春夏秋冬代行者 春の舞
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  • 地域日本
  • タイプTV
  • 正式名称春夏秋冬代行者 春の舞
  • 英語名Shunkashuutou Daikousha: Haru no Mai / Agents of the Four Seasons: Dance of Spring
  • 中国語の名前春夏秋冬代行者 春之舞
  • 放送開始2026-03-28
  • 放送状況放送中
  • タグ恋愛 / 幻想 / 小説改
  • 原作暁佳奈(電撃文庫, KADOKAWA)
  • 監督山本健
  • シナリオ久尾歩 / 河口友美
  • 絵コンテ古橋一浩 / 山本健 / 佐藤芳子 / 佐藤颯 / 伊藤慎之助
  • 演出伊藤慎之助 / 丹羽沙也加 / 山本健 / 稲森雅 / 佐藤颯
  • キャラクターデザイン原作插画:スオウ / 鳥井なみこ / 簑島綾香 / 近藤綾 / 五十子忍
  • 音楽Aniplex / 牛尾憲輔 / 東北新社 / 木村絵理子 / 中野勝博
  • 制作会社WIT STUDIO
  • 製作春夏秋冬代行社(Aniplex, WIT STUDIO, KADOKAWA, ジェイアール東日本企画, TOKYO MX) / 高橋祐馬 / 伊藤整 / 渡部竜平 / 買場道雄
  • Copyright©暁佳奈・スオウ / ストレートエッジ・KADOKAWA / 春夏秋冬代行社
  • 家族春夏秋冬代行者 春の舞
  • Rating12+

『春夏秋冬代行者 春の舞』

「春を咲かせよう。すべての人に春を」

“四季の代行者”とは——四季の神々から与えられた特別な力で各地に季節を巡らせる現人神。

人々が当たり前に感じている四季の巡りは、彼らの不断の努力によって保たれている。

しかし春の代行者・花葉雛菊がテロ組織に誘拐され行方不明となってから、大和国の季節は春だけが消え去ったままだった。

「雛菊様、独りにしないで。お願い帰ってきて」

自らの生活を全てなげうって主を探し続けた春の護衛官・姫鷹さくら。

大切な友人を守れなかった冬の代行者・寒椿狼星と冬の護衛官・寒月凍蝶。

十年の時を経て雛菊が突然の帰還を果たしたことで、止まっていた彼らの物語が動き出す。

様々な想いを抱えながら、雛菊とさくらは春を届ける旅を始める。

「二人で、生きる、の」

二度と手放さないと誓った少女とともに生きるために。

「あの二人は小さな恋をしていたんだ」

引き離された初恋の人に再び会うために。

「私達を傷つける、すべての者達に告ぐ」

誘拐され不条理に奪われた日常を取り戻すために。

雛菊とさくらは歩み続ける。

春を必要とする人のために。

悲しみの淵にいる人に寄り添うために。

何度傷ついても生きようと願う人に、希望を届けるために。

「私は貴方を守る。貴方も私には春をくれる。だから大丈夫、共に参りましょう」

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        TVアニメ「春夏秋冬代行者 春の舞」3月28日(土) 24:00より放送開始!雛菊とさくらの春を届ける旅を、ぜひお楽しみに🌸 / ▌オープニングテーマ / Orangestar「Petals feat. 夏背」▌エンディングテーマ / Orangestar「花筏 feat. 夏背」▌放送情報 / TOKYO MX・とちぎテレビ・群馬テレビ・BS11 / 3月28日(土)より毎週土曜24:00~ / MBS 3月28日(土)より毎週土曜26:38~ / CBCテレビ 3月28日(土)より毎週土曜26:07~ / RKB毎日放送 3月28日(土)より毎週土曜26:30~ / HBC北海道放送 3月28日(土)より毎週土曜26:28~ / ※放送日時は変更になる可能性があります / ▌CAST / 【春の代行者】花葉雛菊 :貫井柚佳 / 【春の護衛官】姫鷹さくら:青山吉能 / 【夏の代行者】葉桜瑠璃 :上坂すみれ / 【夏の護衛官】葉桜あやめ:馬場蘭子 / 【秋の代行者】祝月撫子 :澤田 姫 / 【秋の護衛官】阿左美竜胆:八代拓 / 【冬の代行者】寒椿狼星 :坂田将吾 / 【冬の護衛官】寒月凍蝶 :日野 聡 / ▌イントロダクション / 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の作者・暁 佳奈が紡ぐ四季の物語を、『進撃の巨人』『SPY×FAMILY』などを手掛けてきたWIT STUDIOがテレビアニメ化。四季の代行者 。彼らは四季の神々から与えられた特別な力を使い、各地に季節を巡らせている。しかし春の代行者・花葉雛菊が行方不明になってから十年間、この国の季節は春だけが消え去ったまま。春の護衛官・姫鷹さくらは十年間、主を必死に探し続けていたが、ある日突然雛菊が帰ってきたことで物語は動き出す。雛菊とさくらの、春を届ける旅が始まる。——不条理に奪われた大切な時間を取り戻すため。——恋い焦がれ続けたあの人に想いを伝えるため。——命に代えても守りたい あなた のため。これは四季をもたらす現人神とその護衛官の、喪失と再起の物語。何度傷ついても、それでも生きると願うあなたへ贈る、祈りの物語。▌あらすじ / 「春を咲かせよう。すべての人に春を」四季の代行者 とは——四季の神々から与えられた特別な力で各地に季節を巡らせる現人神。人々が当たり前に感じている四季の巡りは、彼らの不断の努力によって保たれている。しかし春の代行者・花葉雛菊がテロ組織に誘拐され行方不明となってから、大和国の季節は春だけが消え去ったままだった。「雛菊様、独りにしないで。お願い帰ってきて」自らの生活を全てなげうって主を探し続けた春の護衛官・姫鷹さくら。大切な友人を守れなかった冬の代行者・寒椿狼星と冬の護衛官・寒月凍蝶。十年の時を経て雛菊が突然の帰還を果たしたことで、止まっていた彼らの物語が動き出す。様々な想いを抱えながら、雛菊とさくらは春を届ける旅を始める。「二人で、生きる、の」二度と手放さないと誓った少女とともに生きるために。「あの二人は小さな恋をしていたんだ」引き離された初恋の人に再び会うために。「私達を傷つける、すべての者達に告ぐ」誘拐され不条理に奪われた日常を取り戻すために。雛菊とさくらは歩み続ける。春を必要とする人のために。悲しみの淵にいる人に寄り添うために。何度傷ついても生きようと願う人に、希望を届けるために。「私は貴方を守る。貴方も私には春をくれる。 だから大丈夫、共に参りましょう」▌スタッフ / 原作:暁 佳奈(電撃文庫/KADOKAWA刊)原作イラスト:スオウ / 監督:山本 健 / アニメーションアドバイザー:古橋一浩 / シリーズ構成:久尾 歩 / キャラクターデザイン:鳥井なみこ / ビジュアル開発・イメージボード:米谷聡美・久保雄太郎 / 美術監督:竹田悠介(Bamboo)色彩設計:中村絢郁(WIT STUDIO)色彩設計補佐:生田さら(WIT STUDIO)撮影監督:野澤圭輔(グラフィニカ札幌スタジオ)編集:柳 圭介、ACE / 音響制作:東北新社 / 音響監督:木村絵理子(東北新社)音楽:牛尾憲輔 / アニメーションプロデューサー:大谷 丞 / アニメーション制作:WIT STUDIO / ▌原作情報 / 原作:暁 佳奈(電撃文庫/KADOKAWA刊)原作イラスト:スオウ / 『春夏秋冬代行者』原作小説 電撃文庫より好評発売中!

      • 夏ビジュアル解禁PV

        夏の代行者・葉桜瑠璃とその護衛官・葉桜あやめが描かれた夏ビジュアルを解禁!小説「春夏秋冬代行者 春の舞」はテレビアニメ化進行中ですので、ぜひ続報をお楽しみに。▌イントロダクション / 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の作者・暁 佳奈が紡ぐ四季の物語を、『進撃の巨人』『SPY×FAMILY』などを手掛けてきたWIT STUDIOがテレビアニメ化。四季の代行者 。彼らは四季の神々から与えられた特別な力を使い、各地に季節を巡らせている。しかし春の代行者・花葉雛菊が行方不明になってから十年間、この国の季節は春だけが消え去ったまま。春の護衛官・姫鷹さくらは十年間、主を必死に探し続けていたが、ある日突然雛菊が帰ってきたことで物語は動き出す。雛菊とさくらの、春を届ける旅が始まる。——不条理に奪われた大切な時間を取り戻すため。——恋い焦がれ続けたあの人に想いを伝えるため。——命に代えても守りたい あなた のため。これは四季をもたらす現人神とその護衛官の、喪失と再起の物語。何度傷ついても、それでも生きると願うあなたへ贈る、祈りの物語。▌スタッフ / 原作:暁 佳奈(電撃文庫/KADOKAWA刊)原作イラスト:スオウ / 監督:山本 健 / アニメーションアドバイザー:古橋一浩 / シリーズ構成:久尾 歩 / キャラクターデザイン:鳥井なみこ / ビジュアル開発・イメージボード:米谷聡美・久保雄太郎 / 美術監督:竹田悠介(Bamboo)色彩設計:中村絢郁(WIT STUDIO)撮影監督:野澤圭輔(グラフィニカ札幌スタジオ)編集:柳 圭介、ACE / 音響制作:東北新社 / 音響監督:木村絵理子(東北新社)アニメーションプロデューサー:大谷 丞 / ラインプロデューサー:佐藤慧介 / アニメーション制作:WIT STUDIO / ▌原作情報 / 原作:暁 佳奈(電撃文庫/KADOKAWA刊)原作イラスト:スオウ / 『春夏秋冬代行者』原作小説 電撃文庫より好評発売中!

      • 秋ビジュアル解禁PV

        紅葉の中、秋の代行者・祝月撫子が護衛官・阿左美竜胆に花冠を載せる一幕を描いた秋ビジュアルを解禁!小説「春夏秋冬代行者 春の舞」はテレビアニメ化進行中ですので、ぜひ続報をお楽しみに。▌イントロダクション / 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の作者・暁 佳奈が紡ぐ四季の物語を、『進撃の巨人』『SPY×FAMILY』などを手掛けてきたWIT STUDIOがテレビアニメ化。四季の代行者 。彼らは四季の神々から与えられた特別な力を使い、各地に季節を巡らせている。しかし春の代行者・花葉雛菊が行方不明になってから十年間、この国の季節は春だけが消え去ったまま。春の護衛官・姫鷹さくらは十年間、主を必死に探し続けていたが、ある日突然雛菊が帰ってきたことで物語は動き出す。雛菊とさくらの、春を届ける旅が始まる。——不条理に奪われた大切な時間を取り戻すため。——恋い焦がれ続けたあの人に想いを伝えるため。——命に代えても守りたい あなた のため。これは四季をもたらす現人神とその護衛官の、喪失と再起の物語。何度傷ついても、それでも生きると願うあなたへ贈る、祈りの物語。▌スタッフ / 原作:暁 佳奈(電撃文庫/KADOKAWA刊)原作イラスト:スオウ / 監督:山本 健 / アニメーションアドバイザー:古橋一浩 / シリーズ構成:久尾 歩 / キャラクターデザイン:鳥井なみこ / ビジュアル開発・イメージボード:米谷聡美・久保雄太郎 / 美術監督:竹田悠介(Bamboo)色彩設計:中村絢郁(WIT STUDIO)撮影監督:野澤圭輔(グラフィニカ札幌スタジオ)編集:柳 圭介、ACE / 音響制作:東北新社 / 音響監督:木村絵理子(東北新社)アニメーションプロデューサー:大谷 丞 / アニメーション制作:WIT STUDIO / ▌原作情報 / 原作:暁 佳奈(電撃文庫/KADOKAWA刊)原作イラスト:スオウ / 『春夏秋冬代行者』原作小説 電撃文庫より好評発売中!

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      —— 最終更新日:2日15時2分前 ——
      • 第1話 春の舞

        ——少女の姿をした春の神様が、窓の外を眺めている。海底に佇んでいるように波打つ豪奢な琥珀の髪に、和洋折衷の美しい着物をまとった可憐な娘、春の代行者・花葉雛菊は大和国最南端の島である竜宮にいた。彼女に付き添うのは、凛とした美しさを持つ春の代行者護衛官・姫鷹さくら。本来、南国として名高いはずの島はいま、雪に彩られている。互いに身を寄せ合うようにして列車に乗る彼女たちは、この島で失われた春を呼び戻す儀式を行おうとしていた。「雪かきにいくの」そんな中、儀式の場所へ向かう道中で二人は薺と名乗る幼い少女と出会う。「あの、ね、雛菊は、春、を呼ぶ、ん、だよ」「ハルって、なに?」十年ものあいだ春を失った地で育った彼女は、春という季節を知らなかった。「子ども、は、ね……守って、あげ、たいの」薺の抱える想いを知った雛菊とさくらは、彼女のためにこの地に春を呼び寄せる決意をする。季節の巡り替わりを四人の現人神が担うこの国において、古くから伝わる代行者の歴史はこのように綴られることで始まる。——はじめに、冬があった、と。

      • 第2話 名残雪

        青年の姿をした冬の神様が、夢から醒め、寝起きのかすれた声で何事か囁いている。十年振りの春帰還に騒然となる大和の中で、時の人である春の代行者について話す者達がいた。陰りのある瞳と高貴な美しさを持つ冬の代行者・寒椿狼星と、そんな彼に仕える執事然とした男、冬の代行者護衛官・寒月凍蝶だ。二人は四季庁から新たに派遣された石原や、冬の護衛陣と共に創紫の地へ足を踏み入れる。すべては春の顕現が無事になされた地で、雛菊の帰還をこの目で確かめるために。ところが、四季の代行者の存在を良しと思わない賊の面々が、狼星たちを襲う。「……全部、俺のせいだ」「何度言えばわかる?私はお前が大事なんだ」難なく撃退する狼星たちであったが、十年前に春を失ったことは冬主従の心に深い傷を与えていた。十年前の事件、帰還した春主従の現在の様子。交錯する思いの中、彼らは念願の桜見物を果たす。だが、そこでもトラブルに巻き込まれ——。「目の前に助けられる命がある。今なら救える」代行者の始まりの物語は、以下のように続く。——世界には冬しか季節がなく、冬はその孤独に耐えかね、生命を削り違う季節を創った。それは春と名付けられた。春は冬を師と慕い、常にその背を追いかけるようになった、と。

      • 第3話 片影

        ――夏の代行者の隠れ家、夏離宮は深い森の奥にある。竜宮から創紫での春顕現を終えた雛菊とさくらは、次の季節顕現の土地である衣世に訪れていた。滞在地は、夏の代行者の別荘である夏離宮。まだ解けぬ雪景色の中、春主従を出迎えてくれたのは夏の代行者護衛官を務める葉桜あやめ。眼鏡をかけた知的で美しい娘だ。あやめは二人に自身の妹が夏の代行者であることを語る。年頃の近い娘たちが意気投合する一方で、夏の代行者・葉桜瑠璃は部屋にこもり、顔を出そうとしなかった。「やっぱり、お姉ちゃんはあたしのことどうでもいいんだ」瑠璃は、扉越しに声を掛けてくれた雛菊に対しても素っ気のない答えしか返さない。「私、結婚するので従者を辞めるんです。それに対して、妹が機嫌を損ねて」夏主従の間には、けして小さくはない不和が起きていた。姉妹間で生じている軋轢に戸惑いながらも、順調に衣世での春顕現を進める雛菊。しかし、積み重なった疲労により倒れてしまう。それぞれが誰かを想う中、その背後では怪しくうごめく影の姿があった――。代行者の始まりの物語は、以下のように続く。——冬は春から向けられる敬愛に応えるように教え導き、二つの季節は仲睦まじく季節を互いに繰り返した。しかし、途中で大地が悲鳴を上げた。まるで休まる時が無い、と。

      • 第4話 朝凪

        ――この神様に捧げられるものがあるなら何だって捧げる。代行者を狙う賊が、夏離宮を襲撃していた。主を守るため、そんな賊たちに相対するのは護衛官の二人。毅然とした態度で腰に携えた刀を駆使し、苛烈な攻撃を敵に与える春の護衛官・姫鷹さくら。温和で清楚な振舞いを一転し、銃を構える賊に臆することなく堂々と応戦する夏の護衛官・葉桜あやめ。二人によって賊は撃退されたものの、冬の里の護衛による助けがあったことが伝わる。「……冬が、何で……」【冬】の一文字に動揺を隠せないさくらは、ある人物のことを思い出す。『私だけでは不足だと? それとも罪滅ぼしのつもりか?』さくらは険しい想いを抱えながらも、いまは雛菊を守ることだけを優先した。「夏の、代行者、さま……?」そして、ようやく彼女たちの前に夏の代行者が姿を現して――。代行者の始まりの物語は、以下のように続く。――動物が愛を育んでは眠り、木々は青葉に包まれたと思えば凍てつく。これならば、ただじっと耐えるばかりの冬の世界だけでよかったと。一度春を知ってしまったからこそ、冬の世界が来ることが耐えられないと。

      • 第5話 二人ぼっち

        ――その時は、最愛の女の子が何年も帰ってこなくなるとは思いもしなかったのだ。衣世での夏離宮襲撃を経て、帝州へと向かった春主従。さくらはより一層、雛菊に対しより過保護に振る舞い、冬主従もまた遠くから二人を見守っていた。雛菊は訪れた地で、春の里を想起する。決まって思い出すのは、先代の春の代行者である母のことだった。いまより昔のこと。当時、春の代行者を務めていた雛菊の母・紅梅が、幼い雛菊を連れて春の里へ向かっていた。雛菊の父である花葉春月に娘を預けるためだ。「母さま、また春のけんげんをしにいくの? もう春なのに?」「実は母さま、あまり身体が良くないの。だから、治療をしにいかなきゃ」雛菊が思い返す過去は、いつも悲しみを纏うものばかりだ。春の里について雛菊が想いを馳せる傍らで、さくらもまた古い記憶を引っ張りだしていた。のちに自身の最愛の主となる人との出会いの過程。そして、さくらが如何にして代行者護衛官になったかを。代行者の始まりの物語は、以下のように続く。――冬はその言い分に悲しんだが、大地の願いを聞き入れて、自分の生命を更に削り生命を創った。それが夏と秋だった、と。

      • 第6話 還る場所

        ――いらない。この方の傍に居る権利以外、何もかも。雛菊が帝州での春顕現を進める中、さくらの心は乱れていた。十年前、雛菊が攫われる原因となった冬の里襲撃事件。責任の一端を負っている冬主従の存在を、主が憎むことなく慕う言葉を言い続けるからだ。さくらは再び過去を追走する。主が賊に誘拐されてから、さくらは冬の里に身を寄せるも、ある日飛び出し、一人で健気に雛菊を探していた。そこでもたらされる雛菊の帰還の報は、さくらに歓喜をもたらしたが、同時に悲劇の始まりでもあった。「もとの、ひなぎく、は、死んじゃった。今の、ひなぎく、は、ちがうひと」機械のような辿々しい喋り方をする雛菊。「みんな、『あの子』が死ぬの、待ってた、んでしょ。なら、そうしてあげる。そのうち、今の雛菊も、死ぬ、から、放って、おいて」あまりにも世の中に絶望し、自暴自棄になっている彼女に、さくらはそれでも告げる。「さくらの還る場所は、一つです」代行者の始まりの物語は、以下のように続く。――厳しい暑さの夏は自分を疎んだ大地への嘆き。段々と生命の死を見せていく秋は自分をまた受け入れてもらう為の時間として。大地がそれを受け入れたので、季節は春夏秋冬と巡るようになったのである、と。

      • 第7話 宵闇

        ――春爛漫の世界で、幼女の姿をした秋の神様が遊んでいる。帝州全域に雛菊たちが春をもたらす一方で、すでに春顕現を終えている創紫では幼い秋の代行者とその護衛官が平和な時を楽しんでいた。天使のような顔立ちの少女の名は祝月撫子、大和最年少の現人神であり、秋の代行者だ。そして褐色の肌に黄菊色の髪をした凛々しい顔立ちの男は秋の代行者護衛官・阿左美竜胆。賊に襲われることが少ない季節である秋は、他の季節で起きている襲撃事件とは縁遠い毎日を過ごしていた。「春の代行者さまに、従者さま……お会いしてみたいわ」秋の穏やかな日常とは裏腹に、冬主従は現在の雛菊の状況を鑑みて、賊への警戒を強めていた。「諸々事情がわかって確信した。春の里は信用できん、四季庁もだ」冬は、春の後ろ盾になるよう、動きはじめる。留まることを知らぬ桜前線を大和にもたらしている雛菊も、遠くで冬を想っていた。「会いたい、の、気持ちがね。どんどん、膨らんで、るの」皆の気持ちが交錯する中、事態は急展開を迎えようとしていた。代行者の始まりの物語は、以下のように続く。――四季達はそれぞれの背を追いかけて世界を回ることで季節の巡り変わりを齎した。春は冬を追いかけ、それに夏と秋が続く、と。

      • 第8話 桜雨

        ――どうして世界は呼吸をしているのだろう。いま、こんなにも酷いことが起きているのに。秋離宮襲撃の報は、四季界隈を震撼させていた。冬主従は、それでも春顕現の旅を中止することができない春主従を心配する。狼星と凍蝶、そして雛菊とさくらは、切っても切れぬ繋がりが過去に存在していた。十年前――神話の体現である儀式、【四季降ろし】が冬の里で行われた。新米の四季の代行者が、季節の祖である冬の代行者の元で暮らすというものだが、従者とともに現れた春の代行者・花葉雛菊に冬の代行者・寒椿狼星は一目惚れをしてしまった。「‥‥俺の春だ」二人の縁は、ここから始まる。「寒いなら、暖かくすればいいんじゃないのか? 春の代行者なんだから」「練習以外でそういうことはしちゃいけないって……」代行者同士は距離を近付けていき、「あれは流石に従者として見過ごせないのですが……」「すまない、さくら。年の近い女の子と話すのはほぼ初めてで慣れていないんだ」護衛官たちもまた、関係を深めていく。春と冬がまるで神話の体現のように和やかに過ごすなか、冬の里に闇が訪れる。代行者の始まりの物語は、以下のように続く。――後ろを振り返れば春が居るが、二つの季節だけだった時とは違う。春と冬の蜜月はもう存在しなかった、と。

      • 第9話 第玖話

        ――何度、心をくじかれたとしても、立ち上がりたい。負けたくない。いま、黙ったままでは、絶対に駄目だとわかっているから。秋の代行者・祝月撫子の行方は依然としてしれず、時間だけが無駄に過ぎていた。十年前の雛菊誘拐を彷彿とさせる賊の蛮行に、代行者や護衛官たちの間には動揺が走るも、具体的な解決策は導き出せていない。幼い秋が消えたことで心を崩す雛菊。その姿を見て苦悩するさくら。主を失った張本人である秋の代行者護衛官・阿左美竜胆は、失って初めて自らの主である祝月撫子への深い愛を自覚し、喪失感に苛まされる。そして、愛する人を失う喪失感をすでに経験している冬の代行者・寒椿狼星は、過去から現在へと続く失意の日々を思い返した。「この命は、雛菊にもらった命だ。雛菊に恥じない生き方をしたい」撫子を救うため、狼星はさくらへ数年ぶりの連絡を入れる。代行者の始まりの物語は、以下のように続く。――冬は春を愛していた。動物達が夫婦となり生きていくように、春を愛していた。春もまた、運命の如く冬を愛し返した、と。

      • 第10話 残像

        ――心を明け渡すつもりはなかったのに。あの秋の少女神の声が頭から離れない。四季庁に設置された秋の代行者捜索本部に凛とした声が響いた。秋の代行者護衛官・阿左美竜胆の瞳に二人の少女の姿が映る。春の代行者・花葉雛菊と、その代行者護衛官・姫鷹さくらがやってきたのだ。「どうしてここまでしてくださるのか?」春主従の行動に懐疑的な様子の竜胆。「主の為に我々を利用するくらいして見せろ! 護衛官だろうが!」十年前の経験から、さくらは竜胆に発破をかける。そんな中、撫子を攫った賊の正体が割れて――。「……あの人、だった」雛菊の口から語られる犯人の姿、その手口。それらの情報は、捜査本部にいた者達を恐怖と混乱に落とすには十分だった。代行者の始まりの物語は、以下のように続く。――その密やかな情熱に気づいていた夏と秋は、彼らの為に提案をした。大地に住まう者に、自分達の役割を任せてはどうかと。

      • 第11話 焦燥

        ――だからもう、自分で自分の首を絞めているような、自死を選んでいるような、あんなにも苦しい気持ちは失くなっていた。十年前に雛菊を攫った組織、【華歳】。その頭領である観鈴・ヘンダーソンが撫子誘拐の犯人であると断定し、捜査本部は動き出す。四季庁に待機となった春主従は、これから来る冬主従を迎えることとなったが、さくらの胸中は複雑だった。「貴方を大丈夫じゃなくさせる失礼な真似をしたら、さくらがその場で斬り捨てますよ」「だから、今度は、雛菊が、さくらがもう、誰か恨むの、疲れたって、なった時、おいでって、してあげたいの……」自身の従者が、わりきれぬ想いを抱えていることを察し、雛菊はさくらを抱擁するような言葉を捧げる。そんな中、彼女たちが訪れていた四季庁にて事件が発生してしまう。「代行者様方!火事です!早く下へ!」しかし、その対応の早さをさくらは訝しみ……。代行者の始まりの物語は、以下のように続く。――力を分け与え大地を一年かけて巡り歩く、その名を四季の代行者。

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