『平家物語』
平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。
亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来(さき)が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、「お前たちはじき滅びる」と予言される。貴族社会から武家社会へ―― 日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開ける。
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第1話 平家にあらざれば人にあらず
平安末期の京都。平家一門は、権力・武力・財力、あらゆる面で栄華を極めようとしていた。天皇をもしのぐ勢いで野心を募らせる父・平清盛を危うく感じる長男の重盛はある夜、邸内で琵琶法師の少女・びわと出会い、平家の滅亡を予言される。重盛とびわには、ともに見えないものが見える「目」を持つという共通点があった。
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第2話 娑婆の栄華は夢のゆめ
資盛が天皇の摂政に無礼を働いて制裁を受け、それに清盛が報復したことで、平家に対する批判が噴出する。重盛は資盛を伊勢に謹慎させ、自身も職を辞することで少しでも批判を治めようとするが、それがおもしろくない清盛。そんな中、徳子が後白河法皇の息子・高倉天皇に入内することが決まる。
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第3話 鹿ケ谷の陰謀
維盛・資盛・清経らとともに、厳島神社に赴くびわ。入内して6年になるが子を授かる気配のない徳子のために、一行は厳島神社で舞と祈祷を捧げる。一方、重盛は後白河法皇と対立する僧たちからの訴えに頭を悩ませていた。さらにその裏では、源氏の力を借りて平家を討つ密議が交わされようとしていた。
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第4話 無文の沙汰
待望の御子を授かったにもかかわらず、病床に臥せってしまった徳子。見舞いにきた重盛が片目で周囲を見ると、密議の陰謀で処分された者たちの怨霊が蠢いていた。恩赦によって流罪になった者たちが解放され、徳子の息子が無事産まれるが、平家の立場…
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第5話 橋合戦
重盛の死を受け、「未来が見えても変えることはできない」と嘆くびわ。その左目は、いつの間にか重盛の目と同じ色になっていた。重盛に代わり弟の宗盛が平家の頭領になるが、後白河法皇は平家の勢力を削ごうと動き始める。これに反発した清盛は、三種の神器とともに幼い安徳天皇の即位を急ぐ。
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第6話 都遷り
平家への風当たりが強まるなか、京からの遷都が決まり、慌ただしく引っ越しの準備をする資盛・清経・びわ。たどり着いた福原の海岸で、兄弟たちはいとこ違いの敦盛と出会う。月を見ながら笛を吹き、束の間の交流を楽しむびわたちだったが、清盛の邸では物の怪による変事が相次いでいた。
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第7話 清盛、死す
伊豆に流罪になっていた源頼朝が、遂に後白河法皇の院宣を受けて挙兵した。総大将に任命された維盛率いる平家の兵は富士川の戦いであえなく敗走し、いよいよ没落の色を濃くするのだった。年が明け、高倉上皇が危篤状態に陥る。清盛は徳子に今後の身の振り方を提案するが……。
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第8話 都落ち
清盛の死を受けて動揺する一門を離れ、母探しの旅に出たびわは、各地で平家と源氏の戦の状況を耳にする。奮闘する知盛や重衡らを尻目に、頭領の宗盛は京で宴三昧の日々を送っていた。源氏側につく者が増えるなか、維盛は木曽義仲に大敗を喫し、引き返せないほど精神的に追い詰められていく。
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第9話 平家流るる
京を捨てて西に逃れる平家一門。入れ替わりで源氏の白旗がはためく京に戻ってきたびわは、静御前らとともに丹後をめざす。後白河法皇が後鳥羽天皇を擁し、かつて重盛に仕えていた者たちも次々と源氏側に寝返っていく。福原を落ち、大宰府からも拒否され、疲弊しながら歩き続ける一門は、とうとう海まで追いやられる。
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第10話 壇ノ浦
旅のすえに母と再会したびわは、改めて自分も平家の行く末を見守り、祈り続けることを決意し一門に戻る。しかし、清経の入水に続き敦盛が一ノ谷の戦いで戦死、捕らえられた重衡は鎌倉に送られ、平家はひとりまたひとりと欠けてゆくのだった。苦しみに耐えかねた維盛は出家を決意し、最後にびわと短い会話をかわす。
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第11話 諸行無常
年が明けて季節は冬から春へ。決戦は屋島の戦いから壇ノ浦へと向かう。追ってきたのは源氏の若き総大将・義経。激しいうず潮に源平の舟が入り乱れるなか、イルカの大群が押し寄せ、遂に風向きが変わる。平氏の敗北と滅亡が垣間見えるなか、みなを勇気づけ闘う宗盛と知盛。三種の神器とともに帝の手を取る時子。びわはそのすべてを目に焼き付けようとしていた。