『ラストエグザイル』
産業革命時代の雰囲気を色濃く残した世界、プレステール。
そこに住むクラウス・ヴァルカは、父の残したヴァンシップを使って、幼なじみのラヴィ・ヘッドとともに空の運び屋をしていた。
彼らの夢は、父達が越えることのできなかった、はるか上空の巨大な嵐・グランドストリームを越えること。
だがある日、謎めいた少女アルヴィス・ハミルトンを空中戦艦シルヴァーナに送り届ける依頼を受け継いだことから、彼らは、世界を揺るがす戦いに巻きこまれてゆく。
大いなる風と雲の海が広がる世界、プレステール。
はるか上空を吹き荒れる巨大な嵐、グランドストリーム。
プレステール上で対峙する二大国家、アナトレーとデュシス。
いま、激動と波乱の物語の幕が開ける!
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第1話 First move
クラウス・ヴァルカとラヴィ・ヘッドは、辺境の町・ノルキアに住む幼なじみで、父の残した小型飛行艇・ヴァンシップを使って、空の配達人をしていた。彼らの住むアナトレーという国は、はるか上空から攻めてきたデュシスという国と戦争状態にあったが、それはギルドという組織がルールを取り決めて行う戦争であり、しかも辺境の町に住む彼らにとっては、別世界の出来事であった。クラウス達の夢は、父達が越えることのできなかった、はるか上空の巨大な嵐・グランドストリームを越えること。配達人をしては草レースに出場し、腕をみがきつつ、その日を目指すという生活が続いていた。そんなある日、彼らは、最前線ミナギスで戦う派遣艦隊指令官・マドセイン中将に、家族からの手紙を届ける依頼を受ける。手紙を運んできた2人の目の前で起きる空中戦艦同士の激しい戦闘。戦火をくぐり抜けながら、旗艦クラウ・ソラスにようやくたどり着いた2人だが、新たに出現した未登録デュシス艦隊が、クラウ・ソラスにも襲いかかる。
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第2話 Luft Vanship
“ルール違反”である新手のデュシス艦隊の奇襲、そして戦争の“審判”である筈のギルドもそれを黙認した事で、マドセイン艦隊は混乱状態に陥り、次々に撃沈されてゆく。激しい攻撃にさらされる旗艦クラウ・ソラスの中で呆然とするクラウスとラヴィ。敗北を覚悟したマドセイン中将は、クラウ・ソラスを中心に特攻を決意、民間人である2人を退艦させようとする。しかし自分達が託された依頼をやりとげるため、マドセインの娘から預かった手紙を艦内放送で読み上げるクラウス達。娘の父を思う手紙を耳にし、マドセイン中将は一時の恥を捨て、撤退することで多くの部下を生き延びさせ、再起することを決意する。撤退を手助けするため、自分たちでできることをしようと、ヴァンシップで出るクラウス達。だが、デュシス軍の追撃は容赦なかった。そのとき、見たこともない真紅のヴァンシップが現れた。
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第3話 Transpose
ノルキア杯・ヴァンシップレース開催日。先の仕事でミナギス海戦に巻きこまれたため、レース予選のタイムアタックに間に合わなかったクラウス達は、最後尾からのスタートとなった。彼らは、性能の劣る機体を腕でカバーして徐々に順位を上げ、ついにはトップ争いに躍り出る。念願の初優勝が目前に迫るが、その時一機のヴァンシップがレース場に墜落してくる。クラウス達は墜落機に巻き込まれてコースアウト、ラヴィは悔しがるが、クラウスはそのままレースを捨てて墜落機の救助に向かう。墜落したヴァンシップのパイロットは瀕死の状態で、クラウス達に仕事の引継ぎを依頼する。それは一人の少女を、謎の空中戦艦・シルヴァーナに送り届ける、と言う依頼だった。そのとき、星型をした幾何学的な機体が上空に現れた。少女の正体は?そして少女を追って現れた機体とは?
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第4話 Zugzwang
少女アルヴィス・ハミルトンをシルヴァーナに届ける依頼を引き継いだクラウス達だが、まずは自分達の家に戻り、今後の事を検討する。クラウスは、親のいない自分達と同じ境遇をアルに感じとり、あくまでも依頼を引き継いだ自分たちが届けるべきだと主張する。だがヴァンシップ組合に調停を申し入れようと反論するラヴィとの間で結論は出ず、その日は暮れる。その夜、突如襲い来る、あの星型の機体。それは、クラウス達の家を破壊し、ヴァンシップで地下水路伝いに逃げた彼らをどこまでも追ってくる。ありあわせの道具と知恵を尽くしてなんとか追撃を逃れ、空中戦艦シルヴァーナとの合流地点を目指すクラウス達だが、彼らの前に再び星型の機体が立ち塞がった!
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第5話 Positional play
クラウス達の目の前に現れた、空中戦艦シルヴァーナの異様な姿。艦長アレックス・ロウは、クラウス達を相手にせず、アルをまるで物を扱うかのように連れて行く。その態度に納得がいかないクラウスは、謎の機体との戦いで壊れたヴァンシップを応急修理し、シルヴァーナを追う。シルヴァーナからの攻撃を回避しつつ、燃料ギリギリの状態で強行着艦するクラウス。そこで出会ったのは、ミナギス海戦で遭遇した真紅のヴァンシップとそのパイロット、タチアナ・ヴィスラだった。
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第6話 Arbiter attack
アルの件でアレックスに詰め寄るクラウスだが、逆にアレックスはクラウスに問いかける。「この空でお前は何をしたい?」一方タチアナは“積荷”が無事届いたことを報告するため、皇帝の元に向かう。だが運悪く、エースパイロット不在の折に、あの星型の機体の大群がシルヴァーナを襲った。アルを連れて逃げ出そうにも、クラウス達のヴァンシップは壊れたままだ。タチアナを欠くシルヴァーナのヴァンシップ隊では敵を防ぎきれず、艦内ではあちこちで白兵戦が始まっていた。
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第7話 Interesting Claus
シルヴァーナの艦載ヴァンシップのパワーに翻弄されるクラウスとラヴィ。彼らが機体を制御出来ない間に、星型の機体は次々とシルヴァーナに侵入し、各所での白兵戦は激しさを増してゆく。だが徐々に機体のクセをつかんだクラウスは、機体をコントロールし始めた。敵旗艦で戦況を見つめていた少年、ディーオ・エラクレアは、そんなクラウスの飛行技術に興味を抱き、自ら手合せするために出撃する。
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第8話 Takeback
アナトレー軍港への入港を拒否されたシルヴァーナは、修理と補給のために、巨大カジノを併せ持つ民間の浮きドックに進路を向けた。そこでラヴィの前に現れたのは、先のミナギス海戦での仕事の時に、自分達を助けてくれた銃兵、モラン・シェトランドだった。モランはミナギス海戦で負傷したために、旗艦クラウ・ソラスを降ろされてしまい、次の乗艦を探していた。浮きドックには同じマドセイン艦隊所属の戦艦・ゴライアスも寄港していたが、実はゴライアスは、“逆走のゴライアス”と呼ばれる、マドセイン艦隊の中でもクセのある連中ばかりが集まった艦だった。
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第9話 Calculate Alex
自由都市ホライゾンケイブでは、ヴァンシップ乗りには憧れの8時間耐久レースが開催されようとしていた。クラウスは、シルヴァーナがホライゾンケイブに向かっている事を知って、レースへの出場を願い出る。出場が許され、レース会場で機体を整備するクラウス達の前に、妙になれなれしい少年が現れた。彼の名は、ディーオ・エラクレア。一方ホライゾンケイブの地下では、もうひとつのケイブ名物、闇のオークションが始まっていた。アレックスが見つめる中、オークションディーラーは最後に小箱を取り出してこう言った。「これこそ…かの伝説の、『エグザイル』の扉が入っているのです…」と。
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第10話 Swindle
ホライゾンケイブ・8時間耐久レースは中盤に差し掛かっていた。レースに集中するクラウス&ラヴィ機。レースと並行して謎の作戦行動を行うタチアナ&アリスティア機。クラウスと遊ぶ事しか考えていないディーオ&ルシオラ機。やがてレースは佳境に入ってゆく。一方オークション会場では、“『エグザイル』の扉”の競りが進んでいた。どんどん値がつりあがる中、闇の中から凄まじい形相でアレックスを睨みつける者がいた…。
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第11話 Develop
アレックスの行動に不信感を持ったアナトレー皇帝は、アルの引渡しとエグザイルの情報を求めて、ヴィンセント大佐率いる新型戦艦ウルバヌスをシルヴァーナに差し向けた。
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第12話 Discoverd attack
アレックスがアナトレー皇帝の要求を拒否したため、新型戦艦ウルバヌスは、シルヴァーナに対して攻撃を開始する。
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第13話 Isolated pawn
シルヴァーナとウルバヌスの激戦の中、砂漠地帯に不時着したクラウスとタチアナは、シルヴァーナの緊急避難用シェルターを目指す。
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第14話 Etude Lavie
クラウスの父親とラヴィの父親は、国中に名を馳せたヴァンシップ乗りだった。10年前、彼らのチームは、ある重大な任務を持って、グランドストリーム超えに挑んだ。
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第15話 Fairy chess
無事救出されたクラウスとタチアナ、しかし、タチアナの雰囲気はこれまでとは微妙に変化していた。そしてクラウスは、ディーオから見せられた一枚の写真に驚愕する。ここにある筈の無いもの、何故その写真があるのか、クラウスは問い詰める。
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第16話 Breakthrough
デュシス残存艦隊は、ウルバヌス艦隊が抜けて手薄になったノルキアを越えて、アナトレーの帝都を急襲する。炎上する帝都を前に、さまざまな想いが交錯する。
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第17話 Making material
炎上する帝都に君臨するデュシス残存艦隊。アナトレー軍内部には、和平の道を探る者もいれば徹底的抗戦を主張する者もいる。分裂するアナトレーの国論、アナトレーとデュシスの戦いの行方は…。
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第18話 Promotion Sophia
アナトレー、デュシス、両国がともに生き残ることは可能なのか。既にデュシスに制圧されたノルキアで、その可能性が試される。
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第19話 Sicilian Defence
同盟を結んだアナトレーとデュシスを、マエストロ・デルフィーネがあざ笑う。一方シルヴァーナとウルバヌスは、龍の牙を越えてグランドストリームへと向かった。
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第20話 Grand Stream
作戦決行は、山羊月13日の 04:00。それに向けてグランドストリームでの、シルヴァーナとウルバヌスの隠密作戦は続く。
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第21話 Rook Dio
誓約の儀式まで、あと1日。ディーオにとって最も長い1日が始まった。ミュステリオンをめぐる争いも、激しさを増して行き、それぞれの虚々実々の駆け引きが繰り広げられる。
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第22話 Queen Delphine
誓約の儀式が始まり、ディーオはアゴーンの試練を迎える。一方シルヴァーナでは、ついにラヴィが自分たちのヴァンシップの修理を終えた。
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第23話 Castling Lucciola
幼い頃に巡り合ったディーオとルシオラ、彼らはその時から主従関係にあった。しかしそれを気にしないディーオは、ルシオラに対してごく自然に接していた。
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第24話 Sealed move
アナトレーとデュシスの同盟艦隊がノルキア上空に集結した。いよいよギルドに戦いを挑む時がやってきたのだ。一方、デルフィーネのもとから脱出したクラウス達もノルキアに帰って来た。
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第25話 Quiet move
グランドストリームでアナトレー・デュシス同盟艦隊とギルド艦隊の戦いが続く中、エグザイルは、両艦隊に対して見境なく攻撃を開始した。
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第26話 Resign
クラウスはアルとともに、グランドストリームで交戦中のシルヴァーナを目指す。