を追及する査問委員会であった。
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第23話
早朝の結城邸。麗子が結城老人の世話をしている。デュナミスを使って力を与えているのだ。しかし、突然結城の容態が変化する。「お兄ちゃん…!」風祭を呼ぶ麗子。結城を見て顔色を変える風祭。結城は息を引き取っていた。苛立ち、麗子に当たる風祭。ホテル・プロヴィデンスの仮設研究所内。透に呼ばれて伯爵夫人が向かった先にはゼリー状に溶け出してギルガメッシュの胎児と融合を始めた紀世子の体が…どうしようと戸惑う竜也に、自分が招いた結果だから最後まで見届けるよう冷静に言い放つ夫人。液状化する身体に音叉が埋もれて行く…絶叫とともに飛び出す竜也。ホテルのロビーに戻った夫人の前に透が麗子を連れてくる。風祭の怒りをかって追い出されたのだ。彼女は風祭に連れられて結城の養女になり、良い生活をさせてもらったお礼に、デュナミスがあるから不要だと目を結城に差し出したのであった。しかし、結城もなくなった今、行き場所をなくし、ここに来たのであった。プロヴィデンスに住む事を許可する夫人。喜ぶ麗子、そして透。夫人の部屋。風祭について報告をする執事。風祭は結城の愛人の子であり、XXで母を亡くした後結城に引き取られたのであった。そして、結城の後継者として頭角を現し、その手腕を買われて傘下の軍事会社エクウスを任されるようになった。そして・・・
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第24話
ギルガメッシュが集結した。ギルガメッシュたちの目的は、「完全なる地球のクレンジング」である。コアセツルメントは激しい戦いの場と化していく。ラピスワルカのスモークを克服したギルガメッシュたちは次第にブラッタリアを、そして風祭を追い詰めていった。行き場を失った風祭が戦場から一人離脱したことから、一部のブラッタリアが暴走を始める。市民を襲い、略奪行為を働き出したのだ。その頃、伯爵夫人はホテルプロヴィデンスを買い取っていた。働く従業員たちを逃がすために。支配人は伯爵夫人も避難するよう促すが、彼女は優しく断る。従業員の避難も終わり、すっかりひと気の少なくなったホテル内で竜也は、紀世子の意識の中であの雪の日の幼い紀世子と会っていた。その夜、怪しげな物音を聞きつけ、ロビーに集まった一同は意外なモノを目にする・・・。
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第25話
ホテル・プロヴィデンスの医務室。紀世子の亡骸を前に、竜也やイサム達が集まっている。紀世子が竜也に伝えた謎の言葉「クレンジング・フラッド」について語り合っている。風子が言う。「全てを浄化する大洪水…?」ホテル・プロヴィデンスの厨房。麗子に見とれる透。その透に「麗子は結城老人のクローン」である事を懇切丁寧に教える執事。…ということは…麗子は「オ・ト・コ!?」ショックを受ける透。みんなに確認するが、透以外は全員当然のことのように理解していた。レストランでの朝食。普段は別に食事を採っている執事にも同席するように勧める伯爵夫人。そして朝食。静かな、醒めた雰囲気が流れている。そんな雰囲気を察した麗子がせっかく揃っているのに楽しそうでないと感想を述べる。それをきっかけに、イサムと風子は自分達のオリジナルの実家に行ったことを話し始める。自分達と瓜二つの写真たち。そんな話をしているうちに夫人は「今、ここであなたたちと食事ができる事を私は心から感謝しています。」と…受けて風子も「ヒロコちゃんがボロボロだった私を産みなおしてくれたんだよね…」と涙で目を濡らす。そして、その話を聞いていた執事はこの一同で写真を撮る事を提案する。楽しみながら、お互いに励ましあいながら、写真をとる一同。そこに…突然ブラッタリアを連れた風祭がやって来る。「このホテルを接収させて頂きます」もう何を言っても仕方がないと諦めた夫人はまず、執事を安全な場所にフィルムと共に避難させる。ホテルの地下室。イサム達が紀世子の亡骸を移動してくる。「ここなら安全だ」出て行くイサム・風子・透。残る竜也。「いつだって一緒だから…」ホテル・プロヴィデンスの前庭。作業をしているブラッタリアが突然攻撃を受けた。ギルガメッシュの来襲である。
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第26話
雷鳴轟くホテル・プロヴィデンスの前庭。突然現れたエンキドゥ(円輝道)・各務貴顕・城所翔一・黛エリカ。驚く伯爵夫人。自分のオリジナルと対峙するイサム。何故彼らが甦ったのか?その答えはティア。ティアが自分達を生かしてくれたのだと語る城所達。デルフュスの危険性を世界に知らしめた輝道がどうしてこんな事を…という夫人に「進化をやり直すため」だと告げるエンキドゥ。正門をぶち壊して入ってくるブラッタリア装甲車。強烈な波動を発射する。波動を受け、苦しみだす竜也、ギルガメッシュ達、エンキドゥ。装甲車から取り出した矢でエンキドゥを射る風祭。突き刺さる矢!繋がったプラグからの波動に苦しむエンキドゥ。それに対して各務達はデュナミスをで装甲車を破壊する。荒い息のエンキドゥ。と、身体が光だし…彼の身体から球状の光が分離して空中に浮かんでいく…「あれは、…」夫人が呟く。風祭は薄笑いを浮かべる・・・。