『バイストン・ウェル物語 ガーゼィの翼』
日系二世の浪人生千秋クリストファは、故郷に帰る途中、白鳥の翼のような白い光に包まれて幽体離脱し、一方は地上の世界に残り、もう一方は異世界=バイストン・ウェルへと落ちていってしまう。
バイストン・ウェルではメトメウス族のケッタ・ケラスたちが、自分たちを奴隷として使役するアシカバ族の王宮建設現場からまさに脱出しようとしていた。
その戦いの中に突如出現したクリス。
彼は伝説の聖戦士“ガーゼィの翼”さながらの光の翼に包まれて、羽根付きの妖精フェラリオとともに現れた。
聖戦士の登場に意気を挙げるケッタ・ケラスたち。
その勢いに臆したアシカバの戦士を後目にメトメウス族の脱出は成功する。
アシカバ族の王フングンは、騎士サギゾアと恐獣軍団の将ウンドによって彼らを追撃させメトメウス族を根絶やしにするよう命令する。
実戦経験のないままケッタたちの仲間となり逃亡生活を続けるクリスだが、先祖から伝わる土鈴で、地上世界のもう一人の自分と連絡をとりながらアシカバ族の追撃部隊を撃退する。
最初はクリスを信頼していなかった女戦士リーリンスたちも、クリスを聖戦士として認めるようになる。
しかし、怒った敵の将ウンドは恐獣軍団をひきいて、逃亡するメトメウス族に総攻撃をかけようとしていた。
一方、地上のクリスはエネルギーをバイストン・ウェル世界に取られてしまい、寝込んでしまう。
心配して看病する恋人・留美子もようやく異世界の存在に気づき始める。
激しい戦闘が続く中、メトメウス族の巫女ハッサーンは、もういちど“ガーゼィの翼”を呼ぴ出すべく鈴をふり続ける。
しかし、アシカバ族の攻撃はさらに激しさを増していく。
体力、精神力のすべてを出して戦うバイストン・ウェル世界のクリス、そして意識を失い朦朧とする地上のクリス。
果たしてクリスは、メトメウス族を勝利に導けるだろうか?
そして地上の世界に戻れるのだろうか?