『鴉 -KARAS-』
黒い光、帝都を舞う――
夕闇が迫り、夜が訪れると、人々は明かりを灯し闇を退ける。
そこに、何か恐ろしいものが潜んでいることを知っているから。
若者は夢と希望を胸に上京し、ある者は夢破れこの街を去り、またある者は故郷を捨て、永住の地とする。
国家機能の中枢であり、全ての情報の源たる東京。
また利便性を追求するあまり、悪しき住環境を生み、快楽を追求するあまり、犯罪を生みつづける巨大都市。
これは果たしてその主たる人間の望んだ姿なのだろうか?
国家・企業・家庭…、<個>としての意思は悪徳。
少子化問題は、生物の最大目的<種の保存>を放棄したことを意味する。
では生物としての人間の存在理由とは何か?
人間が歩む人生とは、様々な分岐を経た結果、<選ばれた未来>である。
その選択に直面した時に、人間は如何に進むべき道を決定するのか?
人間は本当に、自らの意思で<選択>を行うことができているのだろうか?
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第1話 鴉開眼
新宿に現れた三人の青年。干渉事件対策課へ配属された青年・呉鳴海。古い馴染みに借りを返そうと放浪していた奇妙な風来坊・鵺。そして、<街の意思を代行するもの>であるゆりねに目覚めさせられた乙羽…。そんな中、芸能界でリポーターとして働き始めた少女・ヒナルは、取材中に仲間たちが河童の餌食となってしまい…。
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第2話 火炎輪
「赤いZに出会うと、首都高速のトンネルから出られなくなる」という都市伝説が流れる新宿。連続する“一風変わった”事件と、“一風変わった”同僚の鷺坂に困惑し、苛立つ呉。一方、新たな鴉となった乙羽は、弱体化してゆく街の妖怪たちの治療に追われていた。この現象はいまだかつてない街の危機をあらわしているのか?
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第3話 滅覺醒
鎌鼬と土蜘蛛は、鴉を抹殺するため新宿区内にある病院を目指す。鴉は人間の霊体がゆりねと契約を交わすことによって生まれるため、己の本体を失えば、その魂は地上に存在できなくなるという弱点を持っていた。それを狙い、乙羽“本体”に襲いかかる鎌鼬と土蜘蛛。鵺の助太刀もあり、鴉はその攻撃を食い止めるが…。
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第4話 人乙羽
土蜘蛛、鎌鼬によりさらわれたゆりね。それによって乙羽は鴉から人間へと戻った。そんな中、深手を負った鵺を自らの血で救った乙羽は、東京に起こりつつある異変を知る。だが、そんな彼に元の生活へ戻るように忠告して立ち去る鵺。それは、自分たち妖怪の起こした罪を償うため、自分の弟を廻向から救い出すためだった…。
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第5話 幻想区
ゆりねの呪縛から開放され、自らも御座となった廻向。そんな廻向の次なる目的は、新宿という街そのものの改造にあった。そして、鵺とその弟の体に密かに組み込まれていたある仕掛け──鵺兄弟がふたたびまみえることでその仕掛けが発動し、新宿の街に突如、機械根が出現した。それは人間を次々と襲いはじめて…。
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第6話 真伝説
東京に終結する他エリアのゆりねと鴉たち。事態の収拾が付かない場合、彼らの手で東京そのものが破壊される…。そんな中、新生した鴉(乙羽)と廻向の最後の戦いが始まった。女鴉・炎も参戦し、戦いは激しさを増していく。だが、強大な廻向の力に苦戦を強いられる二人。果たして、乙羽は街を守ることができるのか…!?